恋愛は自分から行く方か、それとも相手から来る方か

以前にモテ議論をしたことがあり「モテるってどういうことか」みたいな話になった。その場にいたデブで顔もブサイクだけど常に彼女がいる男が「自分はモテる」と主張していた。確かに彼は常に彼女がいて経験人数も豊富だった。しかし彼がモテているかといえば、どうしても拭い去れない違和感があった。彼はモテる人と決定的に違うところがあった。僕は彼の主張に対して異論を挟んだ。モテるってそういうことじゃないだろうって。

 

モテるということ

「お前は女を口説いてその気にさせるのが上手いだけで、言い寄られたことないだろ?それはモテるって言わないよ」

僕が彼に言い放ったのはそういう言葉だった。しかし彼は自分の主張に自信があったみたいで、僕の異論には納得しなかった。ただ「言い寄られたことがない」という点に関しては確かに認めた。彼自身が女の子にアプローチしない限り、彼に寄ってくる女の子というのは皆無だった。果たして彼はモテると言えるだろうか?結局彼の言うモテと僕の言うモテが違うということでその話は終わった。彼の言うモテはアクティブなモテであり、僕の言うモテはパッシブなモテであるという結論。でも僕は、学生時代の友人や会社員の頃の先輩でめちゃくちゃかっこいい人がいて、彼らは何もしなくてもただそこにいるだけて常に惚れられて言い寄られて苦労している姿を見てきたから「モテるってこういうことを言うんだな」っていう意識が強く、この「自分はモテる」なんて主張してきた男の言い分が完全に間違いだという考えは変わらなかった。本当にモテる人は自分がモテるなんてことも意識したことなく初めからそれが普通で、こいつは偽物だ。

自分から?相手から?

その話は本題ではなく、少し自分のことを振り返ってみてほしい。彼氏彼女ができる時というのは自分から行くほうだろうか?それとも向こうから来る方だろうか?これは言い換えると、あなたの今付き合っている人、もしくは今までの彼氏彼女は「あなたが好きになった人」なのか、それとも「あなたを好きになった人」なのかどちらだろうか?習性を考えると男性は自分から行く方が多いかもしれない。女性はどうしても受け身になることが多いかもしれない。これは単純に先ほどの、モテるモテないとは直結しない。モテる人というのは付き合った相手のことを考えるまでもなく言い寄られる人数が多過ぎるため全然別の世界の話になる。モテる人だって本当に付き合いたい人に対しては自分から口説くこともあるだろう。

モテる人の話はひとまず無視して、例えば僕の場合だと100%自分から行く方だ。それも順序があり、自分が気になった人に自分を好きになってもらって向こうから来てもらうという女性がよくやりがちのパターン使う。むしろこれしか成功例がない。これは一見向こうから来ているように見えるけれど、自分が選んだ相手であり先に仕掛けているのも自分だから「自分から行く方」に分類される。そこまで踏まえた上でもう一度思い返してみてほしい。果たしてあなたの彼氏彼女、もしくは今まで付き合った人は「自分から好きになった人」か「相手から自分を好きになった」か。それは単にどちらが告白したなどという話ではなく、自分が先に相手に目をつけたのか、それとも相手が先に自分に目をつけていたのか。お互い好きだったなんてケースはレア中のレアだろう。

好きになった人と付き合っているか?

これがわかった上で何が言えるかっていうと、自分が好きになった人と付き合っているかどうかがわかる。「付き合ってみてだんだん相手のことを知って好きになる」って好きな人と付き合っているって言えるの?言えない。そこが実際に重要かどうかは問わない。むしろ知らない。ただ今まで「好きな人としか付き合ったことがない」という人と「相手が自分を好きになって付き合ったことしかない」人のどちらかに結構分かれるんじゃないだろうか?そして、「自分から好きになった人と一度も付き合ったことがない」人はずっとそのことが引っかかっており、自分から好きになった人と付き合えないことに不満や自信の無さを感じているかもしれない。逆に「自分から好きになった人としか付き合ったことがない」人はいつも自分から行くばかりで、自分から行かないと付き合えない、つまり向こうから来てくれないことに不満や自信の無さを感じていると思う。

二人の違いはどこにあるのか

無い物ねだりという点において、この二者は共通しているように思う。ではこの、自分から行く人と相手から来る人との決定的な違いはなんだろうか。おそらくそれは、ストライクゾーンの違いにある。ストライクゾーンは単にかっこいいとかブサイクという美醜のことではなく、趣味、好みのタイプ、あらゆる意味での守備範囲を指す。自分から行く人はそれがかなり狭いため、すごく選ぶ。もし相手から来られたとしても自分のストライクゾーンに入らない限り付き合ったりすることはない。決して向こうから来てくれないわけではなく、自分から蹴りまくっているのだ。逆に相手から来る方が多い人は守備範囲が広いため、誰も彼も付き合う対象内に入ってしまう。好きになった人と付き合えないわけではなく、機会が多いため自分からあえて好きな人に行くまでもなく付き合いが始まるのだ。そしておそらく、冒頭の彼はストライクゾーンも広く積極的であったためモテると錯覚したのだろう。珍しくそんな話でした。