哀しい夢

結構な頻度で哀しい夢を見る。夢の中で友人や家族、その他今まで出会ってきた数々の人に会う。誰と会うかはその時によって変わる。昨日は、以前にカナダ東部へ一緒に旅行した友人と会っていた。彼はピンバッヂのコレクターで、旅行中も各地限定のピンバッヂを買い漁っていた。その後彼は日本へ帰国した。トロントで就労許可が降りたらまた戻ってくるという話だったけれど、音沙汰はない。僕がトロントの骨董市で大量のピンバッヂを見つけ、その写真を送ったら「トロントに戻ったら絶対行く!」という返事があった。僕は夢の中で彼と会っていた。彼は骨董市へ向かったけれど、ピンバッヂが売っている場所がわからないからついてきてくれと僕に言った。僕は大体の場所を伝え、その周辺にたくさんあるからと説明しながら市場へと向かっていた。彼とはもう半年以上連絡を取っていない。この夢を見るまで半ば存在も忘れていた。

その少し前に見た夢は、職場の同僚だった人の夢だった。僕らは当時、些細な揉め事があって仲違いしていた。事情を説明し、謝ってもいたけれど相手には伝わらなかったようで僕は会社を辞めてしまい、そのまま話すことはなくなった。夢の中で彼女と僕は「すみません、私の誤解だったのがわかりました」「いや、僕が悪かったんだよ」そうやって和解していた。彼女は笑顔で、今後の自分の展望などを語り、僕はそれを静かに聞いていた。彼女はfacebookで登録し合っているからたまに見かけるけれど、お互いやりとりをしたことはない。

目を覚ますと、朝の日差しで明るい。今までのは全部夢、願望、遠い過去に失った関係を取り戻したかった。それは全て夢の中だけにあった。そういう夢を見るたび、僕は夢の世界にいざなわれているんだなと感じる。この、辛く孤独で耐え難い現実の世界よりも、全てが詰まった夢の世界を、僕の無意識は選んでいる。いつかそれが実現されてることを望んでいる。そういうことを、僕は他人事のようにただ脇目から分析している。