人の話に興味がないのは僕だけではない

世の中みんなそうだったんだ!知らなかった!人の話に興味がないのは僕だけかと思っていた!だってみんな人の話には耳を傾けるのに、僕の話には耳を傾けないから、みんな僕の話に興味がないだけで、人の話には興味あるもんだとばかり思っていたら違ったんだ…

ベンチ族

自転車で帰宅する。帰り道は信号のない海岸線を直進することにしている。車道からは少し離れており、街灯はまばらで明るくないが、じきに目が慣れ、自転車のライトはかろうじて地面のおうとつを照らす。とは言っても舗装された道路と違い、スピードを出して…

はてな題詠「短歌の目」2017年6月

短歌の目6月のお題です - はてな題詠「短歌の目」 題詠 5首 1.クリーム 心臓のリズムに沿った足音をクリーム色のシャツがむかえた 2.溝 昨日から右手に残る感触が溝の底よりあふれでている 3.万緑 どこかしらつづく万緑どこまでも見上げてもそう、深く吸い込…

はてな題詠「短歌の目」2017年3月の感想と振り返り

遊び心を基準に個人的に気になったものをピックアップして、感想などを。一応全部目を通しているんですが、数が多いんで各お題に一つということで。今回は「草」と「捨」に偏った。ついでに自分の短歌も振り返ってみたいと思います。 短歌の目3月みなさまの…

はてな題詠「短歌の目」2017年3月

短歌の目3月のお題です - はてな題詠「短歌の目」 題詠 5首 1.草 底にある泥を見せつけまいとするはにかみ、草が風に揺らめく 2.あま 職安へ着いたつもりが、見上げるとそびえ立つのは「だあましんでん」 3.ぼたん 日本語のボタンとぼたん、英語だと全然違う…

はてな題詠「短歌の目」2017年2月の感想と振り返り

先月同様、遊び心を基準に個人的に気になったものをピックアップして、感想などを。一応全部目を通しているんですが、数が多いんで各お題に一つということで。接戦は「3.入」でした。ついでに自分の短歌も振り返ってみたいと思います。 短歌の目2月みなさま…

続くエンディング

終わらないEndlessではなく、Ending、終わりが続く。超魔界村で言えばアーサーがお姫様を抱いて背の高い馬に乗っているシーンがいつまでも続く。 もう終わっているのだ。アーサーのようにハッピーエンドとはならなかったが、既に終わっている。しかし、いつ…

はてな題詠「短歌の目」2017年2月

短歌の目2月のお題です - はてな題詠「短歌の目」 題詠 5首 1.洗 洗脳を受けて帰ってきた彼の熱狂ぶりがいたたまれない 2.鬼 空手家の盧山初雄(ろうやまはつお)、人呼んで「ローキックの鬼」。そんなことある? 3.入 入り口の見えない中を、手探りに奥へ進…

はてな題詠「短歌の目」2017年1月の感想と振り返り

ひさしぶりに短歌の目に参加しました。個人的に気になったものをピックアップして、ついでに自分の短歌の意味とか解説を。一応全部目を通しているんですが、数が多いんで各お題に一つということで。 短歌の目1月みなさまの作品をご紹介します - はてな題詠「…

はてな題詠「短歌の目」2017年1月

短歌の目1月のお題です - はてな題詠「短歌の目」 題詠 5首 1.編 きみたちに仲間入りする手続きを終えたしるしの、編み込んだ髪 2.かがみ(鏡、鑑も可) 目の前の鏡の向こう側にいる人が、まっすぐ問いかけてくる 3.もち 背中から家まで長くのびたもち 彼と…

待合所②

① 待合所のドアが開いた。ドアの向こうにいたのは、この空港の制服を着た係員だった。係員が現れると、男が座る席の後ろのほうで音がした。頭のてっぺんが禿げた白髪の老人が、正面のガラスを見たまま席から立ち上がっていた。立ち上がった老人は、そのまま…

故郷で僕は、幽霊になった

生まれてから大学を卒業するまで、ひとつの街に住んでいた。20数年の月日をずっと同じ地域で過ごしてきたことになる。その間に戸建てからマンションへ、マンションから戸建てへと2度の引越があった。住む場所や近所の人、友人、付き合いのある人たちは変わっ…

待合所①

「パスポート」 入国管理官がガラス越しにつぶやく。 男はガラスの隙間からパスポートを通す。入国管理官はページをパラパラとめくり、機械に通す。 「ビザは?」 「ここで受け取ることになっている」 「名前は?」 「そこに書いてあるだろう」 入国管理官は…

短編小説の集い「のべらっくす」第23回:感想編

今回増えましたね、「虫」なのに。前回の「海」のほうが余程書きやすいと思うんだけど、今回も人の作品の感想とその後ついでに自分の書いたやつを解説しようと思う。

短編小説の集い「のべらっくす」第23回に参加

お題「短編小説の集い「虫」」

関係ないこと

その時は好奇心から尾行していて、中に入っていくのを見定めた上で後からついていこうとしたとき、向こうからこちらを見ているものがあった。好奇心とはいいつつも、それは半ば職業病のようなものであり、ついていかざるを得ない事情のようなものがあったと…

短編小説の集い「のべらっくす」第22回:感想編

今回第11回以来、1年ぶりぐらいに参加したのべらっくすでした。「海」っていうテーマは万人にとって馴染みと思い出があるため非常に書きやすく、ぱっと思い浮かんだ内容ですぐに書き終えることができた。さて、自分の解説はあとに置いといて、他の人の作品を…

短編小説の集い「のべらっくす」第22回に参加

お題「短編小説の集い「海」」

最近の短歌をまとめた

このままでいられなくなる日は、実は今その時である。と信じる 変わりゆく温度を渡り歩いたら体に馴染まず、剥がれ落ちてく 100という数字の枠を形取るものは、それらの外側にある これまでとこれから、何も変わらないように、その場でしゃがみ込むだけ 因縁…

Tower

満面の笑みと熱弁。その印象が強い。彼はいろんなものを食べては消化し、排泄する。好き嫌いがないのではないかと思い、あらゆるものを差し出すが、時には渋ったり断られる。好き嫌いはあるようだ。しかしその基準はわからない。彼なりのなにか、思うところ…

虚構の春

「お疲れ様でした。もしよろしければ、こちらにご署名とご連絡先をお願いします。メールアドレスでも電話番号でも結構です。」 それは参加者名簿といったものだった。こういうものは普通、始まる前に書くものだと思っていた。ここの趣旨としては、内容を聞い…

「縞くんよ」 「はい」 「ちょっと頼みたいことがあんねんけど」 縞は自分のデスクから立ち上がり、藤井のデスクへと向かった。机を挟み、藤井が座っている向かい側に立つ。藤井は座りながらも目線はパソコンのモニターに向かい、右手でマウスを触りながら左…

「やあ冴子、お前と会うのも久しぶりだな。僕たちは前世でも会っているが、現世でもこうやってまた巡り会うことができた。これも前世の縁が強かったからに違いない。現世で僕は君の父だ。そして君は僕の娘、冴子として生まれてきた。よろしく頼む。」 私が生…

はてな題詠「短歌の目」11月

はてな題詠「短歌の目」9月の感想と振り返り(前)

数が多いため一部だけなんとなくピックアップ。感想っていうか今回は返歌してみました。

夏休み

小学生の頃の夏休み、100円ショップのくじ引きで簡易のテントが当たった。キャンプに憧れていたから、友達を二人誘って近所の河原でキャンプの真似事をすることにした。ヤマ、と呼んでいたヤマくんと、イシと呼んでいたイシくん。二人とは前に自治会が主催し…

はてな題詠「短歌の目」9月

短歌の目第7回9月のお題と投稿一覧です - はてな題詠「短歌の目」

短編小説の集い「のべらっくす」第11回:感想編

まだ締め切りになっていないため、31日以降追加されたものについては後に追記という形で感想を書こうと思う。全体的には極めて似通った舞台、テーマが多かった。夏祭、浴衣、恋愛、これほどテーマが被ってもディテールはそれぞれ違い、各々の持ち味が楽しめ…

短編小説の集い「のべらっくす」第11回に参加

テーマは「祭り」 <a href="http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2015/08/20/000000_1" data-mce-href="http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2015/08/20/000000_1">【第11回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」</a>

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