「家をせおって歩く」を読んだ

最近ネタ元がアトロクばかりだけど、「家をせおって歩く」を買った。村上慧さんという人が、発泡スチロールで作った家を背負って日本中を歩きまわった体験を絵本にしたもの。日本全国を1年ほどかけて周り、その後スウェーデンや韓国にも進出している。

まず、どういうこと?と思う。ビジュアルを見てみるとわかりやすい。犬小屋の底から足が突き出たような外見をしている。2枚目が写真。

発泡スチロール製である理由は、軽いことと断熱材として優秀だからだそうだ。この家は村上さんが自分で作り、歩く経験の中でつぎつぎと改良を加えている。これで1年かけて日本全国を歩き回ったって、やっぱりどういうことなんだろう?この外見を見て真っ先に思い起こすのは、安部公房の箱男だ。箱男を地で行っている。

村上さんが何をやっている人かというと、これが本職です。武蔵野美術大学を卒業した芸術家であり、この「家をせおって歩く」は、文字通り歩く現代アートなのだ。箱男のようなホームレスではない。いや、どの程度違いがあるのか、コンセプトの違いが大きい。村上さんは家をせおって歩きながらも、芸術家として生計を立てている。海外進出は、確か芸術祭に参加するためだった。

冗談ではなく、村上さんはこの「家をせおって歩く」をかなり真面目に、己の活動として実践されている。絵本では絵と写真をまじえて、1年の生活がどのようなものであったか、どんな場所でどう過ごしたか語られている。非常に興味深い、やりたい、できない、かっこいい。ここに思い至ったのがそもそもかっこいい。

ラジオでもその内容に軽く触れられています(音源あり)。

絵本は買って読んだけれど書籍の方は未読です。今はいったい何をされているのだろう?

http://satoshimurakami.net/

[asin:4834084477:detail]

[asin:4909179003:detail]

[asin:4101121168:detail]

https://ours-magazine.jp/borrowers/murakami-01/

KAWAZOI - 読書メーター