日本のいいところとはなんだろう

トロントに滞在して2ヶ月になる。日本以外に住んだことがなかった頃にはわからなかったことがあるはずだろうと思って、思い巡らせてみる。渡航前に言われたのが、「外国に住むとより日本が好きになる」ということだった。今のところどんどん嫌いになっている。日本のいいところというのは確かにあるけれど、飯がうまいとか僕にとってどうでもいいことだったりする。

日本人に限ったことではないけれど、みんな自分の国が一番だと思っている。果たして、実際はどうだろうか。

物価

日本しか知らないと、又聞きの情報でどうしても日本が世界一物価が高いと思っている。そんなことはない。ニューヨークで部屋を借りようと思えば東京と変わらない。トロントは東京ほどではないけれど、新しくもなんともない狭い一室が5、6万する。ワンルームではないシェアの部屋が。こちらではワンルームというのを聞いたことがない。コンドミニアムは1LDKぐらいからだろうか。

食べ物に関しても、レストランなんかは日本の方が安い。トロントはランチでも安くて$15、$20ぐらいが相場だろう。こっちで$10以下で飯が食えるっていうことはまず無い。ファストフードや余程安い韓国料理屋ぐらいじゃないだろうか。

しかし、食材は日本のほうが高く感じる。まず、トロントでは食材が非課税だ。パンなんか$2以下で600g買えたりする。野菜は日本の値段を知らないけれど、米なんかはこっちで買うほうが安い。酒は日本のほうが圧倒的に安い。そりゃあタイや台湾、インドは格安だけど、そこと比べてもしょうがない。

僕はトロントしか住んだことがないけれど、ニューヨークも物価は高かったし、北欧諸国はもっと高いと聞いたことがある。日本が世界一ではない。

安全

日本が世界一安全だと思っている人は多いだろう。もしかしたらそうかもしれない。けれど、飛び抜けて安全というわけではない。これまで僕は安全な国しか旅行をしなかったから、旅先で危険を感じたことは一度もなかった。バンコクでは深夜12時頃に着いたため、駅から40分ぐらいでかい荷物を引きずってホテルまで歩いたけれど危険は感じなかった。プラハは観光客だらけで気が緩んで昼間から毎日ビールを飲んでいた。当然何もなかった。

うちの母親なんかは誤解しているんだけど、自動販売機を置いている国というのは日本以外にもいくらでもある。サイゴンの公園にもあった。アメリカにもあった。日本より安全ということはないかもしれないが、日本と大差無い。

危険な国はいくらでもある。そこと比べても意味がない。危険な国にわざわざ行くんだから臨戦態勢を整えていくのは当たり前だろう。

女性ならば危険かもしれないが、それは多分日本でも同じだろう。日本が特別ではない。

マナー

日本人は世界一礼儀正しいと思っている人もいるにはいるだろう。マナーに関しては文化の違いがあって比べるのが難しい。文化水準が高ければ基本的にマナーは良いけれど、マナーそのもののルールが違うので、どちらがどうとかはなんとも言えない。
例えば、日本では道端に吸い殻やゴミを捨てるのがNGだけど、ニューヨークやトロントでは平気で行われている。そのゴミはどうなるのかというと、毎日行政が道路などを一斉に機械で掃除している。だからゴミが延々と溜まるということはない。それでも街はやはり汚い。

一方、ニューヨークやトロントの人は少しぶつかっただけでも必ず謝る。ドアを開ける時に続けて人が入ってくる場合は相手が男であってもドアを支えてくれる。誰でも毎回そうする。日本で毎回誰に対してでもこれをやるとちょっと特別な人だ。田舎は知らない。

食事のマナーは日本とは全然違う。特に店に行った時のマナーなんか日本にはほとんど無いようなもんだけど、先進国では底辺の人にもあるんじゃないかと思わせられる。
文化水準の高さというのは何も経済発展を指しているわけではない。歴史や信仰が長く続き、洗練された文化というのは先進国じゃなくてもある。むしろ守り続けている文化のほうが厳しくストイックだ。

利便性

日本は世界一便利なんて思っている人はそうそういないと思うが、東京なんかより便利な場所はどこでもある。毎回ニューヨークと比較しても勝てるわけないので申し訳ないけれど、ニューヨークは地下鉄の路線が26あって、東京みたいに変に迂回していたり遠回りしていたりややこしくもない。マンハッタンは碁盤の目になっているので非常に明解だ。そして何よりも24時間運行している。トロントの地下鉄は2時ぐらいまでしかやってないけれど、バスは24時間運行している。

ただ、アメリカもカナダも土地がだたっぴろく車社会なので長距離となると弱い。JRみたいな全国鉄道網はありえない。飛行機乗ったほうが効率的だから飛行機に乗る。時間がある人なら長距離バスは結構充実している。

コンビニエンスストアは日本みたいな全国チェーンではなく個人商店ばかり。店舗数も多い。売っているものは必要なもので、日本のコンビニみたいに何でもかんでもは置いていない。あれは無駄だと思う。スーパーやダラーショップなんかは敷地面積も規模も大きいのでだいたいチェーン店。ニューヨークは何でもあるけれど、トロントは欲しいと思った物がないことが多い。必要なものはある。それ以上は売れるかどうかもわからないので揃えていないという感じだろうか。

他にも文化や自然、テクノロジーや娯楽など比較する項目はいくらでもあるんだけど、日本が突出している部分っていうのは良い面ではあまりない。個人的にはキチガイじみた必死さで突出しているんじゃないかと思う。