カメラが帰ってきた

カメラは壊れていなかったが、充電器が先月壊れて以来カメラを使えない状態が続いていた。充電器を買い、復活した電池が戻ってきた。

しかしこのカメラ、2006年頃のものだからもう10年以上になる。デジカメの寿命は10年と聞いていたから、そろそろ限界ではなかろうか。充電器もあまり在庫がなく、取り寄せた。最近はよく、電源を入れても「SDカードが満タンです」という表示が出る。SDカードに空きはあるが、認識してくれないから、SDカードを抜いたり挿したりしている。

その昔、SDカードを出し入れしなくてもWi-Fiを通じてデータの読み込みができる、Eye-Fiというものを買った。前使っていたカメラでは使用したがこのカメラには対応しておらず、ほとんど使わずじまいだった。Eye-Fiは最近聞かないが、今のカメラは本体がWi-Fi接続できるようで、直接iPadにデータを送りRAW現像を行うらしい。カードを抜き差しするのはもう古いカメラを使っている人だけのようだ。ましてやパソコンでRAW現像するとか。パソコンを使っている人だってなかなか減ってきており、タブレットが主流になったように見受けられる。少し前にやっていたiPad ProのCM「What's a computer?」は、今の人には当たり前のように思えるのだろう。デスクトップなんてもはや業務用。

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そんなテクノロジーに取り残されたカメラだが、フィルムではなくアンティークでもない。ただ不便なだけ。センサーは劣化が進んでいき、近い内にいずれ使えなくなる。壊れる前に売っぱらってしまおうかと考えたこともあったが、最終的にどうしても他のカメラに乗り換える気になれなかった。売ってしまえば今後このカメラを使えることはないだろうし、結局壊れるまで使い続けることにした。

気に入ってるとか愛着とかではない。こだわりとも違う。写りがどうとかはよくわかっていない。SDカードは認識しないし、Wi-Fiなんてあるわけがない。SDカードリーダーを用いてわざわざデータを読み込まないといけない。不便だ。充電器は2万円以上もして、替えの充電池だって1万以上する。レンズは高くてとても買い足す気になれない。不経済だ。画素数は1030万画素しかなく、センサーはAPS-Hという中途半端なサイズ。マニュアルフォーカスしかできない。めちゃくちゃ使いにくい。ソニーのα7Ⅲは2420万画素もあってフルサイズ、電気屋で試し撮りしてみたがオートフォーカスはめちゃくちゃ速かった。

このカメラを使い続けるという選択はもはやマゾなのか。ただ自分は必要があって写真を撮るわけではなく、何かと競っているわけでもない。買い換える理由がないと言えばそれまでになる。先日読んだ佐藤健寿のインタビュー、「カメラも引き算の時代が求められる」という記事はよかった。僕のはもう引かれすぎているけれど。