「ワセダ三畳青春記」感想・書評

青春記とあるが、この「ワセダ三畳青春記」(通称:三畳記)は辺境作家、高野秀行が大学時代の22歳から卒業後も33歳まで11年間過ごした、わずか3畳しかないアパートにまつわるエピソードを綴った本だ。大学は通常、浪人留年無しだと22歳で卒業する。高野さんは大学に7年間通ったため、アパートに移り住んでから22〜25歳ぐらいまでの3年間は一応大学生だった。その後の8年は卒業後の話。留年大学生から30代前半のおっさんのエピソードの、どこが青春なのかと思う。ひとくくりに青春といえば、昭和の古臭い甘酸っぱさを思い起こすが、高野さんの青春記はド派手ではないけれど新鮮な、エネルギッシュではないけれど若々しい彩りに満ちており、青春と言われても遜色のない活き活きとした生活の様子が描き出されている。

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