Dispoというアプリと、近藤さんが言っていたこと

こちらのPodcastでDsipoを知った。Dsipoとはdisposable(使い捨て)から来ており、写ルンです感覚で撮るカメラアプリのこと。ファインダー(のぞき窓)が小さく、自由な加工ができず、なおかつ撮った写真は翌日にならないと確認できない。撮った写真はロールというフイルム単位で、他の人と共有することができる。

Dispo - 写真共有SNS

Dispo - 写真共有SNS

  • Dispo, Inc
  • 写真/ビデオ
  • 無料

感覚としては、パーティーやイベント、ディズニーランドに使い捨てカメラを持ち込み、その場で写真を撮って、後で出来上がったものを仲間たちと共有する。まさに写ルンですをアプリで再現している。

なんでわざわざそんなものを作ったのか。昨今のInstagram上では、みんな「いかに映える写真を撮るか」に夢中になってしまっている。注目される写真を撮るために、人工的に絵面を作り、何度も撮り直し、加工することに躍起になり、肝心の現場が蔑ろにされている。みんなアプリ上でバズることだけを目的として、その場を全然楽しんでないんじゃないか?というような思いが創業者のデビッド・ドブリック氏にあったそうだ。

そしてパーティーで実際の使い捨てカメラの使われ方に注目し、もっと今を楽しむアプリが作れないかと思い、このDispoというアプリができあがった。Dispoは写真そのものを注目させるためのアプリではなく、メインはあくまでリアルの現場。アプリはみんなをカメラの前に寄せ合ったり、楽しい思い出を再共有するといった、メインである現場(リアル)を盛り上げるための補助ツールに過ぎない。

この、SNS上やオンライン上よりも、今この瞬間の現場を大切にする、リアル回帰みたいな発想って、まさに近藤さんがはてなを辞めてONDを立ち上げ、物件ファンなりUNKNOWNへ移行した流れにそのまま当てはまるんじゃないかと思った。WEBサービスをずっと作ってきたから、次は人の生活の場である不動産だったり、人が直接関わり合うコワーキングスペースだったり宿をやりたいみたいなことを、近藤さんは言ってたような気がする。

近藤さんがONDを始めたのは、2017年だから3年以上前。上に貼ったPodcastによると、2,3年前から若い人の間で、実際の使い捨てカメラが再び使われ始めていたそうだ。偶然にも同時期に、イノベーターと若い人が同じ発想で動いている。ネット、スマートフォン、SNSに疲れ、今あるこの瞬間、この現実を大事にしていこうという流れは、実はその頃から既に始まっていたのかもしれない。Dispoは立ち上がったばかりだけど、Instagramに取って代わるだろうか?どのような使われ方をするだろう?SNS上よりもリアル回帰という、時代を象徴するような同じコンセプトの、新たなサービスは現れるのだろうか?