こういう人とどう向き合えばいいか

この匿名ダイアリーが批判を浴びている。

これは消えてしまった元増田に対して、「あなたは自他の区別がついていない」「悪いのは夫ではなくあなた」という正論をぶつけるものだった。

これは離婚だと思う。

時系列でいうとこれが一番最初

"正論の説教"に対する批判の内容としては、「察してちゃんに正論言っても無闇に傷つけるだけで効果ない」といった内容。ブコメにもたくさんあったが、批判の匿名ダイアリーもあった。

全部読みたい人には読んでもらって、とりあえず一旦簡潔に整理をしてみたい。

  • 最初の女性:「旦那が気持ちを察してくれなくて」離婚を言い渡そうとしている
  • それに対する正論(?):「自他の区別がついていない」
  • 正論に対する批判:「相手を傷つけるだけ」

というざっくりとした流れであってるかな。ここで僕が考えたいのは、僕だったらこういう人に対して、どう向き合えばいいかということ。こういう人というのは、最初の女性みたいに「自他の区別がつかない人」のことだ。

自他の区別がつかない人というのは、「自分がこう思うから他人もこう思うはず」と思い込んでしまっている人。もしくは「自分がこう思っていることを、言わなくても相手に察してほしい」という人のこと。ネットでは古くから「察してちゃん」と呼ばれてきた。

簡単に言えば、恋人なり結婚相手なり、友人や上司や教え子、先輩、弟子に対してもそうだけど、人に対して過剰な期待を寄せてしまう人のこと全般を指すと思っていい。そして期待に沿わないと文句を言ったりがっかりする人のこと。その期待が過剰かそうでないかを判断するポイントは、自分の意思を明確に言葉で伝えているかどうか。伝えてもいないことを期待するのが、過剰な期待。

僕のような一般人、カウンセラーでもセラピストでもない一般人が、彼女のような人にどう向き合えばいいか。結論から言うと、関わらないことだろう。多くの人がやっている、関わらない、これが大正解。もし相手が大親友であったり、どうしてもなんとかしてあげたい人だったら、信頼できる専門家を紹介しましょう。それ以外は全て悪手だと思う。

最悪なのは食い物にすること。これは良識があればやらないと思うけれど、この手の人はカモなので、隙あらば悪い人が寄ってきます。食い物にするのは論外として、真っ直ぐに向き合うのも悪手だと思う。下手すれば向こうに引っ張られる。そうでなくてもこちらが疲れる。

関わらないのが正解と言ったって、相手が親兄弟のように簡単に縁が切れない場合もある(それでも僕は縁を切ってしまっていいと思う)。縁が切れない相手でもなるべく距離を置いて、なるべく関わらないのが肝心だと思います。関わる機会があれば、決してまともに向き合わないこと。言い方を変えれば、相手にしないこと。重要。

一見冷たいようですが、素人が真剣に向き合ったところで相手に効果はなく、徒労に終わります。こっちが誠意を尽くして、真剣に取り組んだところで、相手はわかってくれません。特に正論は、無闇に相手を傷つけるだけに終わり、相手との関係を損なう以外何も残らない結果も起こり得ます。正論に対する批判に「生兵法は大怪我の元」と書かれていた。そのとおりだと思う。僕は自他の区別がつかない人と、まともに関わるべきではない。接点があれば、当たり障りのないことを言ってお茶を濁し続けるのが正解なのだろう。

僕自身、10代の頃付き合っていた相手が、過剰な期待を寄せてくる人だった。僕は真剣に向き合ったせいでめちゃくちゃ喧嘩したし、お互い傷つけ合った。別れてからの後日談で、彼女は「あの頃はどうかしていた」と言っており、全面的に自分の否を認めている(他人に期待しなくなったかどうかは知らない)。

親しい関係だと、まともに向き合うことが自分の役割だとか思ってしまいがちですよね。それ、本当に大間違いだった。本気で相手のためを思うなら、金を払って専門家に対処してもらうこと。僕は興味本位で相手に関わってしまうことがあって、本当に悪趣味だと思う。やめます。

そういう自分は、本当に自他の区別が付いているのだろうか?「自分がこう思う」ことが「他人もこう思うだろう」と勝手に思い込んでしまっていることはないだろうか?その程度のことは全然ある。物事を考えるときにはどうしても、自分の常識、見識から抜け出すことができない。

問題なのは、それを元に「よかれと思って」行動してしまうこと。相手が本当に望んでいるか、喜ぶことなのかどうか確認を取らずに、相手のためを思って自分の「よかれ」を押し付けてしまうこと。さらに、その「よかれ」の見返りまで求めてしまったら最悪だ。もうコミュニケーション不全、破綻している。暴走と言われかねない。

コミュニケーションで重要なのは、「察する能力」ではない。はっきりと言葉にし、時には文書に残して、互いの意思を確認し合うことだ。察する能力に長けて人をうまく操ってお金をせしめたりいい思いをするのが上手い人は、ただの詐欺師です。気をつけましょう。