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はてな題詠「短歌の目」4月の感想

前回は3回にわたって書いてしまったけれど、今回は1回にまとめたいと思う。気になった短歌の一言感想です。あまり大したコメントではなく意味もないため、どうかお気になさらずお手柔らかにお願いします。今回個人的にはテーマが難しくて全然思い浮かばなかったものの、みなさん見事に活用されていて見習いたい。

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なんとなく二十選

新学期薫れる風の吹くみちをゆくヒヨコらの吹くリコーダー

ランドセルを背負って帽子被った小学生が桜の木の下を歩きながらリコーダーを吹く絵が浮かんだ。そういう風景って現存するのか?もはや記憶と想像の産物かも知れない。
第 2 回はてな題詠「短歌の目」 - この国では犬がコードを書いています

トントンッ「入ってますか」トンットン「入ってますよ」「そうですか、では」

これ最初読んだ時に「では」でドアを開けるイメージが浮かんだ。開けてるじゃん!って。開けてないだろうけど、では、って開ける合図だよね。鍵はかけよう。
保険適用できかねます ―【第2回】「短歌の目」― - 本の覚書

新学期牽制し合う飴玉のごとく小さく丸いものたち

新学期第二弾です。新学期豊作ですね、今度は飴玉ときましたか。やっぱり黄色の帽子とスモッグみたいな服装がどうしても思い浮かぶ。食べてはいけません。
【4月】「短歌の目」第2回 - 幸せの青い魚

あらたまの春に菜の花土手に咲く。今年は道路工事で消えた。

ふと気づけばあそこにあった風景はいつの間にかなくなっている。なくなって意識する。かと言って道路工事反対っていうほどでもない。諸行無常の物悲しさを感じる。
短歌にちょうせん4 - 意味をあたえる

あらたまの飼い主さんでいらっしゃる?ええその猫はアンといいます。

再びあらたまです。タマですよねこれ、サザエさん的な。この使い方は思いつかなかった。そして猫にアン女王の名前をつける飼い主。しかし見た目はタマというギャップ。
第2回「短歌の目」 - このこつちのこ、虚構の子

好きだとか大好きだとか言えるのに齢をとるほど「入れて」が言えない

うーん、最後に敢えて言い訳されているあたり、苦しい。「もうそんな歳じゃないでしょ」とか「もう若くはないんだから、」なんて声が聞こえてきそう。
たんたん短歌 短歌の目/4月 - 片鱗カフェ

華やかに見えた世界へ踏み込むとここもあそこも全てがフール

この方の歌はどれも情景が描きやすい。尚且つその情景が訴えかけてくる類のもので、単純なんだけど響くというか、波長を合わせやすいのだと思います。
はてな題詠「短歌の目」 4月☆ - バンビのあくび

何もかも異なる場所で一人過ごす スマートフォンを握りしめつつ

ぼっちだねーもう一人きりで何もすることなくてもスマートフォンいじりだしたら余計に侘しいからやめたほうがいいと思う。堂々と孤独を味わう余裕も人生には必要だ。
第2回「短歌の目」 (初参加です) - 緋綸子の雑記帳

異国へと旅立つ背中押す父の「行け」と「行くな」が両方聞こえ

これはあれですかね、娘さんの留学ですかね。父親は息子に対してこんな心配はまずしないでしょうね。しかしそれだと「行け」がないか。どうなんだろう。
新学期にはあらたまの粉がひとつフール - 第2回「短歌の目」4月 - このはなブログ

粉微塵 木端微塵と くだけちる 恋の夕べの 影の長きに

繰り返してたたずんでいるあたり、とんでもなくダメだったんでしょうね。そのまま朝までその場で立ち尽くしているかもしれません。返って清々しい。絵的でさえある。
メメントもりもりもり(意味不明) - dattezaのブログ

好きだった菜々ちゃん転校 隣町 校区外さえ当時は異国

何でか知らないけれど小学生の頃ってやたらと転校していく人や転校生多かったなあ。公立が当たり前で受験がないからか。大人の都合で今生の別れとかよくありました。
第2回はてな題詠「短歌の目」作品発表 - のほほん気紛れ詩歌い

ひとつだけ夜の隙間に遺されし星を拾いて胸に飾れり

なんだろうこれ、僕がこれを読んで頭に浮かんだのは、夜道を歩いている顔もよく見えない人が星を拾って胸に付けるところ。講談社の村上春樹の文庫本の表紙みたいな人。
短歌の目 第2回:4月 星を拾いて胸に飾れり - さらさら録

5年目の異動届けも却下され月の砂漠の営業担当

先輩で野村證券に就職した人の配属先が愛媛だったことを思い出した。地元でも何でもなく、愛媛で投資家を新規開拓する部署に回された彼は今頃どうしてるだろう。
短歌の目第2回「4月はハッピーターンの粉でトベます」 - nerumae

待つときにサロンでもらう甘茶飴。もうそこだけの花祭りの味

甘茶飴って何か知らないんだけど、なんかおばあちゃんっぽかった。待つ間に飴を食うとか、思い浮かんだのはおばあちゃんからもらった白い甘いやつ。
「短歌の目」第2回で短歌と都都逸を詠みました - チャイ

描いてた夢のひとつも叶えぬまま 今は自由に大人楽しむ

子供時代っていうのはつらいこととか大変なこと、悔しいことがたくさんあって、大人になると自分の裁量で選ぶことができるようになるから、死ぬのはそれからでも遅くない。
第2回「短歌の目」に参加 --今はまだ必要のない言葉でも - ぼくが電話をかけている場所

「この街のどこにも居場所がない」と泣く異邦人たちが浮かべた笑み

これ見て思い出したのは、太平洋戦争時にアメリカで強制収容された日系人が、戦争が終わった後、自宅に戻った時に暴徒に破壊された家の前で撮った笑顔の写真。
第2回 短歌の目 「ひとつだけ言いたいことが言えるなら」 - ライティング・ハイ

不器用に まどいながらも 重ね入る 間に、月、夜空、とけゆくわたし

その直前に忙しいっていう説明書きを読んだからか、徹夜している絵が思い浮かんだ。全然違うんだろうけど、月は空の月ではなく過ぎる月と時間の感覚を見失う様子。
気がつけば短歌の目(「短歌の目」第2回) - Qの箱庭

大好きなあなたを挽いて、粉にして、蕎麦に仕上げて、食べてやりたい。

そば打ち職人は人を見る時こういう視点なのかな、なんてそんなわけないんだけど、僕はそばアレルギーだから蕎麦の味を知らなくて、それでもなんとなく伝わってくる。
第2回 はてな題詠「短歌の目」4月も参加いたします! - きまやのきまま屋

粉々に なった心を かき集め また明日から 歩みをすすめる

実につらい歌だ。こんなに痛みを伴うなら成長なんていらない、と思う。あるいは復元不可能ぐらいに跡形もなく壊れてしまうことも多々あり、それでも前へ、明日へ向かって。
はてな題詠「短歌の目」 4月のお題 - 有限な時間の果てに

短歌を読む時に思うこと

短歌は57577の31音ですが、その語句の区切りを意識させない歌というのは、個人的には面白く感じます。31音の一つの文章になっている歌。意識させないにも関わらず、きっちり57577の31音でできあがっている歌には工夫があります。はっきりと5文字、7文字、5文字の語句で文を区切らずに、それらをいかに自然に繋げるかという工夫を見ていたりします。工夫といえば、いかにテーマを意識させないかも工夫ですね。「はい、これをテーマに詠みましたよ」と言わんばかりの歌ではなく、歌の中に自然に溶けこんでいればそれは工夫された歌だと思います。気が向いたらそういうのも一度挑戦してみてください。

もちろん歌だから語句を繋げるだけでなく、そこから情景が見えてくるかどうかが最もポイントになってくると思います。それが詠んだ人の意図したものかどうかは別として、情景を浮かび上がらせる歌に仕上がっているか、そういうところも見ています。さらに言えば、その情景がただの情景ではなく、自分に響くものであるかどうか。浮かんだ情景を目の前にして「で?」と思うようなのはやはりコメントもできません。そういうのも含め読む側の経験や背景、感性にも左右されてくるため、各々違った形で受け取るでしょう。