これまで何度かテラスハウスについて触れてきたから、今回のことについても触れておきたい。木村花のことはとても驚いた。この番組でこういうことがあるとは、全く予想がつかなかった。というのも、番組内でもっとひどい扱いを受けてきた人が今までにいくらでもいたから。同期にも社長というメンバーがいて、もっとひどい誹謗中傷があったと思う。だから、この番組で今更こういうことが起こるなんて思いもよらなかった。
木村花について、初登場から見ていた。正直なところ自分にとっては印象の薄い人。番組を見る上で興味の対象ではなかったから、注目していなかった。最近の流れ(快が出ていくまで)において、アクシデントに見舞われた中心人物ではあったが、それでも自分にとってはどうでもいい話題を提供するだけの影の薄い人物だった。だから、わざわざ本人のInstagramアカウントへ直接誹謗中傷が飛び交っていたこと自体に驚いた。その熱意は一体どこから来るのだろうって。
僕は以前軽井沢編で雄大のことを茶化して軽くバズったことがあり、これも中傷って言われたらその枠に入るのかもしれない。言い訳するが、僕は番組の構成上そういう注目の仕方もアリだと思って書いていた(スタジオトーク、山チャンネルはほぼ"いじり"で構成されている)。僕が書いたものは番組でいじっていた内容をまとめた程度に過ぎず、当たり前だけどTwitterなりInstagramなりで本人のアカウントめがけて死ねだの云々暴言を吐いたことはない。
ただこのスタジオトークや山チャンネルが「そういうのもアリ」の空気を作り、誹謗中傷を助長させていたことは間違いない。個人アカウントをめがけた直接の暴言も、その延長上にあると言える。自分の書いたことを正当化したいわけではないが、番組内で許されていた「噂話程度」であったり「生暖かく見守る」範囲が僕はボーダーと思って乗っかっていた。そして僕のボーダーの観点からすれば、出演者の個人アカウント突撃は常軌を逸していると思う。誹謗中傷を野に放って絡まれるのを待つのはOK、直接殴りに行くのはアウト。
現実として、本人に向かって直接暴言を吐きに行く人はけっこういるらしい。悪意や敵意をもってやる人だけでなく、ストレス解消や暴言に称賛がつくことで承認欲求が満たされる人もいるとか。
去年11月に、まさに自分と同様な体験をしたTwitter漫画が話題になっていたのを今更知った。本当こんな感じ。更に思い出したけど、みんなもやってみたら、と周りに勧めていて、ドン引きしたんだったhttps://t.co/YI7whPYe3j
— 加野瀬未友 (@kanose) 2020年5月24日
今回の原因については、各所でいろいろなことが言われている。ソースは覚えていなけれど、ざっと挙げるだけで
- 快の問題(連絡取れなくなったところまで)
- 快に対する行動がネットで叩かれたこと
- それに花自身が(社長のように)対処できなかったこと
- プロレスの興行がコロナでなくなったこと
- テラハ自体がコロナで中止になったこと
- 制作側のフォローが至らなかったこと
コロナでプロレスの仕事がなくなったことも、精神的なダメージとして大きかったと思う。テラスハウスがなくなったことも大きい。これまでテラスハウスでは、メンバーがネットで叩かれても他のメンバーがフォローしたりしていたそうだ。しかしコロナで番組の撮影も共同生活もなくなり、誰もフォローする人がいなかったことも大きかったんじゃないかと言われている。他にも増田に考察があった。
いずれにせよ、テラスハウスは悪趣味だと思う。他人に対する興味の持ち方が悪趣味。校内の噂話と同じ。見世物小屋。でもみんなそれをわかっておもしろがり、わかって乗っかっていた。僕も同じ。僕はテラスハウス自体はそんなに好きじゃない。リアリティーショーという構造も好きじゃない。だったら見なけりゃよかったんだっていう気持ちが強い。僕は初回湘南編も軽井沢編もハワイ編もどのシリーズも最後まで見れなかった。そしてどのシリーズも、ハウス自体がだんだん病んでいくと聞いた。僕にとっての正解は、こんな悪趣味なものをおもしろがって見ないという選択だった。
これまでテラスハウスについて書いたもの