写真を撮るということ

先日、僕が撮った写真を人に見せる機会があり、Macで表示して見せていたら「これどこの写真?」と聞かれた。僕がその時見せていたのは近所の写真だったから「近所だよ」と返すと「こんな場所あったっけ?」と言われた。僕は具体的な場所を説明した。

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近所の公園

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撮った写真は大体いつも、特別な加工をしたりしない。モノクロにすることはあるけれど、色などを元の色に近づける程度でできるだけ見たまんま残している。基本的に、写真が現物より良いということは無い。写真そのものよりも自分で見た物、景色、人の方が印象が強い。それをどの程度写真で残して再現できるか、というのが見せ所なのだろう。つまり、良い写真はもちろん良いんだろうけれど、被写体はもっと良いはずなんだ。現物に優る写真なんていうのは加工が行き過ぎている。

「こんな場所あったっけ?」と問うた知人は、実際のその前を何度も通っていた、もしくは近くに住んでいるにも関わらず、その場所に気付かなかった。その場所にこの景色があったこと、それは写真に写ったものより優れた景色であること、そういったことを意識したことがなかっただけなのだろう。僕の視点を通して撮った写真により、初めてその景色が良いということを知った。すぐ近くにあった景色が。写真の役割とはそういうことじゃないだろうか。

身近にあるなんでもない物、風景、同じものであっても、別の人の視点、見方を変えれば全く違って見える。それを気付かせることができるのが写真ではないだろうかと思う。もちろん見たことのない絶景や行くことのできない場所、状況、表情なんかを写すという役割もあるんだけど、それとは別に、他人の視点、自分にはない視点で見たものをオリジナルに近い形で再現できるのが写真であり、それによって別の見方、視点に気づかせることができるというのも、写真の大きな役割だと思う。