iPodと共に終わった僕らの時代

2017年の9月も半分が過ぎました。なんもしてねえ。何もしてなくはないんだけど、なんだろこのすっからかんな感じ。子供の頃から積み上げていくことが苦手で、新しい積み木をあっちこっちと並べていた。同じことが続けられないから上達しない、前に進まない。気が散っては別のことをして、戻ってきたら全部忘れていて、また一から始めての繰り返しです。だって飽きてしまうから。賽の河原ですらない。

iPhone X

iPhoneX発表されましたね。僕は4s以降iPhoneを使ってないんですが、今回久々にガラッと変わったみたいで、Appleがまだまだ健在であること世に知らしめた。ただもう高い電話機は、故障と紛失のリスクも高すぎて買うことないだろうな。いまだに5sあたりを狙っているが、果たして最近のOSで動くのだろうか。

iPhone X - Apple(日本)

iPod終了のお知らせ

Appleの公式サイトからiPodが姿を消しているの、皆様ご存知だったでしょうか。音楽は専用機のストレージにデータファイルを詰め込んで再生する時代から、スマートフォンアプリにてSpotifyのような月額制サービスで聴く時代に、いつの間にか変わっていた。iPod時代の終了であります。僕は2007年に買ったiPod nanoをいまだに使っている。持っていたiPodは2005年に買った初代シャッフルと二代目ナノだけ。

初代iPodが発表されたのは2001年ということだから、iPodの時代はわずか16年。CDが80年代後半から2000年代まで主流として利用されたことを考えると、それほど短くもないのか。

iPod touchのページだけまだ残っていた。

iPod touch - Apple(日本)

時代の流れに取り残された

月額制音楽サービスなんてつかったことないんですけどね。Spotify以外にはApple Musicが主流。他にもいくつかあるそうだ。

Apple/Spotify/AWA等、音楽ストリーミング主要6サービスを徹底比較(前編)

月額配信といえば、映像ではNetflixとプライムビデオの2強と化している。もうすっかりDVDを買ったり借りたりする時代ではなくなった。NetflixもAmazonプライムも契約していないから、消費者として時代の流れについていってない。ゲームはソシャゲが主流になったし(ほとんどやってない)、こうやって歳をとっていくんだなー。電子書籍はかろうじて活用してますが、Unlimitedみたいなサービスは利用していない。

僕らの時代は終わった

流通経路が変わっただけで、やってることはさほど変わらない、と言えばそのとおりだ。それにしても老いさらばえていることを実感する。僕は大学生の頃にiPodを買って、DVDで映画を見て、ゲームはMMOをやっていたiPod世代だ。そのiPodが終了して、世代交代が明確になった。もう現代人の感覚なんて想像つかないし、新しいことがわからない側、恐怖する側に立っている。これからもっと速いスピードで変化して、わけわかんなくなっていくんだろうな。

それが楽しいと思えるのは、消費が続いている人たち、もしくは最前線で生産している人なんだと思う。音楽なんてもう全然知らない。映画は最近見ているけれど、少し前までほとんど見ていなかった。ゲームはもっと疎い。本も最近の本は読んでいない。最前線で消費も生産もしていなければ、最先端の文化から遠くなるのも必然だろう。若い人が新しい流れに乗っていられるのは、消費者でいるから。

それは年代だけでなく、国単位でも言える。まだまだ消費者の多い中国やアメリカで、文化や技術はどんどん先へと進んでいく。音楽や映像のサービスはアメリカの企業に供給され、日本の製品やサービスがシェアを握ることなんてことはもうないだろう。日本がどうとか、国がどうとかっていう発想自体もはや古い。

もう若くない側

若かった頃は、自分たちの日常と、文化と、感性が新しすぎて理解されない側だったのに、とうとう理解できない側にきてしまった。僕らが前線にいた時代は終わってしまった。何事もなく過ぎ去っていってしまった。若かった頃には、最先端で、洗練されていて、未来がある、そういう流れに近づくことができた。参加することもできた。その流れはいつしか別の新しい流れに取って代わり、それはもう僕らの流れではない。

よく「自分はまだまだ若い」と言って若いフリをする年配の人がいる。でも彼らは若いということがどういうことなのか、根本的に理解していない。若いということは、今の流れに当事者として乗っかれるということだ。「自分はまだまだ若い」と言う人のほとんどが、終わった時代の若かった頃から変わっていないだけ。既に終わった流れの、終わった文化の中で若かった頃と同じように生きているだけ。古い時代の古い文化に執着している人を、若いとは言わない。立派な老人である。

終わった時代を懐かしむ

若かった時代が終わったからといって、人生が終わるわけではない。しばらくは中年の時代が続くだけだ。体力が衰え、腹が出て、シワが増え、白髪が増え、ハゲている人もいるかもしれないが、嘆くことはない。今まで経験しなかったようなことも、それなりにあるかもしれない。若かった頃が良かったなんて思わない。多分これからも、良いことなんてないだろう。

ただそれでも懐かしいと感じる。あの頃が、過ぎ去った日々が、そこにいた自分や、周りにいた人たち、目に映った景色、流れていた音楽、体験したこと、新鮮な気持ち、みんな懐かしい。昔の写真や手紙、映像なんかを見ていると、そこから遠く離れてしまったことを実感する。距離が離れても戻ることはできるが、時間が離れてしまうともう戻ることはできない。そのうち時間も戻れるようになるのだろうか。でもやっぱり戻りたいとは思わないな。だって過ぎ去ってしまった時代はもう新しくもなんともないから。ただ懐かしんでいるだけ。懐古ばかりしていたら、もはや老人だ。これからをそれらしく生きよう。

※この文は以下の20分頃から始まる『ベイビー・ドライバー』の感想に影響受けて書きました。

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