キューバ旅行記1日目③「通貨と格闘」

前回の続き

友人のホテル到着→両替

道に座っている爺さんから教えてもらい、ホテルの場所を把握した。そのあたりはVedadoと呼ばれる新市街で、横の通りには番号、縦の通りにはアルファベットが振られていた。oの23へ行けばいいということがわかり、アルファベットと番号を頼りにようやく友人のホテルへとたどり着いた。歩いて50分で着くはずだったのが、道に迷った時間はだいたい2時間以上。27℃前後の気温と、慣れない土地の長時間歩行でくたくただ。

 

友人がホテルのチェックインを済ませると、両替しようということになった。キューバは他の新興国同様クレジットカードで支払える場所が少ない。だから現金を持ち歩かないといけない。僕が事前にネットで調べていた情報では、1CAD(カナダドル)=1CUC(兌換ペソ)だった。友人のホテルでも両替ができると聞き、レートを聞いたら1CAD=0.79CUCだった。これはレートが悪いなと思い、近くの銀行へ行ったら1CAD=0.8CUCと言われたので、もうめんどくさいからそこで両替した。

CUCと人民ペソ

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キューバには通貨が二種類ある。CUC(兌換ペソ)とCUP(人民ペソ)だ。これが非常にややこしいんだけど、とりあえずここでは外国人用の通貨がCUCで現地人用の通貨が人民ペソということにして、後日解説する。とりあえず1CUCは24人民ペソであり、露店等では人民ペソしか使えないという情報を事前にネットで見ていたため、銀行で手に入れたCUCの一部を人民ペソに両替しようということになった。友人のホテル近くにCADECAという両替所があったため、そこへと向かった。

CADECA

カデカと読むそうだ。実は友人のホテルへ行く途中にもカデカはあった。しかしそこはすごく並んでおり、そんなものを待つよりも先にホテルを見つけてチェックインすることを優先していたため、通り過ぎた。カデカは街中にいくつか存在する。他にもあるだろうと思っていたら友人のホテルの近くにもあったのだ。そして、残念ながらそこもめちゃくちゃ並んでいた。それも列が全然進まない。僕は子供の頃から待つということができない質であるものの、他に選択肢もなかったため列に並んだ。

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Obispo通りのCADECAに並ぶ旅行者とキューバ人たち

僕の前にいる西洋人も、後ろのキューバ人もみんな同様に並んでいる。誰もが文句の一つも言いたいだろうけど、言ったところで仕方がなくこうやって並ぶしかない。たかだか両替のために1時間以上は並んだ。そして僕はこの時最悪の状態だった。丸1日以上寝ていない、その間食べたのは機内食のマフィンだけ、そして2時間以上歩き、おまけに1時間以上並んだ。カデカにて人民ペソ(キューバではペソ・クバーノで通じると思う)を手に入れた時は既に夕方6時。僕自身はまだホテルにチェックインもできておらず、荷物もよくわからない部屋に預けたままだ。

バスを諦める

通貨も手に入れ、バスに乗って早くホテルに行こうとしたものの、どこからどれに乗ればいいのかわからない。カデカの前はバス停になっているが、僕のホテルの方へ行くバスなのか、あったとしてもどれなのか全く判断がつかない。それ以上に、バスがめちゃくちゃ混んでいる。どれぐらいかというと、ドアが閉まらず入り口のステップに立ちバスのドアに掴まって身体が外側に出てしまっている人がいるぐらいだ。それがどのバスも大体そんな感じで、たまに旅行者が乗っているのを見かけるが僕はそんなバスに乗りたくない。結局僕らは歩いてホテルまで戻り、道中で何か食べようということになった。

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バス自体は1人民ペソ(約5円)で乗れるそうだ

ライス屋

僕のホテルへの方向というのはなんとなくわかっているものの、どこか食事をとれる場所を探しながらふらふら歩くものだからすぐに道に迷う。友人は道中でサンドウィッチを買って食べていた。これは20人民ペソ(約100円)。うまくなかったそうで買った場所が悪かったのだと思う。僕はもっとまともな食事をとりたかったからまだ何も口していなかった。そのまま夜7時ぐらいになると日が落ち、あたりは急に暗くなった。ハバナの街には街灯が少ない。チャイナタウン近くでおじさんがライスに何かかかっているのを立ち食いしていた。見るからにうまそうだ。友人はスペイン語でおじさんに話しかけた。

「それどこで買ったの?」

「そこだよ」

指を差された方にあったのは一件の露店があり、行列ができていた。観光客は一人もいない。穴場だ。ライスに具が乗っかり、豆のソースがかかっている。それで値段は10〜15人民ペソ(約50〜75円)めちゃくちゃ安い。僕らはそこで食事をとろうとしたが、あまりにも並んでおり時間がかかりそうだったから、僕のチェックインを優先して諦めた。

キューバ人の夫婦

道ははっきりわかっていなかったものの、おそらく僕のホテルは近かった。公園の近くを歩いていると、キューバ人の男性に声をかけられた。横に同い年ぐらいの女性を連れている。前回書いたようにキューバ人は本当に英語を話す人が少ない。友人はスペイン語を話すと言ってもそこまで流暢でもない。スペイン語とイタリア語は少し似ているから、友人がイタリア語で返答すると、そのキューバ人もイタリア語で話し始めた。彼らはお互いがイタリア語を話すということがわかると、そこからイタリア語会話が始まった。僕には彼らが何を話しているのかさっぱりわからない。

「モヒートが飲めるバーを教えてくれって聞いたら案内してくれるって」

そのキューバ人は身長190cmぐらいのかなりゴツイ黒人だったけれど気さくで、隣にいたのは奥さんだったみたいで彼女も会話に入ってくるから大丈夫だろうと思っていた。それが軽く失敗だった。10分か15分ほど歩いただろうか。どこまで連れて行く気なのだろうこいつは。その間も彼らはずっとイタリア語で会話している。どこかに辿り着いたが、明らかにバーではない。僕は様子がおかしいと思って何を話しているのか聞いてみた。

「ここはカストロが昔住んでいたところで、今日3階でキューバ音楽の演奏があるから見ていけよって。そこでモヒートも飲めるらしい」

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音楽の演奏があった建物。僕らが実際に訪れたのは夜でこのあたりは真っ暗だった。

飯はどこへ消えた?

友人はその音楽の演奏をかなり聞きたがっていた。それで、いくらなんだと聞いてみたところ、食事付きで50CUC(約5,000円)、演奏のみで30CUC(約3,000円)だと言う。こっちの物価からすればクソ高いじゃないか。キューバ人の月収はだいたい2,000円程度らしい。僕にそんな金はない。事実僕は35カナダドルしか持ってきておらず、両替してCUCは8しか持っていなかった。「足りない」と友人に話すものの友人は音楽がどうしても聞きたいらしく、演奏のみの安い方でいいから見ようと言う。僕はお金ないと言うが、そこにキューバ人が割り込んできて「ドルもないのか?ドルでも支払える」と言う。友人はカナダドルを出し、僕の分まで建て替えてそのレストランに支払いチケットを購入した。レストランと言っても演奏分だけ。僕はまだ全然何も食っていない。

支払いが終わると、また何かイタリア語で会話をしている。

「たかられている。紹介したから$10くれって」

金を要求するキューバ人

友人はかなり残念な顔をしながらそのキューバ人と会話をしている。奥さんも参加してきた。二人は子供の写真を見せたりずっとひたすら金をせびっている。彼らも僕らを騙したわけではなく、生活がかかっているとは言え$10はボリ過ぎだ。見た目がごつい男ではあるけれど、店の中ということもあってか恐喝のようなことはしてこない。ただのたかり。友人はひたすら断っている。僕にどうする?と聞いてきたが

「俺は払わへんで。そもそも俺興味ないって言ったよな?それに30CUC払って、第一その演奏ってほんまにあんのか?俺は知らんで?」

僕はそういう感じで日本語で友人に怒っているパフォーマンスをした。どこまでがパフォーマンスかというと、やや声を荒げる部分だけ。友人に文句言ったところで仕方ないのはわかっているけれど、実際にうんざりしていた。結局友人は$10を払い、演奏は9時半からということで始まるまでまだ1時間以上あり、一旦その場を後にした。僕はこの時点でまだチェックインしておらず、ずっと飯も食っていなかった。

次回「Buena Vista」へ続く

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