見た映画、読んでいる本の紹介

昨日はマンガをまとめたが、今回はまたいつもの映画と本。

最近見た映画

映画ばかり見ている。そこそこの評価を得ている映画ばかり。低評価の映画を自分なりの視点で見ておもしろい部分を見つけられたらいいんだけど、それができなかったときの2時間が無駄すぎてなかなか手を付けられない。何を見るか選ぶのが大変で、結局トレーラーを見ておもしろそうだったら見るようにしている。トレーラーの内容を忘れた頃に見ないとかなりネタバレしていることが多いから、なるべく時間を空けて印象が薄れた頃に見る。

京都シネマ京都みなみ会館にそのうち行ってみたい。

ジュラシックワールド ★

2年前に公開されたジュラシックパークの最新版。テレビをつけたときに、子供が夏休みに訪れる恐竜博のことをやっていたから見ようと思った。僕自身は子供の頃に元祖ジュラシックパークを映画館で見た世代で、最新版はどうなっているかなと思ったらなかなかきな臭い映画だった。

新しいパークは順調に経営されているが、従来の恐竜サファリはマンネリ化してきているため新たな目玉商品が必要になり、遺伝子組換えのキメラ恐竜を育てている。一方では小型の恐竜を調教し、言うことを聞かせようという実験も進んでいるなか、軍事利用して恐竜部隊を目論むやからも出てくる。

シリーズ物の宿命というか、新作を作るにあたって元々の恐竜サファリパークというコンセプトに付加する新しいアイデアが必要だったのだろう。あまりにもわかりやすく単調ではあったが、サファリを移動するボールはかっこよかった。あとは普通のモンスターパニックという感じ。

風立ちぬ ★★

引退を撤回した宮﨑駿だが、その前に引退作として作られた「風立ちぬ」。宮﨑駿の最高傑作という呼び声が高かったため見た。ジブリ映画を見るのはポニョ以来で、もののけ姫や千と千尋もいつか見ようと思っているけどまだ見ていない。「風立ちぬ」は零戦の設計者である堀越二郎と、堀辰雄という人が書いた小説をかけ合わせたもの。

堀越二郎役を庵野秀明がやっているのは知っていたが、実際に声を聞くとモロ庵野秀明で「わー庵野秀明だー」という印象がぬぐえず、他の登場人物の声と比べてもかなり浮いていた。しかし、ずっと見ているうちに庵野秀明の声というよりも、堀越二郎という人物そのものがこの映画の中で浮いた存在として見えてきた。天才肌の、異質な人物。

堀越二郎は感情表現が乏しく、穏やかでどこか抜けたような印象を与えるけれど、成績優秀で人当たりが良く、周りからの評判も良い。彼はいつも飛行機のことばかり考えており、真っ直ぐで天才肌なだけで悪意はない。街頭で親の帰りを待つ子供に「ひもじいだろ?」と言ってお菓子を買い与えようとするシーンなんかに、世間とのズレがよく出ている。だって「ひもじいだろ?」はないでしょ。案の定子供はお菓子を受け取らずに帰っていく。

不遇の天才ではなく、好かれる天才を描いた映画だった。あの人徳と世渡り上手はちょっと羨ましすぎる。僕が抱いた印象としては、日本一のニートphaさんが近かった。

風立ちぬ [DVD]

風立ちぬ [DVD]

グリーンデイズ ★

新しめの映画。評価が高かったから見た。主人公リブは厳しい家庭の女子高生。成績はトップ、アイビーリーグの入学も保証されており、父と同じイェール大学を検討している。彼女は幼い頃からのボーイフレンドに誘われ、兄と一緒にホームパーティーへ向かう。兄からは「楽しんで」と言われるが門限が近づき、急遽帰宅することに。そして帰り道に事故に遭う。

ネタバレしてしまうが、ラッセル・クロウの出ていた「ビューティフル・マインド」と非常に近い映画だった。帰りの交通事故で双子の兄が死ぬ。双子の兄は今までずっと、いつ何時も離れることなく生活を共にする存在だった。言わば自分の半身に近い。そんな彼が死んでしまい、リブは何もできなくなる。そしていつしか、身の回りに常に兄の姿を見るようになる。このあたり僕は「ノルウェイの森」でキズキくんを失った直子を思い出した。

拒食症だったり、トラウマから幻覚を見る人の視点をかなり丁寧に再現している。目線をキョロキョロするのはそこに何かが見えているからで、居もしない人と会話しているのは見えている誰かと話している。口から出るウソや言い訳は、本人の中では全て整合性のある真実であり、そう思い込んでいる。もしくは見えない誰かに脅迫されている。心の病に対しての理解が深まる映画だと感じた。

グリーンデイズ [DVD]

グリーンデイズ [DVD]

今読んでいる本:泰平ヨンの航星日記

「魔女狩り」を読み終えてからはずっとこれを読んでいる。航星日記という名の短編集で、500ページ以上ありまだ半分も読み終えていないが、一つのエピソードは非常に短い。スタニスワフ・レムを読むのはソラリス以来2作目、かなり変わったタイプのSF小説だ。

タイトルの通り、ヨンという人物がありとあらゆる惑星を訪れる宇宙旅行記なんだけど、独自の設定だらけでわけのわからない用語(造語)がひっきりなしに出てくるが説明はない。意味なんかを考えながら読むと頭が混乱して先に進めない。基本的には宇宙船の中や訪れた先の星で、いろんな事件に巻き込まれたエピソードをコメディタッチで描いた物。

「第14回の旅」を紹介

一つ例を挙げると、比較的簡単だったのが「第14回の旅」エンテロピアへの旅だった。ヨンは先生にあたるタラントガ教授から借りたノンフィクション本「狗留伝竜と蛸鹿のなかで暮らした二年間」にハマる。本で紹介されている狗留伝竜という生物にいたく興味を持ち、狗留伝竜狩りをやってみたくなって本の舞台であるエンテロピアへの旅行を決心する。

旅行前にエンテロピアについて調べる。地球から300万光年離れた星で、航行には一週間近くかかる。アルドリト人が治めている。他にも文化、生態系などいろいろな情報の中で、セプルカリヤという用語に行き当たる。辞書で調べても別の用語をたらい回しに一周してしまい、結局何のことかわからない。

このセプルカリヤについては、惑星に着いてからヨンが買い求めようとするんだけど「奥さんはいますか?」「独身なのにセプルカリヤをお求めなんですか?」などというわけのわからない質問を受ける。

入国の際の、入国管理官とのやりとりもおもしろい。アルドリト人は体の色を変えることで感情を表す。緑は「微笑」だとか。体の色が表情の役割をしているなんて、仮に映像化されたら読み取るのが大変だ。

入国の質問は「脊椎動物ですか?」から始まり「観光ですか?商用ですか?」という普通の質問も混じえながら最後に

「それでは、楽しいご旅行を、哺乳類さん!」

と見送られる。地球からの旅行者は100年に一人あるかないからしい。このあと肝心の狗留伝竜狩りを楽しんだり、動物園には地球の生物もいると言われて聞いてみたら蝿だったとか、まあとにかく変な話が満載。マーケットプレイスなら300円ぐらいで買えます。

泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11)

泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11)