習慣について

習慣として日記を書く人がいる。web日記あれこれというよりも、紙の手帳や日記帳に書く人が多い。日記を書く人が、書くようになったきっかけは様々だ。誰かに言われて幼い頃から書いている人もいれば、日記帳を買ったのがきっかけで書き続けている人もいる。「なんで日記書くの?」と聞けばだいたい「習慣だから」と返ってくる。それは「特に意味はない」といった風の答えだ。しかし一度習慣が身についてしまった彼らは一様にして「毎日書かずにいられない」と答える。僕のように日記を書かない人間からすれば、この流れは全般的にわけがわからない。でも習慣っていうのはそういうものらしい。

習慣の力、みたいな話は遠い昔から幾度となく繰り返されてきた。目にすることも耳にすることもあった。習慣には確かに力があるのだろう。それはわかる。日記だったら事実や思ったことを表に出し、文章として書き留める手法が知らず知らずのうちに身についているかもしれない。「文章をうまく書けるようになるため日記を書く習慣を身につけた」という人も中にはいるかもしれないが、意識的にそれをやって長続きする人は、まあ、なんというか偉いと思う。おそらく大半の人は、ただ習慣でやっている。習慣の力とは、おそらくそういったことに無意識でいられることなんじゃないか。無意識の積み重ねが意識に負担をかけず蓄えられていく。複利みたいなもんだ。

自分は習慣というのがことのほか苦手で、これまでただの一度も身についたためしがない。勉強しかり、運動しかり、食生活しかり、人間関係しかり、趣味しかり。歯を磨くことや部屋を掃除することでさえ、習慣ではなく意識しないとできない。朝早く起きるとか、一定の習慣が必要なとき必要に応じて無理矢理乗り切ってきたことはある。しかし習慣として身につくことはなかった。必要なくなればめんどくさくて放棄する。習慣の力は無意識でいられるから発揮される。習慣が身につかないということは、無意識化までの手順がうまくいっていないということになり、これができない限り習慣の恩恵を授かることはない。自分の場合どのようにしても意識が介在してしまい、習慣化する以前に意識に負けてしまう。

習慣は偶然身につく人が多いと思うけれど、中には意識の介在をコントロールして意図的に無意識化させる人もいる。無意識化がうまい人は実に見事に習慣を身につける。習慣の力を頭で理解しており、意識の介在を理性的にコントロールできる人が習慣化によってあらゆる知識や能力をつぎつぎと蓄えている。

ダイエットなんかはわかりやすい例になる。頑張って意識的にダイエットする人は、成功しても反動があるんじゃないだろうか。逆に、ダイエットそのものを習慣化して、ダイエットが普通、もしくは楽しいと暗示をかけることに成功した人は、その後の体型維持にも苦労しない。習慣的なダイエットに偶然成功する人も多いが、意図的にやる人は自らの意識に暗示をかけたりして、習慣化するにあたっての仕組みを構築する。これが上手い人は、ダイエットに限らずなんでも成功する。

ダイエット法が星の数ほどあるように、習慣化までのパターンも人の数だけある。とは言え上手く習慣化するパターンというのはある程度限られており、確立されているのだろう(多分脳内ホルモンの仕組みがどうたら)。問題は自分に何が合うか知るということ。つまり、どれだけ自分のことが把握できているか。これが本当に難しくて、一度知ってしまったりわかっている人にとってはとても簡単なことなんだけど、自分はいまだにどのパターンも適用できないでいる。見つけられていない。意識を騙すことができない、もしくは意識に沿う形のパターンを把握できていない。

どんなときも人生楽しい、何をやっていても今が一番楽しいと思える人は、どのような状況においても見事に自分のパターンに当てはめることができる人、と認識できる。応用が効くとはこのことだ。どんな状況においても自らを客観的に落ち着かせ、活路を見出し、楽しんで乗り切ってしまう。不安を感じることがあっても、それを抱えない。彼らにとっての不安は、次の道を切り開くにあたっての支点でしかない。じゃあこの不安を元にどうすればいいのか、ってすぐ先へと進んでしまう。なんともうらやましい限りだ。

いわゆる「悩みがない人」もこれにあたるだろう。頭がいいからすぐに答えを導き出してしまうのとはまた違う。答えはまだないかもしれない。でも自分のパターンに当てはめてしまう。だからその先へどう進むかといった道筋がすぐにできあがる。悩みを悩みのまま留めておかず処理してしまうから、悩みがない人になる。それがうまくできないと、悩みを抱えてしまうことになる。悩みを抱えやすい人はおそらく、習慣化も苦手なんじゃないだろうか。どうだろう。

自分の場合、あまり悩みを抱える方ではないが、それは処理するからというよりも放棄してしまうから。習慣の場合も同じで、習慣が身につかないんだよねーとあれこれ試行錯誤せず、もういいやめんどくせ、と投げ出す。だから何も身につかないままあれこれ手を出してしまう。

「習慣を身につける」みたいな自己啓発本はおそらくいっぱいあると思うが、手に取ったことがない。手っ取り早くTEDなんかにもありそうだ。検索してみたら、今有名な人だとこのあたりみたい。

人生を変える習慣のつくり方

人生を変える習慣のつくり方

ちょっと前だとこういう人もいたみたい。

習慣の力 The Power of Habit

習慣の力 The Power of Habit

なんだかんだで結局は「習慣を身につけよう」と思ったことがない。もし習慣が身につくなら、どんな習慣を身につけたいか。それが思いつかない。筋トレ習慣、ジョギング習慣、勉強習慣、読書習慣、7つの習慣?うーん別に…必要なときとかやりたいときにやればいいんじゃないかと思ってしまう。習慣そのものは多分有用なんだろうなと思いながら、「成功したい」とか「幸せになりたい」っていう意志、向上心に欠けるため、そこ止まりでした。習慣は程遠い。