インターネットの衝撃について

僕がインターネットの衝撃に触れたのは高校1年生の時で、何が一番衝撃だったかというと、実名ではタブーだったことが匿名で堂々と行われていることだった。

例えばweb上に置いてある動画、フラッシュ、音声ファイル、BM98、その他ゲームにおいて、麻原彰晃や金正日が積極的に茶化されていた。尊師麻原のオールナイトニッポン、地下鉄サリンゲーム、2ちゃんねるを初めとして、ここにはタブーなんて無かった。

これはすごい世界だと思って、周りの人や大人に紹介したらドン引きされた。「これで喜んでるなんてお前はおかしい」と言われた。同じ子供同士の間でも、爆笑する人間と青ざめる人間とに分かれた。

僕にとってインターネットの衝撃とは、情報の集約でもエロ動画でもソーシャルでもなく、このタブーからの解放だった。ここではどんなこともアリで、どんな言葉でも交わされている。そこにある内容が真実かどうかは判断できないけれど、紛れもない本音だった。建前という嘘をつく必要がない。それが僕が触れた匿名インターネットの世界で、これこそがインターネットの衝撃だった。

よく、自由とは責任を持った行動を取ることだとか、規律や制約があっての自由だとか言うけれど、そうではない。単純に、何事にも縛られない事こそが自由なのだ。それ以外は全て紛い物だ。僕はインターネットにその、純粋な自由を感じることができた。

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

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