非モテとセックスの話など

はてなブックマークを作った人が話題になっているが、それはともかく、モテや恋愛にまつわる自分のエントリーを読み返していて、抜け落ちている部分を補完する意味で、セックスについての態度を思い返してみたいと思う。

彼女としかしない

僕のセックスにまつわる態度は一貫している。彼女がいれば、彼女としかしない。と言うかそもそもする機会がない。放っておいても女の人が寄ってくるようなかっこいい人はともかく、僕みたいな人間は日常においてそうそうセックスの機会に巡り合うことなんて無い。だから、彼女がいるんだったら彼女としていればいい。モテない人間が彼女いるのにあえて他に手を出そうなんて、そりゃあ性欲あふれすぎでしょう。そんな人もいるかもしれないが、僕自身は全然そんなことはない。せっかく付き合うに至った彼女をないがしろにして性欲を満たすためだけに別の人とセックスするなんて、失うもののほうが大きくて非効率、割高と考えてしまう。万が一そういう機会があったとしても、そこまでの関係に持っていかないだろう。

彼女いないときは

次は彼女いないときのセックスに対する態度。まあ、基本的に彼女いない。彼女いない時期の方が圧倒的に長い。デフォルト状態が彼女いないと考えてもいい。では彼女いないときはどうかというと、やはりセックスの機会自体がほとんどない。僕自身はモテるスペックではない(見た目、地位、メンタル、あらゆる面で)。さらにナンパとか口説いたりとかアピールとかそういう努力を全くしないと言っていい。だから彼女がいなければ3年ぐらいしないこともザラにある。しかしそれでも、付き合っていない人とのセックスの機会というわけのわからないことが、極稀にある。そのときは乗っかる。機会には乗っかる。別に何の気兼ねもない。だって彼女いないんだから。旅行するようにセックスする。いやほんとそんな偶然は数えるほどしか無いから、何がそういうきっかけを生んだのかも理解できない。奇跡と言える。

避妊について

ここもほぼ一貫している。若気の至りで避妊しないセックスも2回ぐらいはあった。それ以外は全て避妊していた。コンドームを付けないピルによる避妊というのも何度かあったが、数えるほどでそれ以外は全てコンドームを付けていた(付き合っていた人の一人で、コンドームが痛いという人がいたから)。コンドームに関しては、ちょっとしたトラウマがある。いわゆる「こないの」だ。18歳ぐらいのときにそれがあった。超絶あせった。でもまあしょうがないかと腹をくくってもいた。結局ただ遅れているだけだった。それ以来、コンドーム無しでのセックスは無理になった。メンタル的に。「堕ろせばいいじゃん」なんて非人道的な態度はなかなか取れない。

性欲減退

25歳を越えたあたりから、目に見えて性欲が減退した。いわゆる、立たなくなった。自分にこういう日が来ることは予想していなかったぐらい、自分は依存体質だった。ドーパミン依存である。彼女がいるときは、会うたびにセックスしていた。これは一部の男性において顕著な例だと思うが、それ以外のことは考えられない。普通のデートとかした後の締めとして必ずセックスを要求していた。あからさまに。何と言うか「味をしめた」という具合にセックスのために会っていた。でも今となってはそんな気力も体力もない。最後に彼女がいたのは2013年で、その頃はもう既に、会うたびにやっていなかった。それからずっと付き合うことはなく、付き合っていない人とのセックスについても数えるほどしか無い。セックスすることがあるとしたら、大前提として「相手が望むなら」。性欲が全くなくなったわけでじゃないし、いまだにオナニーもするが、それでもセックスに向けての態度は極めて落ち着いてしまった。だから30を越えていまだに血気盛んな人とかを見ると、ある意味羨ましくも感じる。

風俗など

お金を払ってそういう機会を得たことが全く無いかというと、嘘になる。今まで3回ぐらいあった。それもやっぱり血気盛んな若い頃だ。今まで女の人と話した限り、女性はこういう風俗に類するものに対して極端な嫌悪感を持っていた。そのことを話すと汚物を見るような目で見られる。ただ逆に、女性用の風俗があったら利用していたという声も何度かは聞いたことがある。彼女らはそんな便利がものがあれば利用するし、男性向けの風俗を否定する気にはなれないと言っていた。この差は性欲の差にある。女性においても極稀に性欲の強い人がいて、そういう人からは同意をもらえる。男女の性欲の差は、身体の構造の違いだという意見が『1Q84』などに書かれていて、精子を作る数と卵子を作る数が圧倒的に違うことから来ているんじゃないかということだった。ただ僕自身はと言うと、男性のうちでもそんなに利用していないほうだから、性欲が強いとは言えないんじゃないかと思う。特に今みたいにお酒を飲んでしまえば全くそういう気は起きない。

冒頭の話

ついでに冒頭の話をちょっとだけ考えてみたい。一般的な意見としては、「性欲が悪い」「奥さんかわいそう」「メンヘラ怖い」「リベンジポルノひどい」などなどがあった。これらの意見は正確だろうか。本当に性欲は悪くて、奥さんはかわいそうで、メンヘラは怖くて、リベンジポルノひどいのだろうか。順番に見ていく。

まず初めの「性欲が悪い」と非難している意見、これに対して「同じ状況で断れるやつだけが批判しろ」といった反論もあった。僕はこの論法はあまり意味がないと思う。同じ状況なんて存在しないし、口だけではなんとでも言えるから。だから、自分だったらどうするか、なんて考えても仮説の域を出ない。ざっと見た限りでは、当事者は共依存の関係にあったと思う。健康な状態ではない。だから、健康な状態でできた判断は効かなかったように思う。そこに陥るまでの最初の判断は、性欲だったかもしれないし軽い出来心、遊びの範疇だったかもしれない。その部分を批判するとしたら、次の「奥さんかわいそう」に至る。

奥さんのことはよくわからないし、かわいそうなのかもしれないが、この話題にはどうしても含まれてしまう。これも憶測の域を出ないけれど、不倫に至る余地のある夫婦関係だったのかもしれない。「奥さんにも責任がある」なんて全く言うつもりはないが、事故のようなものだったかもしれなし、これから修復していけばいいものかもしれなし、いずれにせよ部外者がどうこう言う立場でないことは明確だが、申し訳ないが思考実験の材料にさせてもらっている。仮に奥さんがある程度許容していたとすれば、「奥さんかわいそう」は当てはまらない。奥さんがかわいそうでなければ、「性欲が悪い」も当てはまらない。こんな相手を結婚相手に選んだ奥さんが悪いのだろうか?そのあたりは奥さんがどう考えるか次第だ。

個人的にはこの話の前提となっている結婚そのものに疑問を持っているから、結婚なんてなければ話題は病理とその対処だけに落ち着く。今回の件は堕胎などもあり、不幸と言える部分があった。このあたりも周りの見方よりは当事者がどう考えるか次第なんだけど、次の「メンヘラ怖い」「リベンジポルノひどい」はセットで考えることができるだろう。つまり、病気だか人格障害だか知らないが、そういったものへの対処が今回の結果に陥ったように見える。これが素人の生兵法だったのか、単なる痴情のもつれなのか、医学的見地を持たない僕にははっきりしたことが言えない。最初に医者に見せるべきだったのか、相手が原因なのか、病理なのか、病理につけこんだのが原因なのか、どこまでだったら「別にいいんじゃない?」と許容できるのか。今回の件が刑事的な罪に問われるかどうかは被害者次第で、判断できない状態だと認められたら罪にも問われないかもしれない。このへんもよくわからない。社会的制裁なんて必要?