シュタインズ・ゲートがすごかった

忙しいけれどある意味暇であり、ネット環境が無い自宅での暇つぶしと現実逃避を兼ねて、本を読んだり映画を見たり海外ドラマを見たりしている。そんな中、はてなブログで割りと最近のアニメをランキングしている記事を見た。アニメに関しては本や映画に比べると疎く、こういうランキングが重宝する。特にネタバレなく内容がある程度記載されていると選びやすい。

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とにかく見てほしい

ランキングをだーっとスクロールして僕が選んだのはシュタインズ・ゲートだった。ネットでよく「シュタゲ」っていう略語を見かけていたから有名で名作なんだろう、ぐらいにしか思っていなかったけれど、すごかったねこれ。ランキングの方には完全にネタバレ無しで"「次の回、次の回はよ」ってなった。"としか紹介されていない。それも良かった。このシュタインズ・ゲートに関しては、全てを見終わった後から世界が違って見える。もしこの作品を見ていなければ、以下を読む前に作品を見ることを勧めます。Wikipediaとか作品紹介等も何も読まない方がいい。僕がそうだった。

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時間移動とパラレルワールドがテーマ

ここからは基本的な概要を含むもネタバレ無しで、見たことがある人向け、もしくは別に興味なく見ようとは思わない人向けに感想を書きたいと思う。ジャンルはSFだ。スターウォーズ的な宇宙ファンタジーSFではなく、2010年の秋葉原を舞台としたタイムトラベルのSF。作品の中に出てくるSF用語「ジョン・タイター」や「バタフライ・エフェクト」がわかるSF好きだったら時間を忘れていっきに見てしまうんじゃないだろうか。ミステリ要素も深く、また秋葉原が舞台なだけあってオタク文化を全面に押し出しているため、どれかに親しみがあれば見る人を問わない。実際、僕自身はいわゆる「萌え文化」に少なからず抵抗があるけれど、この作品の本題ではなかったため気にならなかった。差別的なまでに毛嫌いする人は無理かもしれない。

ただ、最初のうちは話自体かなり穏やかに進んでゆく。SF要素はあるものの単なる日常活劇にしか見えなくもない。だから途中で見るのをやめてしまった人も多かったんじゃないだろうか。とりあえず10話ぐらい見てしまわないとこの作品の面白さを認識するのは難しい。最初のスローテンポは、タイムトラベルについて疎い人が話についていくための準備期間としても機能する。10話ぐらい見ても結局受けつけなかったら、その後は見なくていいと思う。作品としての僕の印象は、映画のバタフライ・エフェクトをドラマ1シーズンかけてやったらこんな感じになる。時間が長い分シナリオ展開や設定、映像描写も細かい。また、この作品については声の演技に尋常じゃないぐらい力が入っている。

記憶と人との関係

僕が最も惹かれた部分は、この作品が記憶について取り扱っている部分だった。記憶喪失がどうとか前世の記憶がどうとかそういう話ではなく、人が一般的に体験を記憶するということについて取り扱っている。これは僕が個人的に「記憶というもの」についての思い入れが特別強いため、最後まで見る間に2,3回泣いてしまった。「知らない」「忘れた」「思い出せない」「思い出す」「覚えている」「忘れられない」互いの記憶なくして人間関係は成り立たない。これらの一部をテーマとして取り扱う作品は非常に多くあるものの、記憶と人間関係をこれだけ深く取り扱った作品も珍しい。僕は他に知らない。

ゲーム好きならゲームから

この作品はゲームが原作らしい。僕はもちろんゲームをやっていないけれど、アニメの作り込み・シナリオがかなり徹底していたことや「ゲームのほうが面白い」という評判からしておそらく原作のゲーム自体がかなり良かったのだろう。僕はハードも持っていないからゲームをプレイすることはないけれど、気になる人はゲームから入った方がいいという感想も見かけた。

STEINS;GATE

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こういう作品に凄く惹かれたり、同調したりしてしまうのはもしかすると、自分も何処かで時間漂流を経験し、今はそれを覚えていないだけではないのだろうか、そんな風に思わせてくれる作品でした。 そういうのを厨2病って呼ぶんだよね。僕の中ではもう厨2=邪気眼しか覚えてなくて。