「ナニで撮るか」は抜きにして

数年前から「カメラを買い換えようかな」と思うことが続いていた。10年物のデジタルカメラ1台で撮り続けていると、不便なことが多々ある。画素は荒いし高感度はザラザラで、センサーもフルサイズではない。センサーの寿命は一般的に10年だと聞いているが、僕のカメラは2006年のものだから既に10年が過ぎている。そろそろ寿命でぶっ壊れるかもしれない。

カメラ屋で最新のカメラを手に取ると、その進化具合に驚く。ミラーレスなんかはとにかく軽い、小さい、オートフォーカスはめちゃくちゃ速い。カメラの中でRAW現像もできる、Wi-Fi接続で転送もできる。

高城剛は最新のミラーレスを「レンズがついたスマートフォン」と称していたが、今主流であるカメラ付きスマートフォンとは別の路線で、スマートフォン寄りのカメラが流通する日も近いかもしれない。スマートフォンと同等の機能を備えたミラーレス、AndroidOSのミラーレスというのが一時期あったが、カメラの小型化がより進めば、カメラ主体のスマートフォンという形態ももう少し一般的になるかもしれない。

さておき、α7Ⅱがずっとほしいと思っていて、このたびα7Ⅲが発売され型落ちとなった。頃合いかなーと思ったけれど、今のカメラでしばらく撮っていたら、まあ特に買い換えなくていいかと思った。今のカメラのまま撮り続けて不都合なこともなくはないが、誰かに求められて撮っているわけではなから困りはしない。最近は今のカメラのまま撮り続けても、まだまだいろいろな撮り方ができることに気づいてきたから、あまりカメラにこだわらず、もう少し撮っていこうと思った。

viceの若き写真家が見る歪んだ世界シリーズを毎回楽しみにしていて、最新回では佐伯慎亮というお寺の息子の写真家がインタビューに応じていた。

この人は写真家だけど、カメラにはあまりこだわらないそうで大学時代はビッグミニというトイカメラで撮っていた。

【知られざるカメラ】 第3回:コニカ ビッグミニ(初代) | トイラボカフェ -ネットのフィルム現像所「トイラボ」ブログ-

写真の技術を向上させるために、努力していることはありますか?

それはほとどんないですね。カメラも一台しか使ってないですし、お金もないのでレンズもなかなか買えてません。ただ、スタイリッシュに撮ろうとは常に思ってます。人の写真集はよく見ますが、技術的な視線ではあまり見てないです。

そうは言っても芸大の写真学科を卒業し、カメラマンやアシスタントの仕事もしていたから、技術的な面でも基礎がしっかりしておりカメラ素人とは比べられないだろうけど、この「ナニで撮るかにこだわらない姿勢」はいいなーと思った。

若き写真家が見る歪んだ世界 vol.15 佐伯慎亮 | VICE JAPAN

第12回のいくしゅんという写真家もカメラにはこだわっていない。

機材は今もコンパクトのデジカメですか?

今使っているのは1万5千円のミラーレスのデジカメです。3年前に秋葉原のソフマップで買いました。型落ちの中古でボロいんですけど、3年間壊れることなく、全然使えてますね。持ってるのはこの1台だけです。

若き写真家が見る歪んだ世界 vol.12いくしゅん | VICE JAPAN

僕もカメラは1台しか持っておらず、レンズも一つしかない。カメラうんぬんはもう少し無視して、撮ることに向き合っていきたい。