職業訓練に来ている人たち

webデザイン科

僕が通っているwebデザイン科というのは、ある意味特殊なところのようだ。
ひとむかし前はwebの技術がニッチでwebデザイナーっていう職種も
「なんだかよくわからないけど時代の最先端でかっこいいぞ」
みたいなイメージがあったかもしれない。その当時からwebデザイン科はあったようで、当時は受講希望者が1クラス200人とかいて、受講できるのはせいぜい20人ぐらいだから倍率10倍とかあったそうだ。

現在はwebも一般的になり、その参入障壁の低さから単価も下がり、web業界は完全なブラックと化している。だから希望者はそんなに多くない。潰しがきく経理、ワードエクセル、英語の講座などから比べるととても少ない。でもweb系やプログラミングの職業訓練というのはなぜか多い。毎月募集している。

男女比

比率としては女性が多い。そもそも職業訓練に来る人は全般的に女性が多いみたいだ。男性は受からないのか、仕事を辞めないのか。女の人は結婚して仕事を辞めて、再就職するにあたって今までの経験とは違った訓練に来る、みたいな人が多いんじゃないだろうか。僕の受けているクラスは既婚者が多い。
そのうちのほとんどはwebのことを何も知らない人たちだったりする。パソコンの使い方も危うい人が多い。webに夢と希望を抱いて来たか、なんとなく来たかのか。
webを少し知っている人でもweb業界に就職するというより、ネット通販を自ら行いたい人や、webマーケティングを既存の業界に取り入れたいという人が多い。

年代

年代は20代後半から40代後半まで広いが、多いのは30代前半。
みんなどこかを辞めた失業者なので、そんなに若い人はいない。新しいことを勉強しに来るのでそんなに年配の人もいない。うちの親父が「勉強して金もらえるなら行こうかな」なんて言っていたけど絶対やめといた方がいい答えた。まあその気は無いと思うが。

雰囲気

クラスの雰囲気などはメンバーによると思うけれど、失業者特有の暗くて焦った必死の感じは全く見受けられない。特に僕が受かったクラスは定員割れだったので、僕みたいに就職する気が全く無い人もいるぐらいだから非常におだやかだ。
受講希望者が多ければもっとガツガツの人ばかりが面接に通っていたかもしれない。

女の人が多いから、webの話をするなんてことはほとんどない。僕が講師の人と2人だけで話しているぐらいだ。
空き時間はずっと世間話や趣味の話、家庭の話などが行われている。来ている人の共通点は"失業者"ということ以外全くない。前職、年代はおろか、出身地までバラバラなので、話は尽きないのだと思われる。

訓練の効果は

前も書いたけれど、僕が行っている職業訓練所というのは技術の訓練というより就職養成所という趣が強い。訓練の最初に言われたのは
「たった3ヶ月勉強した程度では身につきませんよ」
という言葉だった。訓練というのはあくまでもきっかけに過ぎない。このきっかけに過ぎないっていう言葉よく使ってるなあ。まあいいや。

もちろん、このたった3ヶ月のweb講習を受けてweb系およびweb関連の技術を使う職に就く人もいる。大勢いる。聞いた話だと4割ぐらい。
その人達というのは元々webの素養があった人や、この訓練中に自ら勉強をして訓練以外の時間を使ってwebの知識なり経験を積んで、webを利用して働くのに必要な要素を掴んだ人たちだったりする。自助努力が非常に大きなポイントになる。

あとは就職養成所と言ったように、職業訓練所では就活生が受けるような就職セミナーをやったり面接対策、マナー講習、そして仕事紹介も多く行われているので、それらをうまく活用して、今までとは全く他業種のwebを活用する就職を実現したのかもしれない。
僕が今受講中の内容は、外部講師を呼んでweb制作のコンセプトメイキングやマーケティング手法、コンサルについてのセミナーをやっている。webデザインの技術講習というのはその土台に立つためのもので、むしろこっちがメインのような気がする。

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