今の世の中がどうなろうと知ったこっちゃねえ

そう思う人がいてもなんら不思議ではない。「むしろ今騒いでる奴ら、我慢していたり気を引き締めたり不安を感じている奴らって、平時は幸せだったんだな」と思っている人もいるだろう。「今死ぬのを怖がっているのとか、普段あまりそういうことを考えなくてよかった人なのかな?」って。経済の心配をしている人とか、人生うまくいってたんだろうなって。なんか、熱くなっている人たちを見ると冷めるというか。

日常の大切さを思い知って、以前の日常に戻りたいって思っている人は、多分その日々に幸せを感じていた人たちなのだろう。今よりも前が良かったって言える人は。そうじゃない人からすれば、今は返って生きやすいと思うかもしれない。不安の渦中で、みんなが幸せを感じていないと、疎外感が薄れて返って安心するとか。肩身の狭い思いをしなくていいとか。

世の中を良くするために、って思える人は、多分社会に対して恩を感じている人なんじゃないかと思う。何らかの恩恵を受け、感謝の念があるからだろう。じゃあ逆に、社会から阻害され、搾取され、排斥されてきた人は?そういう人が、社会の崩壊を案じるだろうか。喜ぶだろうか。さんざんな目に遭ってきた以前の社会がどうなろうと、どうでもいい。知ったこっちゃねえと思うんじゃないだろうか。お前らはお前らで勝手にやってろよって。自分を否定し続けてきたこの世の中に対して、怨みこそあっても恩など微塵も感じないだろう。