「ミャンマーの柳生一族」感想・書評

「ミャンマーの柳生一族」は、ノンフィクション作家である高野秀行が、探検部の先輩で作家の船戸与一に連れられ、「河畔に標なく」という小説の取材に付き添った話だ。高野さんは今までにも「アヘン王国潜入記」や「西南シルクロードは密林に消える」などでミャンマーを訪れており、現地の事情に通じていてビルマ語ができるということで今回の付き添いに抜擢された。

いつもは非合法な手段で入国しているが今回は合法的に入国し、豪華なホテルに泊まり4WDの日本車に乗りガイドまで付くという一見普通の旅行記になっている。しかし、当時のミャンマーは北朝鮮のような軍事独裁国家であり、反政府民族との争いも絶えない。入国したところで観光できる地域も限られているような半鎖国状態だ。船戸与一は取材のためジャーナリストビザを取得、高野さんは観光ビザで入国し、軍情報部が付き添うという条件のもとで、取材の許可が降りた。

  • 「柳生一族」とは
  • ハードボイルド冒険ノンフィクション?
  • 辺境のインテリ
  • ミャンマー人の国際性
  • もう一つの失ったもの
  • 柳生一族はどこへいったのか
  • 関連書籍
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