キューバ旅行記1日目②「驚愕のハバナ」

前回の続き

バラデロ空港からハバナ市街地へ

空港からの送迎バスは、ハバナの街まで1時間半と告げていた。長え。もっと近くにも空港があったはずだけど、安いツアーのせいか遠いバラデロ空港になってしまった。そして途中でトイレ休憩に入り、道路沿いにあるパーキングエリアではないけれどバーのようなところに入る。ピナコラーダとか飲めると言われたけれど金額の相場がわからず、また現地の貨幣をまだ持っていなかったのでひたすら待っていた。他の観光客、おそらくカナダ人であろう数人の観光客たちはそんなこと気にせずに飲んでいた。カナダドルが使えた。

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そこにはクラシックカーが停まるため、僕は写真を撮ったりしてた。僕は車の免許を持っているものの車は持っておらず、実は免許取ってから10年間一度も運転していない完全なペーパーだ。そしてあまり興味もない(バイクは乗る)。だからクラシックカーが走っていようが気にしないつもりだったけれど、あまりにも珍しいから写真を撮った。バイクもあった。ガソリンの臭いがする。どこのメーカーか全然わからない。ロゴも何も書いていない。少なくとも日本車ではなさそうだった(バイクは日本車が今でも多分世界一)。

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ハバナ市街地にて

結局バスに揺られること2時間、長え。ハバナ市街地に着いた。それまで海であったり森であったり畑、牧畜の様子ばかりだった風景は一変した。明らかに街だ。建物と車と人。僕が選んだホテルというのは市街地に入ってすぐの場所にあったため、バスの車窓から見たハバナというのは本当に一瞬だったんだけど、第一印象は中世ヨーロッパ風だった。スペイン領の時代に建てられた建造物が多く残っており、それらの中を改装してそのままずっと使っているらしい。

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友人が予約していたホテルというのはそこからまだかなり先ではあったが、一度別れてしまうともう会う手段がない。キューバでは携帯もネットも使えない(厳密には全く使えないことはないけれどかなりめんどくさい上に高い)。そしてお互い当たり前だけどハバナの土地勘なんて全く無いから、どこかで待ち合わせなんてできない。僕はGoogle Mapsを一部オフラインで使えるようにダウンロードしてきたが、友人に至っては地図も持っていない。だからとりあえず友人も僕のホテル前で降り、チェックインを済ませて友人のホテルまで徒歩で向かおうという話でまとまった。

【デジタルライフ】これは便利!iPhoneやAndroidにGoogle Mapsの地図を保存できる魔法の言葉「OK Maps」 | LifeVancouver カナダ・バンクーバー現地情報

ホテルにチェックインできず

この時既に午後3時。本来の旅程であれば朝7時にトロントを出発し、10時にバラデロ空港着、11時半にはハバナ市街のホテルに着く予定だった。それがまず、飛行機の離陸が30分遅れる。キューバ入国に1時間並ぶ、その時点でもう12時だった。そして送迎バスの乗客を待つ。バスガイドは「中国人がまだ6人残っている」と言っていたが結局来なかった。そしてバスが2時間、休憩30分、本来の予定からずれること3時間半、ようやくホテルに着いた。僕は値段と場所で選んだため、ドミトリーでこそなかったものの二つ星だった。受付で「チェックインしたい」と言うと「チェックインの受付は4時からだ」と返ってきた。4時?まだ1時間もある。「荷物だけ預けるか?」と聞かれたので、とりあえず着替えやMacが入ったショルダーバッグを預けることにした。このホテル(カリビアンというホテルに泊まった)は「従業員に物や金が盗まれる」という酷い評価がついていたため、預けるのはかなり躊躇した。

ハバナ市街を歩く

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街を見物がてら歩き、先に友人のホテルの方をチェックインしようということになった。友人のホテルは僕のホテルから西へ歩いて50分かかる。友人も場所をGoogle Mapsで調べていたものの、それがいまいちわからない。と言うか、実際のところ僕が道を間違えた。とりあえず南へ歩き、その後西へと歩きまくる。見るからに観光客がいない。街はボロボロでとにかく汚く、臭い。歩いた道が悪かったらしく、道行く現地人たちもなんとなく怖い雰囲気を漂わせている。特に若い人たち。すれ違いざまに「チーノ!(中国人の蔑称)」と叫んでくる。僕と友人はひたすら無視して先へと進むものの、友人がキャリーバッグで来ているためところどころ段差に躓く。キャリーバッグで街を歩くのはおすすめしません。ハバナは段差がすごい。後で知ったが、僕らが間違って歩いていたのはMaximoGomez通りというところで、旅行者はあまり行くことがないと思う。

ハバナ現地人と友人の会話

また、客引きというかタクシーであったり何度も声をかけられる。普通の車が「タクシー?」と声をかけてくるものの、怖くて乗る気になれず「No」とひたすら連呼する。また、一人のおっさんに声をかかられ

「どこへ行きたいんだ?」

みたいなことを聞かれた。僕たちは実際道に迷っていたため、思わず

「このホテルにはどうやって行けばいいんだ」

みたいなことを友人が聞いた。ああ、そうそうハバナでは英語が全然通じない。国語はスペイン語で、アメリカとの国交も50年絶っていたこともあってか英語を話す人というのはかなり限られている。ホテルの従業員でも僕らより下手かもしれない。しかし僕がここで驚いたのは、友人がスペイン語を話していたことだった。

「え、何でスペイン語喋れるの?」

「イタリア語に似ていて、プエルトリコ人と付き合ってたいこともあってプエルトリコはスペイン語圏だから彼女にちょっとだけ教わったんだ。」

そもそも友人はどんなやつか

なんたることだ。彼はイタリア語がほぼネイティブ並に話せて、英語は僕と同じレベルかそれ以上、その上スペイン語とは。もちろん日本人だ。僕らは同じ小中学校に通っていた。彼はイタリア料理のシェフで、18歳の頃から3年間イタリアで修行していた。そして日本に戻った後またつい最近までニューヨークでシェフとして働いていた。外国は20以上行っているそうだ。彼と再開した経緯というのは以前にも書いたかもしれないけれど、僕が会社員だった頃に地元の友人達と温泉旅行へ行き、それ以来会っていなかったがfacebookを見つけフレンドに追加し、僕が一昨年にニューヨーク経由でトロントに行く際に彼がニューヨークにいることを知ったから訪ねたのがきっかけだ。元々そこまで親しかったわけでもなかったけれど、ニューヨークを訪ねた際に

「外国で暮らす友達って他にいないよなー」

ってことでお互い意気投合し、その後彼も数ヶ月ほどトロントに来ることになった。僕と同様既にカナダのワーキングホリデーに申請していたらしい。彼はニューヨークの仕事があるため約半年間だけのトロント滞在となる。その間に一緒にキューバへ行くこととなった。その経緯は以前に書いたとおりだ。しかも彼は、僕とは違いスポーツマンで、中学の頃陸上をやっていたのは知っていたけれどその後ダンスをやったり、見た目もかっこよくてモテる。今はトロントでアイルランド系と付き合いそうだ。

ひたすら道に迷っていた

彼の話はそれぐらいにして、とにかくその怖い道で話しかけられたところに彼がスペイン語で話すもんだから、彼のホテルまでの道のりがだいたい把握できた。

「これ以上親切にしてもらうとまずいかもしれない」

と彼が言ったところでその道を教えてくれたおじさんとは別れることになった。彼のホテル近くの大学まで辿り着いた。しかし、結局そこからの道がわからずまた大学の守衛みたいな爺さんに彼は声をかけた。爺さんは全く英語を解さず、ここでも友人と爺さんのスペイン語会話となった。大学から彼のホテルへの道を聞く。爺さんは非常に良い人だった。そして歩いた。歩いたけれど、やはり道がわからまい。僕が保存していたGoogle Mapsに関してもそれほど詳細地図まで確認できず、途方に暮れる。このあたりだろう、と思っていたところで再び彼が道路脇に座っている爺さんへと声をかけた。スペイン語で。

今回は驚愕のハバナというより驚愕の友人だった。

次回「通貨と格闘」へ続く 

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記録キューバ旅行

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