海外旅行で感じた、意外だったこと5選

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海外旅行をするようになったのは2010年頃からであり、大体5年、実に最近の話だ。いくつかの国を訪れ、元々抱いていた海外に対しての印象が変わった。海外に対して抱いていた印象と、現実の世界との違い。おそらく日本にいたらずっと気づかないままだったと思う。日本にいてもそういった情報にたどり着くことは可能だけど、関心があって探さない限り目に触れることはない。ここで紹介するのはすごく些細な事であり、飽くまで僕が抱いていた印象と現実との違い、それも自分の経験談による実感でしかないため「これが世界の現実だ」と銘打って出せるものではない。それでも興味があれば、海外に出たことがないあなたにとって、もしかするとこれらが意外な事実に映るかもしれない。

 

①意外と英語が喋れない

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もちろん日本人のことではない。外国に住む外国人のことだ。僕が今まで行った国において、結構な割合で英語が通じなかった。「Do you speak English?」と聞いて「No」と返ってくるか首を振られるのだ。僕の英語だって全然つたないんだけど、そんなレベルを凌駕して全く話せない人たちというのが結構いた。国によってはむしろそれが普通だった。

例えば、キューバでは高級ホテルの受付以外ほとんどの場所で英語を話す人がいなかった。公用語はスペイン語。ボスニア・ヘルツェゴビナでもほぼ通じなかった。キューバほどではないけれど、街にいる若者でさえ英語を解さない。公用語はボスニア語。モロッコのラバトはボスニアと同じぐらいだっただろうか。全然通じない。ホテルや観光地などの観光客が訪れる場所では通じるが、一般人で英語を話すのは感覚で一割ぐらい。それでも日本よりは全然多い。公用語はアラビア語とフランス語。「フランス語なら話すんだけど」と何度言われただろうか。

ポーランドは英語話者は多いけれど、道端でいきなり英語で話しかけると「わからない」という人が時々いた。ネットで調べてみるとポーランドは国民の33%が英語話者らしい。約7割がそうではないということになる。カナダのケベック州はフランス語圏なんだけど、年配の人だと英語が通じない人がいた。スウェーデンはほぼ全員が英語を解するけれど、英語で会話している人を街で見かけることはなかった。マレーシアではかなりの人が喋っていた印象だったけれど実際の割合は2割程度のようだ。

こんなのはわざわざ海外に出なくたって、よく考えてみれば当たり前のことだ。ただ僕の印象として、外国人はみんな英語ぐらい喋れるんだろうと思っていた。実際は、全然そんなことはなかった。だからもし「英語が喋れない」という理由で海外旅行をためらう人がいたら、それは杞憂だと言える。もちろん英語圏に行くなら英語話せたほうが便利であり、空港やそこいらで英語を話す方が困難を避けられるということはあるだろうけれど、英語話せない人なんて世界中にいくらでもいるからあまり関係ない。「海外旅行するなら英語ぐらい」なんて考えは全然いらない。

国別英語話者数ランキング - Wikipedia

②意外とアナログ

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日本に住み、デジタルガジェットなどを日常的に活用している人であれば日本社会にはびこるアナログな非効率に辟易しているだろう。「この21世紀にまだそんな昭和なの?」って思いながらFAX送っている人も多いと思う。FAXが外国でどの程度使われているかは知らないけれど、外国においても意外なほどアナログなことというのはまだまだある。

例えばKindle。日本でもようやく電子書籍端末が一般的に普及しつつあるが、北米やヨーロッパでは既に当然、だと思っていた。カナダのトロントにいた時は確かに電車の中で電子書籍を読む人が多かった。2014年当時で、朝電車に乗ると電子書籍で何かを読む人を必ず見かけた。しかし、僕の周りの人でKindleを持っているという人は一人もいなかった。むしろ僕が持っていたから珍しがられた。そもそもカナディアンは全然本を読まないという話を聞いていたから、そのせいもあるかもしれない。「電子書籍をどう思う?」みたいな話が出た時も「私は紙の本のほうが好き」などと日本人みたいなことを言う人のほうが主流だった。他の国や旅行者においても、持っている人をそれほど見かけなかった。旅行者はタブレットを利用する人が多いからそちらで兼用しているのかもしれない。

ノートは圧倒的に紙を使う人が多かった。学習ノートや日々の手帳などにおいて電子化されたものを利用しているはほとんど見かけず、紙のものを利用している人ばかりだった。特に勉強のノートやメモなんかは揃いも揃って紙に書いている。Evernoteを使っているという人なんて聞いたことがない。これもカナダ滞在の経験談が中心になる(これは厳密に言うと旅行じゃない)。しかし、各地を旅行した時でも紙のガイドブックを持って紙のノートをつけて、という姿はあまりにも目にした。日本だけではなく、みんな全然電子化されてないんだなーという印象だった。日本にいた頃は「いつまでもこんな非効率なことをやっているのは日本だけ」と思っていたけれど、意外とそうでもない。ただあらゆる国のあらゆる場面において、テクノロジーを駆使した効率化が実施されているという事実も確かにあった。

③意外と親切

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意外となんて言うと怒られるけれど、道行く人に関してはどこの国でも大体みんな親切だった印象がある。どれぐらいかというと、日本人より圧倒的に親切だった。旅行者として道を尋ねたり、知り合い程度に仲良くなった人たちでも大体世話を焼いてくれて見返りなんか全く求めない。例えば、話しかけて無視されたことは一度もなかった。怪訝な顔されたことも一度もない。ほとんどがみんな笑顔で「どうしたんだい?」というような態度を示してくれる。それは言葉がわからない人や英語がわからない人も含まれる。日本人にありがちな、言葉がわからないからといって半笑いで逃げるように立ち去る人とは外国で会ったことがない。わからないなりにどうにか相談に乗ってくれたり助けようとしてくれる。これは別に北米やヨーロッパだけではなく、モロッコやキューバ、タイでもそうだった。

もちろん人による。尋ねる側にもよるし、尋ねる相手にもよるだろう。一概には言えない。飽くまで自分の経験談でしかない。国にも文化にも左右され、尋ねる内容によっても異なってくるかもしれない。それでも、日本人にはそういうのあまり無いんじゃないかなーと思えてくる。どうなんだろう?これも飽くまで日本人に対する勝手なイメージではあるんだけど、島国で単一言語で交流の乏しい日本人は圧倒的に外国人慣れしていないんじゃないかと思った。だから悪意があるわけではないけれど、どうしていいかわからない。もう一つは日本人同士のコミュニケーションの仕方が、他とは異なるからじゃないだろうか。日本では仕事でもなければ全然知らない人と会話したり道を尋ねたりすることもほとんどないだろう。聞くとしてもどこかの店員など、そういうことを聞かれる可能性を予め想定しているであろう人に尋ねる。更に挙げるとすれば、日本人は異常に時間に厳しかったり忙しいから相手してられないのかもしれない。まあ文化の違いと言ってしまえばそれまでか。

ちなみに貧しい国などにおいて、観光地など詐欺やたかりが横行している場所で向こうから話しかけてくる人に要注意です。自分から話しかけてトラブルになることは今までなかった。そして日本も含め先進国ではそういうのがほとんどなかった。

④男女意識の違い

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これって日本とはかなり違う部分の一つだと思う。どうなんだろう?もちろん国や人によって違うだろうし、日本と同じところだって多いと思う。例えばヨーロッパの宿泊先における男女観は、日本と全然違うと感じた。僕は今年の6月一ヶ月間ヨーロッパを旅行していたんだけど、宿泊していたのは主に個人宅かホステルだった。僕が泊まったどの国のホステルも男女混合の部屋があり、そちらの方が安くてそこに泊まっていた。この時点で日本ではありえないんじゃないだろうか?あるのかな?僕の先入観かもしれない。少なくとも日本にある、日本人が泊まるゲストハウスなんかで男女混合が普通っていう認識は僕にはない。

ヨーロピアンの女の人たちは下着姿で普通にウロウロするし、それをジロジロ見るような人もいない。仕切りがあるだけのシャワーを使い、終わったあと鏡の前で髪を乾かしている。その隣で僕は歯を磨いていた。あまり流行っていない宿でフランス人の女性と二人で泊まり、夜遅くまで話し込んでいた。ちなみに今オーストラリアにいるけれど、自分の部屋はイタリア人の男性とドイツ人の女性と3人でシェアしている。同室だ。これらはみんな全然知らない人同士だ。ここまで来ると日本ではさすがに非常識だろう。日本人に限らず、他のアジア人もあまりそういうことをしない。もしかすると西洋人だけの文化かもしれない。日本とは違うなと感じるけれど、違和感とか嫌悪感はない。男女観というよりは、自分も含め彼らが他人の目であったり他人の事を全然気にしないからかもしれない。

他人を気にしないと言えば、これは以前にも書いたけれどキューバに行った時もドゥブロヴニクでもビーチでトップレスになっている女性を見かけた。そこはヌーディストビーチでもなんでもなく、それについて誰も何も気にしない。それをやっているのは決まって西洋人だった。日本のビーチと違い、女性に声をかけたりしている姿も全く見かけなかった。女同士で来ている人や男同士、一人で来て泳いでいる人、家族連れ、友達同士、いろんな人がいるのも印象的だった。男女観の違いというよりは、やはり他人の目を意識するか、他人を意識するかどうかの違いなんだろう。そういうの話には聞いていたけれど、いざ現場で経験するまで実感がなかった。他人を気にしないのって意外と普通なんだなー。

⑤旅行者の飯

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これは意外だった。日本人の僕にとって旅行者と言えば現地の食事を堪能するというイメージがあった。これもホステルに宿泊した時の経験なんだけど、ボスニア・ヘルツェゴビナのホステルに泊まっていた時同室だったドイツ人とクロアチア人は、旅行中なんと自炊していた。たかが2、3泊だったのにマカロニとパスタソースを買って簡易な食事を用意したりサンドウィッチを作ったりして食べていた。彼らがバックパッカーで長期の旅行中節約する意図があるのはわかる。それにしてもそこまで徹底するか。1週間宿泊してそのうち何日かはレストラン、何日かは自炊とかならまだわかる。彼らは全部自炊だった。僕と同じで食事に興味がないのかもしれない。

僕にはそういう発想がなく、宿泊先にキッチンなどがあっても安いレストランを探したりして毎日現地の食事を食べていた。しかし彼らに会ってからは真似した。クロアチアでもスウェーデンでも、誰かと特別に外食する時以外は全部自炊するようにしていた。「外国でその土地の食事を」なんていうことに興味がなければ、スーパーで食材を買って自炊したほうが安く合理的だ。食費はめちゃくちゃ浮いた。スーパーなんかが無い国や、外食・露店で買ったほうが安い国もあるから必ずしもこういうのが主流というわけではない。タイなんかではホステルにキッチンもない。道端で買ったものを食べていた。モロッコでも露店でパンやよくわからない食べ物を買って食べていた。

元々自炊する習慣がなかったこともあり、さらに「海外旅行では現地の食事を」という固定観念に縛られていたから外食ばかりしていたのだろう。そういうのはすごく無駄だった。旅費とか気にしなくていい人や食事にこだわりたい人はその限りではない。でもこういった自炊しながらの旅行があるということ自体、僕にとっては意外だった。

他にも意外とクレジットカードが普及していないとか、探せばいろいろあると思う。とりあえず今回はこの5つをまとめた。ここに挙げた内容のほとんどは旅行記などで既に挙げていたから、既視感あった人もいるかもしれない。異論や反論、他にもこういうのがあるといった意見があれば教えて欲しい。