歯医者に行った

けっこうなぶりに歯医者に行った。案の定虫歯が見つかった。定期的に歯医者に行かないと人間はダメになると思っているのに、コロナに入ってからめっきり行かなくなった。特に歯が痛いとか、困ったことはないから、一年は行ってなかったと思う。身体の健康と同じで、病気になったら病院に行くのではなく、定期検診によって状態を把握しながら健康を維持する予防医学が大事、みたいなことをいつかどこかで聞いた。歯も同じで、傷めてから治すより、定期的に診て健康を維持するほうが負担が少ないとか。

全く同じような話を、先日ラジオで聞いた。それは東京国立博物館の人による、収蔵品の維持管理の話で、昔は損傷したら修復すればいいという発想だったのが、修復しなくていいように維持してなるべく元の状態を保つ方針に変わっているという話だった。修復という作業には、手を加えて元の状態を変化させる過程があり、それよりかは維持管理によって修復が必要にならないようにすることで、なるべくオリジナルの状態を保ったほうが文化財保護の観点からも優れているということだった。

虫歯を治療する過程で、オリジナルの歯は必ず損なわれる。それよりきれいな状態を保つことで、虫歯にならないように心がけたほうがオリジナルの歯は保たれる。予防歯科と国宝の管理は似ている。