ワーキングホリデーを考えるにあたり、カナダにするかオーストラリアにするか迷う人は多い。ワーキングホリデーの渡航先として一番人気があるのはイギリスで、日本人の枠が1,000人しかないため毎年すぐに締め切られ抽選になる。なぜイギリスが人気かというと、理由は3つある。
イギリス人気の理由
本場の英語
ワーキングホリデーは学生であろうと社会人であろうと英語を学びに行く人が多いため、英語圏が人気となる。英語の本場であり英語検定などを作っているイギリスが人気なのは必然だろう。ブリティッシュ訛りを身につけたいという人もいるかもしれない。
2年滞在できる
イギリスのワーキングホリデーは2年のビザを発行してもらえる。それ以外の国はどこも1年間しかないため、働くにしても英語を学ぶにしても中途半端に終わることが多い。1年長く滞在できて就労許可もあるビザを持つことがどれほど大変か考えると、初めから2年滞在できるイギリスのビザというのはかなり価値が高い。
ヨーロッパ旅行の拠点になる
ワーキングホリデーで海外へ渡航する人の多くが、ついでに旅行する。イギリスを拠点とすれば、旅行先の幅はかなり広がる。ヨーロッパ内であればどこでもLCCなり鉄道で安く移動できる。アフリカだってそんなに遠くない。アメリカも海を渡ればすぐだ。
これら3つの理由からイギリスは渡航先として最も人気が高い国となっている。外貨を稼ぐなら物価が高い土地のほうが有利なため、ポンドが高いことも理由の一つかもしれない。ワーキングホリデーを考えている人はまず真っ先にイギリスを検討するだろう。そして滅多に抽選に通らない。
イギリスを除けば
イギリス以外の選択肢は、英語圏だとアイルランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドがある。人気順で言えばオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アイルランドになるだろうか。個人的にはイギリスとほとんど位置が変わらないアイルランドがいいと思う。英語はアイリッシュ訛りで仕事も少ないかもしれないが、旅行はしやすい。しかし僕は行ってない。初心者向けと言われるオーストラリアとカナダを選んだ。ニュージーランドを選ばなかった理由は雨が多いと聞いたのと、給料が安いと聞いたため。英語圏以外だとフランス、ドイツ、韓国、台湾などがある。フランスに行った人は知り合いで2人ほどいる。候補地としてスペインやポーランドが追加されるという話も聞いている。
オーストラリア?カナダ?
オーストラリアとカナダには両方滞在した。それぞれ良い面も悪い面もあり、どちらが良い、悪い、とは一概に言えない。もしこの2国でどちらを選ぶか迷っていれば、両方の良い面、悪い面を知ることで自分がどっちに合っているか判断しやすくなる。これからワーキングホリデーを考えている人は、自分の目的と照らし合わせて参考にしてもらえればいい。
英語を学ぶなら
英語のきれいさで言うと、カナダの英語は訛りが弱い。オージー訛りはかなり強い。普段の言葉遣いもオーストラリア英語は独特だ。オーストラリアでも語学学校などに通えば標準的な英語を習うことはできる。しかしワーキングホリデーにおいて英語が上達するのは主に、ルームメイトや隣人との会話になる。発音のきれいな、どこでも通じる英会話表現を学びたければ僕はカナダをお勧めする。IELTSなんかを受けたい人はオーストラリア、ニュージーランドの英語が基準になっているためそっちでもいいと思う。
お金を稼ぐなら
お金を稼ぎたければオーストラリアの方が簡単だ。2016年7月以降はバックパッカー税というものが導入され、タックスリターンがなくなり、オーストラリアで働いて得る収入はかなり減ることになる。それでもオーストラリアは長い間外国人労働者を受け入れてきた実績があり、仕事が見つかりやすい。短期間の就労もし易いといえる。カナダはどちらかというと半年から1年といった長期で雇う事が多い。賃金は、今となってはどちらもあまり変わらない。州によって最低賃金が違ったりするため渡航前に確認しておこう。
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旅行するなら
国内旅行であれば、オーストラリアが旅行しやすい。土地が広く海や公園といった自然の観光資源がたくさんあり、オーストラリアに来る多くの人が現地で車を買って一周したりする。費用は決して安くないものの、移動しながらファームなどの仕事を見つけることだって可能だ。オーストラリアは年中気候が良く、移動もしやすい。カナダでそういうことはまずやらない。
国外旅行だと、僕はカナダをお勧めする。オーストラリアから行けるところと言えば、ニュージーランド、オセアニアの国々、東南アジアであり日本から行くのとあまり変わらない。ヨーロッパから来ているバックパッカーはオーストラリアを拠点に東南アジアを旅行する人が多い。あれはヨーロッパから東南アジアが遠いため、オーストラリア滞在中に安く周っておこうという計画だろう。カナダから行ける旅行先としては、まずアメリカが近く陸続きのためバスで行ける。アメリカ国内であれば旅費も安い。そして大西洋を渡ればヨーロッパもそう遠くない。メキシコやジャマイカ、キューバといった中米、カリブ海地域もカナダに滞在する多くの人が旅行先に選ぶ。近くはないがブラジルまで足を伸ばした人もいた。
気候
気候についてはどう考えてもオーストラリアがいい。年中温暖で夏は暑すぎるけれど冬はそこまで寒くならないから過ごしやすい。海も多くマリンスポーツが楽しめるだろう。カナダについて、バンクーバーであれば冬もそんなに寒くないけれど雨が多いらしい。トロントの冬は死ぬほど寒い。寒いのが無理だという人にはおすすめしない。
物価
物価はカナダの方が安い。特に家賃は断然カナダが安く、一人部屋に住もうと思えばオーストラリアはカナダの倍ぐらいかかる。ルームシェア(同じ部屋に何人も住むタイプ)が無理だと思うならカナダの方が部屋を見つけやすい。食費などはどちらもあまり変わらない。このあたりはレートの変動もあるため時期によって多少変わる。
外国人と付き合いたい?
外国に滞在して外国人と付き合っているという話も多く聞いた。飽くまで事例だけで語るが、オーストラリア人と付き合っていた日本人女性は3人ぐらい知っている。そのうち2人はこっちで結婚すると言っていた。一方カナダでは、カナディアンと付き合ってた日本人女性も2人ほど知っているが結婚云々という話は聞いたことがない。女性であればオーストラリアでもカナダでもそういう話を聞いた。男性はほとんど聞かない。外国人と付き合うためにはどちらがいいか、というのはあまり意味がないかもしれない。美人が多かったのはカナダのケベック州だった。外国人と付き合いたいという男性がいたら、日本に来ている外国人女性の方がまだ日本への関心が強く打率は上がるだろう。
まとめ
- きれいな英語→カナダ
- お金を稼ぐ→オーストラリア
- 国内旅行→オーストラリア
- 国外旅行→カナダ
- 海が好き、寒いの無理→オーストラリア
- 一人部屋は譲れない→カナダ
- 外国人と付き合いたい→?
これらは飽くまで個人的な経験を元にした主観であるため、参考程度にとどめておいて欲しい。中には日本から近いという理由でオーストラリアを選んだ人もいたり、音楽が好きな人はトロント(カナダ)で全米ツアーの延長が多く行われているから良いと言っていた。対日感情はどちらかというとカナダのほうが良かった印象だ。それぞれ自らの目的や嗜好に合わせて行き先を選んでください。もし僕が今から行くなら、アイルランドを選ぶかなあ。ちなみに、オーストラリアもカナダも両方ワーキングホリデーで滞在した人を他にも何人か知っている。彼らにも同様に「オーストラリアとカナダどっちが良かった?」と意見を伺ってみたが、大体は「最初に行った国が良かった」と答える。僕が最初にカナダを選んだ理由は完全に旅行目的だった。