2024.2.12

自分が痛みを掴まえて、手放さないようにしているから、今ここに苦しみがある。痛みと言えど、大切な記憶で、時間が経つにつれ薄れていっている。忘れることに抗おうと、傷をもう一度開いて、記憶を鮮明にとどめようとしている。だから苦しい。痛く、苦しい。でもそのお陰で、都合よく改ざんされた記憶ではなく、より実態に近い形で側にいられる。忘れる恐怖よりも、喪失感が勝る。何も失くなってしまうのを惜しむ。