京都人としてのプライドなんてものは果たして存在するのか

ブログの名前をこんなにしておきながらなんですが、僕の家は祖父母の代から京都で、二代目三代目というのは京都ではいわゆる新参者になる。それも幼少の頃どこかで聞いただけの話で誰かに確認したわけでもなく「新参者ですねえ」なんて言われたこともない。

誰が京都人なのか

なんかこう、京都についての偏見というのは、それが真実であるか嘘なのか人によっても地域によっても世代によっても違うため、「そうじゃないんです」と勝手に否定するわけにもいかず、「そうなんですよ」って答えている人が本当に京都人なのかどうかなんてわかったもんじゃなく、当然僕が見たものが京都の全てではなく、京都の全ての地域に住んでいたわけでもなく、京都で働いていたわけでもない(仕事で行ったことは何度もある)。だから、自分が京都生まれで京都育ちだとしても「本当の京都人はこうなんですよ!」と自信を持って言えない。全ての京都人がそうではないから。

京都に対する偏見について

それでも京都に対する偏見というのは、僕が見た範囲聞いた範囲の中で「これはどうも京都に対する悪意が強すぎるんじゃないか」と思わせられることが多い。何をそんなに怒ることがあったのか、何をそんな辛い目にあったのか知らないけれど、京都という町は文化が違うから、面食らうことは多いと思う。それは何も京都に限ったことではなく、大阪もそうだし、東京でも下町に行けばそうなんじゃないか。北海道や沖縄にだってその地域独特の文化があるだろう。そして、それに対する好き嫌いもあると思う。例えば、会津の人が戊辰戦争の影響で薩長の人をいまだに恨んでいるとか、話を聞けば理解はできるけど僕にはどう頑張っても共感できない。異文化とはそういうものだ。

異文化だという認識の無さ

京の文化が嫌いという人に無理に好きになってもらうことはできない。しかしそれは、性格が悪いとか陰湿だとかいう人格の問題ではなく独自の文化の問題なのだ。例えば、インドでは左手で飯を食わないとかそういうルールとかマナーの話を聞いたことがある。本当かどうかは知らないけれど、あれと同じ。そういったルールに違って左手で頭触られたらそりゃあインド人だって怒るかもしれない。京都の人に嫌がらせをされた人というのは、たいていが文化的なタブーを犯しているんじゃないかと思う。

「俺らが悪いって言うのか!?」「そんなもの知らないから仕方がない、向こうが悪い」と思う人も多いだろう。それで済ませるかどうかは本人に任せる。アメリカでポケットから右手を出したら警官に撃たれたとしても、同じように「俺らが悪いって言うのか!?」「そんなもの知らないから仕方がない、向こうが悪い」と言えるだろうか?でも内容としては同じ話なのだ。

僕個人としては、京都が好きだと言ってくれる人は好きであってくれたら嬉しいし、いけ好かないと思う人に好きになってもらおうとは思わない。ただ、その人が仮にタブーを犯していたなら、「お前が失礼なことしておいて逆ギレか」と思うだろう。タブーを犯すということは法律でも何でもないが、欧米圏で鼻をすすることや、先進国でも些細な事でもいくらでもあり、それをやった人間に対して「知らないんだから仕方がない」とは誰も言ってくれない。単に「無作法なやつ」としての扱いを受けるだろう。

本当に何もやっていない場合

中にはタブーを犯していない人だっているだろう。これは京都人に直接教えてもらわないとわからないことなので自分では気づけないことになるが、タブーを犯していないにもかかわらず嫌がらせを受けたという人も実際いると思う。それは単に悪い人に当たっただけだ。運が悪いとしか言いようがない。世の中にはいくらでも悪い人がいる。たちの悪い人、最悪な人、それは京都に限らずいくらでもいる。京都にはたまたま文化的制約が多すぎて知らず知らずのうちにタブーを犯してしまい、迫害を受けたからといってそれは何も京都人が悪いわけではない。そして、タブーを犯していないにもかかわらず被害を受けたからといって、その人が京都人だから悪かったわけでもない。

やり方の問題

「間違いがあったら言ってくれたらいいのに、対処の仕方が気に食わない」という人もいるだろう。タブーを犯した人に対して現地人がいちいち指摘してくれるケースというのは、世界中を探してもそうそうないんじゃないかと思う。国境を越える際にそのような注意を教えてもらったことがあるだろうか。そういうのは自ら調べておくことで、また自ら現地で学ぶことだったりする。タブーに対してはっきりと批判したりしないのは日本人全体に言えることで、何も京都人に限ったことではないだろう。まわりくどい、というのは確かにあるが、それも含めて文化なのだ。 
京都人の遠回し表現について - Letter from Kyoto

京都人のプライド?

これは一体京都を擁護できているのかどうか定かではないが、京都人のプライドなんてものは、僕には存在しない。ただ、京都人としてのアイデンティティはあるんじゃないかと思う。僕は大学を卒業するまで20年以上ずっと京都に住んでいた。大学でも京都出身の人は少なかったが、その後大阪で就職して転勤などもあり、5年以上も京都を離れていた。京都から一歩外を出てみると、京都人は結構珍しいようで、その頃から自分を京都人と自称するようになった。それまでずっと京都にいたから、僕にとっては当たり前過ぎた全てのことが、京言葉も含め他の地域では珍しかったらしく、そこに至ってようやく自分は京都人であるという事を認識した。たまに地元に帰ると懐かしい。洛外で都人と話すと懐かしい。これはプライドなんてもんじゃない。ただの郷土に対する愛着なのだろう。だから、京都が罵倒されていれば悲しく思う。京都人がこき下ろされていれば怒りも湧く。同様に、京都人が同じようなことをしていればダメだなあと思う。ただ僕はステレオタイプなイメージを逆手に取ってそういうキャラを演じることはあるけど、あれは洒落だ。

歴史と伝統、文化を大事にしているということはあっても、それが個人のプライドには結びつかない。あくまでアイデンティティでしかない。遷都がどうとか、本気で考えている人はいないんじゃないかな。どうでもいい。お茶漬けの話なんかは外からしか聞いたことがない。そういった地域性の偏見や慣習、文化みたいなのはどこにでもあるだろう。何も京都が特別ではない。

※コメントがあった

id:luccafort
「自分を京都人と自称するようになった。」京都を出てから確かにあー自分って京都の人間なのだなぁと確かに実感したな。この手のザ京都人!みたいな嫌味な人ってあまり遭遇したこと無いのだけどどこで遭遇するのだろ

多分、太秦の撮影所とか、祇園の料亭とかじゃないのかな。あとは和菓子屋とか、歴史が長ければ長いほど濃い気がする。そのどれもほとんど行かない。

id:usomegane
結局のところ、京都に『そういう部分』がある事自体は認めちゃってるじゃないか

そういう部分って何か知らないけれど、文化や独自性はどこにでもある。特に歴史が長ければ長いほど独自色は強くなっていくから、それが嫌だと言われてもそういう土地なんだからしょうがない。ただ人格否定は誤解の産物だよというだけの話。

id:qwerty86
いやこの論法はおかしい。無論、余所者に不親切でいる自由はあるが、それは不親切だと言われることと引き換えの話。不親切なのに不親切と言われたくない、というのは通らない 

余所者だから不親切なわけじゃない。これは一例でしかないが、「あれ、なんでこの人こんなことするの」→「ああ、余所から来はったんや」という順序がある。余所から来た人であっても作法の心得た人相手には丁重に扱うだろう。初めに無作法がある。無作法な人間にあえて親切にするほどできた人間は少ない。不親切にされるには理由がある。
単に余所者を馬鹿にするだけの人はいるが、それは田舎者をバカにする都会の人と同じ。ただの嫌なやつ。別に京都は関係ない。

 id:ricenoodles
名古屋でもやる人いるよなあ。お前らが名古屋に合わせろ、いやなら出て行けとか。どうかんがえたって交差点の角に路駐するのはあかんだろうに。

郷に入っては郷に従えって、僕は結構当たり前のことだと思っている。特に京都は、東京のようないろいろな地域から来ている人が少ないから、その独自性というのは窮屈かもしれない。嫌なら出て行けとは思わないけれど、極論を言えばアメリカで左側通行するような人がいたら咎められるし煙たがられるのは当然だろう。知らないでは済まない。

id:dummy1
自分たちの文化に疎い人間は、どのように扱われても仕方ないって随分野蛮だなぁ。察するとか、諭すとか人間的な対応するのがそんなに嫌ですか。

どのように扱われても、というよりはそれなりの扱いしか受けないというだけ。それはマナーであったりルールをわきまえない人間であれば、会社であったり社交界であったりどこでも同じ扱いを受ける。店で並んでいて割り込む外国人がいたら煙たがられるだろう。その中で「日本では並んでいる列に割り込むことがいかにマナー違反か」を説明してくれる人が何人いるだろうか。せいぜい店の人じゃないか。そんな特別なことじゃない。 

id:pomerance
「名誉京都人」による京都擁護。京都最高。やられたらやられたほうが悪い。

 やっぱり説明したところで伝わらないんだろうな。もっと広い視野を持とう。

id:yoko-hirom
「他所でもやっている」「お前らが悪い」「お前らが合わせろ」と。それは反論では無く開き直り。京都以外の文化圏では。

他所でもやっているというか、当たり前のことだと思っているんだけどな。京都は何もテーマパークじゃないんだから、旅行業者以外は誰もお客様扱いはしてくれないよ。僕は別に合わせてほしいとも思わない。ただ土地には土地のルールがあって、外から来た人が住んでいる場所だけ治外法権にはならない。 

近年ではそんな息苦しいことはないと思う。しきたりに厳しいのも年配の人だけで、そういう人たちと付き合わなければ特にそういう扱いを受けることもないだろう。僕の親ぐらいの世代はまだ多少うるさいけれど、若い人、特に京都から出たことがある人に関しては、京都のそういう部分をあまりよく思っていない人も多い。京都の独自性が軟化していってるこの状況が良いと思うか悪いと思うかは人それぞれだろうけど、僕自身はもう京都に住むことがないかもしれないので客観的に、どっちに転んでも得るものはあるし失うものもあると思っている。

京都観光に関するブコメ考

いやあ本当にブコメって面白いですね。同じ日記に対するコメントなのに内容によって温度差がすごい。いつもコメントする側だから参考になってしょうがないです。
というわけで今日は、昨日書いた京都人による京都観光のコメントについて考えていきたいと思います。

id:hont_on
京都って性格悪い人多そうなイメージなんだけど、これ読んでますますそう思った。盆地だから暑すぎて性格がねちゃねちゃしちゃうのかな?味がなくなったガムをくちゃくちゃ喋りながらガムに文句言ってる人みたい。 

めっちゃ笑った。京都人は性格悪いっていうのは個人のイメージにとどまらず一般常識だったりする。ただ、おそらく京都人同士だったら同意してくれると思うんだけど、別に文句は言ってないんだよな。ただの感想であって苛立っていたり貶していたりするわけじゃない。他意はない。ただ言い方というか、表現の関係で誤解を受けがちなだけ。
参考:京都人の遠回し表現について - Letter from Kyoto

id:sakichi33
京都の人間としては正直(観光客うざい)って思ってる。 / 自分の周囲にある木々の色合いや、自分の周囲の人たちの機微もわからん連中に「祇園祭だ、紅葉だ」とか言われたくねえよ. 

これもよくある意見だ。観光客で儲かっているのは寺や旅館、タクシーなどごく一部の観光業者だけで、一般人はむしろ迷惑しているという話。実際京都の経済はほとんど観光で回っておらず、任天堂や島津製作所、京セラやワコールといった大企業も多くて経済的に自立しているという説をなんかの本で読んだ。

id:migrant777
「夏、京都に旅行する人はただ暑いだけなので気をつけてください終わり。」マジこれ。盆地なので夏は暑くて冬は寒い。来る時期は選んだほうがいい(京都人並みの感想)

そう、冬も死ぬほど寒い。毎年雪が積もる。風が冷たい。人が住むところじゃない。気候の面で京都のいいところは、干魃、洪水や台風といった自然災害による被害が毎年ほとんど無いことぐらいか。

id:luccafort
住んでた地域差でいくつか差異はあるものの概ね同意できる内容。 少人数で行くなら建仁寺や竜安寺、天龍寺あたりも良いけどね。とりあえず嵐山の竹林行っとけ的な。 

観光で嵐山は鉄板ですね。ただ僕はあまり馴染みがないから加えなかっただけで。寺も右京区いっぱいあります。東山区も。むしろメジャーな仁和寺とか行ったことない。

 id:tocoto
京都の人間として、疎水には異常なこだわりがある。インクラインとか水路閣とか。船岡山は陰気で自分も大好き。

疎水!なんで思いつかなかったんだろう。蹴上の疎水は素朴だけどまた行きたい。小学生の頃遠足で行ったきりだ。多分あの魅力はじっくり味わわないと伝わらない。一番上に貼った写真が疎水です。あとついでに暇だったら宝が池公園とか行ってください。これも入れるの忘れてた。

id:metalmax
地元民による地元観光案内なら全部地元民が撮った写真を使えばいいのにと思った。というか、ローカルな説明文と写真がちぐはぐに見えた。

写真に関しては持っているのと持っていないのがあって、使わせてもらいました。サイズも撮り方もバラバラで見にくかったと思う。あとFlickr引用以外は全部自分で撮ったやつなので、一応地元民が撮った写真も挙がってます。

id:sika2
「加茂川に始まり鴨川に終わる」は至言だと思う。

これは京都人もしくは通しか気づかないネタ。

id:kirigirigirl
京都に生まれてもレベルの低い人はその文化的価値を理解できずにラーメン食って一生を終えるってだけの話では。

レベルwwwwファイナルファンタジーっすかwww 文化水準が低いって言いたかったわけね。レベルと聞くとこれを思い出さずにはいられない。


物売るっていうレベルじゃねぇぞ! - YouTube

id:tengo1985
南なら伏見の酒蔵とか楽しいけど京都じゃなくても酒が有名なら似た感じなのかな?八瀬のほうとかも静かで涼しくていい。新福菜館は見た目ほどは味が濃くないとは思う。注文システムがむずい。

そういや山崎とかもありますな。八瀬!とか超懐かしい。よくプールに行ってた。あそこではさんまと紳助が漫才やったのでも有名。全くうけなかったって。新福菜館は確かに味より見た目の方が濃いですね。

id:ente04
今朝鴨川でサンドイッチ食べてたら鳶に襲われたよ。何度も奴らは突撃してきた。その結果、指から血を流しながら出社した。鴨じゃなくて鳶が居るんだね。

あるある。僕も出町の橋の上でパン食ってたら滑空してきた鳶に取られた。怪我はしなかったけど、出町は休日にもなると鳶が異常に飛び交っていて特に危ない気がする。

id:doroyamada
治水が進むまではしょっちゅう水害があったんだが。

元記事ではなくこのエントリーから。そういや去年ありましたね鴨川の氾濫とか。治水が進むまで水害がしょっちゅうだったってのは、多分京都育ちの人は全員小学校で習って知ってる。ただそれ自体は生まれる前のことだからカウントしていない。

id:koinobori
やる気のない出だしから、一貫してやる気のないまま書かれるのに、長文に仕上がるこの生暖かい熱量。これでも京都人ブランドにより400を越すブックマーク。そしてさり気ない伏見dis。京都の人の記事だ

よう知ったはるわ。伏見disってどこだ。むしろ山科とか触れてもいない。

これを読んだ同じく京都人、もしくは在住の人が自分のおすすめする場所を次々に挙げてくれたのは面白かった。僕の京都に対する思いというのはただの郷土愛の一つの形であって、1000年の都だったとか数々の世界遺産や国宝があるとかそういう理由で特別だとは思っていない。日本の府の一つであり、数ある日本人の故郷の中の一つだ。

京都人による京都観光

http://www.flickr.com/photos/10408648@N05/8266050441

photo by www.karlocamero.com

すげえ写真だな。どこの宇宙ステーションだ。それはさておき昨日旅行に関して書いていたら、ついでに京都を旅行する人向けにも何か書けるんじゃないかと思った。夏、京都に旅行する人はただ暑いだけなので気をつけてください終わり。

僕は京都出身だけど、京都についてあまり知らない。金閣に行ったこともなければ、抹茶も飲んだことがない。祇園の料亭なんて当然行ったことがない。銀閣は手前まで行って拝観時間が終わり閉まってしまった。二条城は子供の頃に遠足で連れていかれ、東寺は高校受験の時に行っただけ、本願寺の前は何度も通ったけど中には入ったことがない。
では、京都人である僕は20年以上もいったいどこで過ごしていたのか。僕は遊ぶのも苦手だから、あまりあちこちと出歩いていない。特に右京区や下京区、南区伏見区には特に縁がない。北区上京区は徒歩圏だったからどうしてもそっちが中心になってしまう。

 

カフェ、バー、飲食店

和菓子

http://www.flickr.com/photos/7333823@N08/3512030433

photo by open-arms

などと言いつつも初っ端から飲食だ。京都で有名な和菓子は、あぶり餅、辻利の抹茶、とらやの羊羹、聖護院八ツ橋、ふたばの豆餅などだろうか。それらのいくつかは和菓子を出す喫茶店のようなお茶屋のような店がある。祇園にある辻利なんかは完全に普通の喫茶店だけどいつも行列ができていたりする。よーじやカフェは現代のカフェっぽいので入りやすいだろう。僕は観光客ではないので店で食ったことはないけれど、せっかく京都まで行くなら足を運んでみては。
参考:京都和菓子 - コトログ京都和菓子

その他カフェなど

http://instagram.com/p/UAhP4bhvA7/

超大雑把にまとめてしまったが、僕はそもそも外食嫌いなので人が京都に来た時ぐらいしか飲食店に行かない。京都にもカフェは山ほどある。しかもそういうのをまとめてくれているサイトがたくさんあるので、そっちを参照されてはどうだろうか。ちなみに写真は今出川のさるぅ屋カフェ。京都らしさを無理矢理押し出した感のあるカフェもたくさんあるので、旅行者にはもってこいかもしれない。

ラーメン屋

http://www.flickr.com/photos/50576994@N00/98197504

photo by shibainu

僕は食事が苦手なので、あまり店を知らない。また、京都に限らず飲食店というのは入れ替わりが激しくて最新情報というのはあてにならないようだ。そんな中でラーメン屋。

一乗寺(左京区)

一乗寺という場所は京都造形芸術大学や京都工芸繊維大学など比較的近くに大学があり、学生の街のようになっている。そこにラーメン屋が軒を連ねており、京都市内では有名で京都の大学生ならばラーメン食うために少し離れていても一乗寺まで足を運んだりする。天下一品なんかは特に有名で、僕も本店には一度だけ行ったことがある。他に天天有というラーメン屋に行った。京都のラーメンについてはまとめたサイトがいくつかある。
参照:京都ラーメンツアー

金ちゃんラーメン(北区)

こんな名前なのは今調べて初めて知った。大学生の頃に何度か行ったことがあり、今でもあるのかどうか知らないけれど、屋台のラーメン屋だ。大徳寺の外、ビデオinアメリカの反対側にある。どんな味だったかというより麻雀に勝って全員におごった思い出や、昔の彼女と行った思い出があるということ。唐揚げがうまいそうだ。

新福菜館(下京区)

京都駅の東にあるとても古い建物で、第一旭と二軒並んで営業している。僕は会社員になるまで知らなくて、会社の当時の上司に連れていってもらった。大阪から。
醤油を直接入れたような色の濃いスープで、味は醤油の味ではないけれどやはり濃い。チャーハンもこのスープと全く同じ味。この店に限らずラーメンは極端な味が多いので好みが分かれると思う。

本屋

本屋については以前に少し触れたのでそっちを参照に。他にもまとめたサイトがある。僕は恵文社やNot pillar booksしか知らない。

公園

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僕は公園ファンなところがあり、旅先でも各公園を周っては写真を撮ったりしていた。京都にある公園というのは比較的小さく、元々別の用途で使われていたものが公園になったというものが多い。

船岡山(北区)

http://instagram.com/p/f7PA2ShvIv/

枕草子に出てきたり徒然草に出てきたり、豊臣秀吉が建てた織田信長の廟があったりと由緒正しい場所らしいが、僕が卒園した保育園はここで運動会を行っていた。かなりローカルな公園だ。その昔殺人事件があったことの方が僕らには身近で、なんとなく薄気味悪い。山というほど高くはないが、公園と建勲神社と岡が一体になったような作りで、昔は家が近かったからよく登ったりした。

御所(上京区)

http://instagram.com/p/hhi-eHhvCT/

御所は地下鉄の今出川駅を降りたすぐのところにある。同志社大学の向かいだ。御所は花見客や紅葉狩りに来る人が多いものの、中には何もない。西洋の宮殿、バッキンガム宮殿やヴェルサイユ宮殿に比べると地味だ。栄華を誇っていないから当然かもしれない。
御所のいいところはその木々によって維持されている静寂にある。御所の西側は烏丸通、南側は丸太町通という大きい通りに挟まれている。しかしその内側は絶対的に静かだ。観光客も基本的に少ない。ジョギング、散歩、通学の地元の人の方が多いんじゃないだろうか。歩く距離としては申し分ない広さもあり、ベンチもたくさんあって読書をしたこともある。ガイドブックなどには”京都御苑”と載っているが、誰もそんな呼び方はしない。

円山公園(東山区)

http://www.flickr.com/photos/18302257@N00/465595931

photo by EYLC

八坂神社に入れてしまってもよかったんだけど、どちらかと言えば円山公園の方が馴染みがある。ここには有名な桜の木があり花見で来た。手前は庶民的で奥へ行くほど庭園などが観光向けに作られている。このあたりでは人力車も営業している。
清水寺、祇園などが近いのでついでに寄るのもいいだろう。京都の観光地は一見したところでほとんど価値がわからないのでこういう場所でゆっくり過ごすのがいいと思います。

イベント

京都らしいイベントと言えば祇園祭、五山の送り火、花燈籠などだろうか。

祇園祭

http://www.flickr.com/photos/25888083@N00/26472967

photo by skasuga

祇園祭に関しては特に何も面白いものはない。無駄に100万人超の人が来ているけれどあれはただの町内の祭で、規模が大きくて通行止めになったりするだけ。歴史は古く日本三大祭?の一つと言われているぐらいだから一回は行ってもいいと思うけど期待しない方がいい。もし行くなら宵山と山鉾巡行だけでいい。山鉾巡行は昼間だから京都人でも意外と見たことない人が多いと思うけどそっちがメインです。

五山の送り火

http://www.flickr.com/photos/59731892@N00/4896988465

photo by sprklg

僕はこれを幼少期からずっと見ていたので、今見たら懐かしさが込み上げるだろう。大文字山という山が5つあり、それぞれ大大妙法、なぜか船だけ絵。それらの形に沿って山が燃やされる。毎年8/16の夜8時頃で、御盆に帰ってきた魂を再びあの世に送る送り火だそうだ。詳しくはwikipediaなどを参照してください。
この8時頃になると山が見えやすい橋が人だかりで一杯になる。祇園祭ほどではないが。

花燈籠は夏と秋に清水寺か嵐山でやっている。歩く道に灯籠が置いてあり、夜に歩くと風情があるでしょうという催し。行ったことはない。多分地元の人は行かない。
子供の頃は夏に加茂川で灯籠流しなどあったような気がするが今はなくなったのだろうか。花火大会や夏祭りも昔はたくさんあったが最近は知らない。

自然

賀茂川

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京都という町は加茂川に始まり鴨川に終わる。と僕は勝手に思っている。自然というほど自然ではなく完全に町に溶け込んでいるが、切っても切れない。花見、紅葉、ただの外飲み、新歓、ジョギング、散歩、生活に欠かせない。道がわからなくても鴨川に辿りつけば家まで帰れる。鴨川は実は御池の橋より北側の方が整備が行き届いていてきれいだ。

比叡山

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保育園に通っていた頃は遠足でよく比叡山に登った。そして去年20年ぶりぐらいに登ってみたら暑くてしんどくて山道急すぎて死にかけた
比叡山自体は誰でも知っているもんだと思っているけれどどうなんだろう?延暦寺という有名な寺があって最澄という坊さんが始めた。後に織田信長と戦ったりもした。もしそこに興味があるなら山を登らなくてもケーブルカーで上に行ける。お化け屋敷はもうなくなったのだろうか。

愛宕山

愛宕山は二度ほど登ったことがある。普通の靴、服装で1時間半ぐらいで登れる。初めて登ったのは小学生の時、二度目は大人になってから。右京区の奥の方にあり車がないと行けないと思うので、旅行者には向いていない。まさかタクシーで行くわけにもいかない。ただ、京都市内の山の中では清々しい方だと思うから機会があればどうぞ。

そもそも寺なんて用事がなければわざわざ行かないだろう。僕は仏教徒でもないのでその用事がなかったというだけ。そんな僕でもいくつかの寺には行ったことがある。

鞍馬寺(左京区)

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鞍馬寺は京都を離れている時に、京都に帰ってくるついでに立ち寄った。いかにも京都らしい場所に行ってみたくて、25、6になって初めて行った。鞍馬天狗のでかいお面が駅に飾ってあったりする。山奥、寺、展望、それぐらいだろうか。歴史的な側面を紐解いていけばきりがない。創始者は鑑真が唐から連れてきた弟子の一人だそうだ。
アクセスも良い。バスかタクシーか京阪電車で出町柳まで行き、そこから叡山電鉄という超ローカル線からケーブルカーを乗り継ぐと鞍馬寺の駅がある。着くまでが既に旅だ。魔王殿とかいう山道を通れば貴船神社にも徒歩で行ける。20分ぐらいかかるのかな。

大徳寺(北区)

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大徳寺は実家からも近く、よく敷地内を通っていた。広い敷地の中に竹林があり、墓地があり、寺がいくつかと少なめの観光客で、ゆっくりするにはいいと思う。正直僕にとっては日常の中の風景過ぎて観光に向いているとは思えない。今宮神社のすぐ近くにあるからついでに見て回ればいいんじゃないだろうか。建勲神社もわりと近い。

清水寺(東山区)

一番上の写真が清水寺です。清水寺は大学生の頃に一回だけ行ったことがある。それも紅葉のライトアップかなんかだった。清水寺は京都の一二を争う観光地なんだけど、それは多分場所がいいからだろう。東山という立地は観光の中心として拠点を置きやすい。実際行く場合はタクシーをおすすめします。帰りは歩いてもいいんじゃないかな。花見や紅葉狩りをするならば、できたら自然光で見てください。そしてやはり、風情を楽しみたいならば観光シーズンを外す、さらに土日祝日を外すことをおすすめします。

東寺(南区)

http://www.flickr.com/photos/28566641@N00/15822871300

photo by osanpo

五重塔は、高さが高いとか建物が古いとか、そういうものではない。なぜかもう一度見たいと思う。なぜあんな場所にあるのだろう?ではなく、元からあったんだ。建立は796年、そのずっと後から駅や道路、建物ができた。京都駅の近くで行くのはすごく簡単だ。

神社

神社は行く。ほとんど初詣だけどそれ以外にも近所の神社に立ち寄って休憩したりということは多々あった。

上賀茂神社(北区)

http://www.flickr.com/photos/27917561@N00/3644863464

photo by jpellgen

地元の友人との初詣でよく行った。ただ馴染みだというだけでその価値はわからない。古いのは古いだろう。678年だって、平安京より古いじゃないか。ちなみに世界遺産になっているらしい。

今宮神社(北区)

http://www.flickr.com/photos/27917561@N00/3619215707

photo by jpellgen

今宮神社自体は普通の神社だと思う。七五三などはここだった。ただ、この今宮神社は映画やドラマの撮影にも使われた。僕が高校生の頃に忠臣蔵の撮影で木村拓哉が来るということになり授業が中断したのを覚えている。他に、あぶり餅という和菓子が有名。北区民でこれを知らなければ潜りで、京都の観光を試みたことある人なら必ず知っているはず。うちの母親と妹がここでバイトをしていた。

下鴨神社(左京区)

ここも神社自体は普通。でかいけど。会社の同期がここで結婚式を挙げた。下鴨神社の特徴といえば、その神社に続くまでの参道にある。いわゆる糺の森だ。大人になってからだけど、僕はよく写真を撮りに行った。夏場は藪蚊がえげつないので注意。
下鴨神社といえば流鏑馬が有名。

北野天満宮(上京区)

http://www.flickr.com/photos/43754375@N00/172033008

photo by dhchen

北野天満宮には幼少期から本当によく行った。特に初詣の時は人も多く出店がたくさんありお祭りのようだった。去年の初詣にも北野天満宮に行ったもんだ。ここは人が多い時に行ったほうが臨場感あると思う。僕にとってはそういう場所。菅原道真を祀っており、学問の神様としても有名で毎年受験生が願掛けに来る。あと牛。

護国神社

護国神社というと大東亜戦争をイメージしがちだが、主に明治維新に関する内容が多かったように思う。ただパール判事の写真と言葉なども飾ってあった。こじんまりとしていて観光ではなく本当にお参りだけ。

伏見稲荷

http://www.flickr.com/photos/69078600@N00/3037525795

photo by kirainet

伏見稲荷は興味本位に一度だけ行ったことがある。千本鳥居は千本もないらしいけどそんなことより伏見稲荷自体が山になっているため、登るのがとても大変だ。僕は一緒に行った人がギブアップしたため途中で帰った。
伏見稲荷に行くには京阪に乗るのがわかりやすいと思う。

「京都人による!!」などと銘打っておきながら超ベタな京都観光ガイドになりました。実際京都に行ったとしても寺や神社をいくつも周ったところでつまらないから、現実的な道筋を決めて興味あるところを何箇所かだけ周ればいいと思う。他にも町家を改装したゲストハウスやブランドのブティックなど、行ってみたら面白いと思います。

京都 完全版 (JTBのMOOK)

京都 完全版 (JTBのMOOK)

 

桜の季節だ

我々日本人は桜の季節に特別な思い入れがある。それは僕についても例外ではない。僕は生まれてから二十年以上も地元の桜を仰ぎながら春を迎えていた。大阪に住んでいた頃も名古屋に住んでいた頃も地元の桜を見ようと帰郷したことがあった。幾度かは間に合わない年もあった。今年は残念ながら拝めそうにない。トロントにも桜の木がある。咲くのは五月頃でこちらでも花見をする公園などがあるそうだ。しかし僕にとって特別なのはどうやら桜そのものではなく地元の景色に溶け込んだ桜だけだったようだ。それ以外の桜は季節を感じさせるものであってもそれ以上の何かを思い起こすものではなかった。僕の歩みと想いに溶け込んだ桜は山に囲まれた間に流れている川の両側に並木となったそれだけだった。かと言って僕は桜を見て大はしゃぎをしたりしない。花見もしない。花見をした記憶は幼少期に家族で夜にその川岸で食事をしたことと高校生の時に同級生40名ぐらいと同じ川で宴会をしたことぐらい。ただ水の流れに沿って桜の木の下を歩くことが花見よりも大切な時間だった。子供の頃からずっと。

Kamogawa - Letter from Kyoto

京都のゲストハウスについて

これは又聞きの話で、気になった人は詳しくしらべてください。
僕の生まれた京都では、最近やたらとゲストハウスを見かけた。ここ数年のことらしい。

ゲストハウスとは

ゲストハウスっていうのは宿泊所の一種なんだけど、旅館のもっと安くて、安いというのはまさにチープな安さで、ペンションやコンドミニアムとも違った、ユースホステルに近いかな。ゲストハウス。まあ安い宿泊所です。どちらかと言えば長期滞在向けなのかな。

ホテルだと1泊1万だとして、仮に1ヶ月泊まると30万とかする。1泊5千円でも15万だ。だったら家借りたほうが安いじゃないか、と思うけどそんな1ヶ月とか短期で家なんか借りれない。そこでゲストハウスなら1泊2500円とかから提供しており、長期だと割引が効いて1ヶ月4万とか5万で貸し出したりもしている。ホテルと賃貸のちょうど真ん中を提供するサービスのような感じ。

昔からあって、特に旅行者がたくさん来るタイやインドでは日本人向けのも多い。その他の外国でも結構当たり前にあるんじゃないかな。よく知らないけど。ゲストハウスの説明はそれぐらいにしておこう。

知人の実家がゲストハウスへ

今年僕が5年ぶりに京都に帰ってきて、街を歩けばやたらとゲストハウスを見かける。先日ニューヨークでそんな話を知人としていたら、なんと、知人の実家がゲストハウスになっていた。それも2006年からやっているらしい。ここ最近のことではない。先駆けだ。部屋はいつもいっぱいで、今も両親がスイス人とかと暮らしているそうだ。貸し出している部屋は5室ほどで、そのための改装もしたそうだ。

知人の実家というのは、僕の実家と同様にへんぴな場所にある。京都市は地下鉄が2線しかないからほとんどバスかタクシーで移動するんだけど、このバスもへんぴな場所だと20分に1本とかしかない。街中ではない。
そういう場所にあるゲストハウスなのに、常に人がいっぱいなんだそうだ。客層としては、長期なので旅行者というより留学生が多いみたいだ。

ゲストハウス需要

日本は旅行者向け、特に外国人旅行者向けの施設というのがあまり充実していないように思える。あまり目が外に向いていないというか。別にそんなことはどうでもいいんだけど、日本に来たいとか、アジアに来るついでに日本に寄りたいという人は大勢いる。僕はカウチサーフィンをやっていたから知っている。ただ日本の物価はヨーロッパ同様に高いので、周辺アジア諸国のようにはいかない。それに加え、あまり低価格の施設が充実していないとなれば、旅行者も来にくいのではないだろうか(中国人や韓国人は同胞がいるから関係ないけど)。それでもしかしたら、昨今のゲストハウスブームなのかもしれない。

昔はゲストハウスといえばルールがあったり掃除をしないといけなかったり食事が出てきたり合宿所のような印象があったけれど、今のゲストハウスはとにかく安くするためにいろんなものを省くのが主流、というか求められている気がする。ゆるさと手軽さと低価格。そこに汚さが加わればまさに東南アジアのそれになってしまうから、そこは日本らしく差別化していけばいいんじゃないか。ニューヨークのホステルみたいに。

暗殺が日常だった京都

最近、人斬りについて調べていた。幕末の人斬りについて。ここ、京都の町では幕末の折、路上や旅館での人斬りが絶えなかったという。
人斬りとは、すなわち暗殺であり、つい150年前、人間の年齢で言うと二代前、殺し屋やテロリストによる暗殺が日夜頻繁に行われていた。その頃の京都はどんな様子だっただろう。町中を歩いていると、そこら中に石碑が立っている。佐久間象山、赤松小三郎、本間精一郎、探せば他にも出てくると思う。毎日そのへんの道端に死体が転がっていたことになる。幕府寄りの人間だけでなく、坂本龍馬などの維新志士も殺されている。新撰組は暗殺集団とも言われているが、実際は捕縛が任務だったようだ。
参照:幕末暗殺録

有名な人は大抵暗殺されているか、投獄されて処刑されているのではないかと思うほど多い。名前が挙がるような歴史的有名人以外にも、殺された人は多いだろう。
現代の日本で、暗殺はこんな日常的にはない。かといって、これらはもちろんフィクションではない。戦前にも多くの暗殺があった。現代においても、場所が違えば中東やアフリカなど、そのまま日常である地域もあるかもしれない。

自分は町中で暗殺されるような大人物でないにしても、ふと、そういった日常に、生活していたらどんな気分だろうと思った。暗殺の絶えない、町中に毎日死体が転がる京都の町。150年前、その町に生活していたとしたら。

最後に、wikipediaに載っていた河上彦斎の言葉が怖かったので引用しておく。

勝海舟「河上はそれはひどい奴サ。コワクテコワクテならなかったよ」
「会話の中に誰それが野心があるというのが出るとハハアそうですかなどと空嘯いてとぼけているが、その日スグト切ってしまう。
そしてあくる日は例のごとくチャンとすまして来て、少しも変わらない。喜怒哀楽をあらわれずにだよ」
あまりのひどさに勝が斬り過ぎだと抗議すると、
河上「ソレハあなたいけません。あなたの畠に作った茄子や胡瓜は、どうなさいます。善い加減のときにちぎって、沢庵にでもおつけなさるでしょう。アイツラはそれと同じことです。」
「いくら殺したからと言って何でもありません。」
と反論したという。 

京都時代MAP 幕末・維新編 (Time trip map)

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