twitter語ではない。twi語という言語を学んでいる。twi語について日本語でまとめた文章がネット上に全然なく、英語ベースでやっている。もっと探せばあるのかもしれないが、自分で作ったメモ程度のものを公開しておこうと思った。
twi語、akan語、現地ではチーとかチュイとか言われている。難しいようで簡単なようで難しい。学んで4日ぐらいしか経っていないが、その文法体系とか謎な部分がある。ここではそういったtwi関連の小話だけでなく、よく使う言葉の辞書的な一覧や、学ぶにあたって参考にしたURLなどを書き記したい。twiは話し言葉であり書き言葉ではないため、ネイティブでもスペルがわからないということがよくある。また、僕が英語ベースで学んでいるということもあり、若干ニュアンスを理解できていない部分も多い。完全な資料からはほど遠いが、自分が知った範囲のことを書き残しておく。
挨拶
まずは基本的な挨拶から。twiの挨拶は、我々日本語の挨拶とは少し違う。
Maakye(マーチェ:おはよう)
と聞かれたら
→ Yaa agya(ヤーアジャ)
と返す。おはように対しておはようではないのだ。これは目上の男性に対する返答例であり、相手が女性なら
Yaa ɛna(ヤーエナ)
友達など対等の間柄であれば
Yaa anua(ヤーアニュア)
と返す。
Maaha(マーハ:こんにちは)
Maadwo(マージョ:こんばんは)
に対しても全て同じYaa agya(ヤーアジャ)、Yaa ɛna(ヤーエナ)、Yaa anua(ヤーアニュア)が使える。ちなみに英語の Hello や Hi のような、カジュアルにどの時間帯でも使える便利な挨拶は聞いたことがない。
こんにちは、こんばんはに続いてよく使われるのが、
Akwaaba(アクワーバ:ようこそ)
である。これに対しても先程と同様にYaa agya(ヤーアジャ)、Yaa ɛna(ヤーエナ)、Yaa anua(ヤーアヌア)が使えるほか、
→ Me daase(メ ダーセ:ありがとう)
という返答も可能だ。
おはよう、こんにちは、ようこそ、ありがとうときたところで続いて
Wo ho te sɛn?(オ ホ テ セン:調子はどう?)
これは英語で言うところの How're you? にあたり、そんじょそこらで毎日聞かれまくる。そして How're you? が How's it going? や How're you doing? といったバリエーションがあるように、
Wo ho yɛ?(オ ホ イェ:元気?)
と聞かれることも多い。
Ɛ te sɛn?(エ テ セン:どうよ?)
ぐらいで聞かれることもある。これらには
→ Me ho yɛ(メ ホ イェ:元気)
と応える。最後のƐ te sɛn?(エテセン:どうよ?)に対してはƐyɛ(エイェ:オーケー)だけでもいい。そのまま英語的に聞き返すのも一般的で、
Na wo nsoɛ?(ナ オ ンソエ:あなたはどう?)
といった How about you? にあたる返しがある。これに対しては
→ Me nso me ho yɛ(メ ンソ メ ホ イェ:私も元気)
というような I'm also good にあたる言葉がある。基本的には wo(オ:あなた)で聞かれてme(メ:わたし) で返すという単純な形だが、ɛがあちこちついたりつかなかったりしてややこしい。
Wo(オ:あなた)
me(メ:わたし)
ho(ホ:そこ)
te(テ:住む)
sɛn(セン:どう?,how)
yɛ(イェ:良い)
na(ナ:それで,and)
nso(ンソ:も,also)
食べる
di(ディ)という言葉がある。「食べる」という意味の動詞なんだけど、twiではこの「食べる」という動作に重きを置いているようで、何でもかんでも di「食べる」を流用してしまっていたりする。
例えば、Me di kan(メ ディ カン) という言葉を直訳すると「自分が最初に食べる」という意味になるんだけど「先に行ってるよ」というような意味合いで使われる。他にも
Wo ba aha akye?(オ バ アハ アチェ:ここに来てどれくらい?)
という質問に対して
→ Me di bosome(メ ディ ボソメ:1ヶ月)
というまたしても di「食べる」という動詞を用いる。bosomeは1ヶ月という意味で、直訳すれば「私は一ヶ月食べた」 という文章になる。なんでもかんでも食べるで表現するのだ。
挨拶にも食べることが用いられる。
Woadidi? (ウォッァディディ:飯食った?)
という定番の挨拶は、ごきげんいかが?といった具合に聞かれる。この文化圏は人生において食うことに重きを置いているのだ。自分が飯を食っているときに人が通りかかると、
Bra bɛ didi(ブラ べ ディディ:一緒に食おうぜ)
と誘うのが礼儀だそうだ。しかも誘われたら断るのが礼儀でわけがわからん。さらに言うと、こっちの人たちはあまり飯を一緒に食ったりする習慣がないから謎だ。外食のことはよく知らないが、自宅での食事はみんなバラバラに食べている。お父さんは食卓で、母親はキッチンで、子供は床で食べてるのが日常風景なのだ。
食べることに重きをおいていながら、飯を一緒に食う習慣はない。なんと異文化なのだろうか。ちなみに飯の量は多い。めちゃくちゃ多い。いくら減らしてくれと言ってもたくさん出てくる。
kan(カン:最初)※kaneかもしれない
aha(アハ:ここ)
akye(アチェ:長さ)
ba(バ:来た)
di(ディ:食べる)
bra(ブラ:来る)※来ると来たで動詞が変わる。動作主の違い
食べ物
このあたりのローカルフードはバリエーションが少ない。ローカルフードとはそもそもバリエーションが少ないのかもしれない。一週間も経てば同じメニューが戻ってくる。少ないとは言っても主食は5つぐらいあり、日本で馴染みがないのはフフ、バンクーという餅みたいなやつ、ヤムイモ、プランテーンという味がないバナナがある。
米も普通に食われているが、米は輸入品であってローカルフードではないと言われる。バリエーション多いじゃねえかと思われるかもしれない。米の調理方法もフライドライス、おかゆ、ワチェという赤飯みたいなものなど、たくさんあるっちゃあある。
ではなぜ我々はこんなにも豊かなローカルフードを前にして「バリエーションが少ない」などと思うのか。それは我々が様々な国の食事を食べることに慣れているからだ。インドカレー、イタリアン、中華、和食、フレンチ、スパニッシュ、ハンバーガー、ソーセージ、タイ料理、こんなに選択肢が豊富な中で、一つの文化圏の食事だけ食べていればそりゃあバリエーションが少ないと感じてしまうだろう。和食は元々バリエーションが多すぎる。
To aduani mame(ト アデュアニ マメ:私に食べ物を買ってくれ)
aduani(アデュアニ:食べ物)
とりあえずここではよく出てくる食べ物や食材を挙げていく。
aburoo(アブロ:メイズ)
fufu(フフ)
borɔdeɛ(ボディエ:プランテーン)
bayerɛ(バヤレ:ヤムイモ)
ampesi(アンペシ:調理されたヤムやプランテーン)
bankye(バンチェ:キャッサバ)
kwadu(クワデュ:バナナ)
ntoosi(ントーシ:トマト)
mɛko(メコ:とうがらし)
gyeine(ジェイネ:玉ねぎ)
nkuruma(ンクルマ:オクラ)
abɛ(アベ:やし)
nkatie(ンカティエ:グラノーラ)
nkwan(ンクワン:スープ)
ɛnam(エナン:肉、魚)
akoko(アココ:鶏)→ akokonam(アココナン:鶏肉)
aponkye(アポンチェ:ヤギ)→ aponkyenam(アポンチェナン:ヤギ肉)
曜日
twiにおいて曜日が重要視されるのは基礎中の基礎であり、この程度の内容なら既にどこを探しても見つかる。おわかりの通りtwiはほぼローマ字読みそのままだから、発音に困ることもあまりない。それでは曜日について触れてみよう。
twi語圏では、自分の生まれた曜日が名前になる。しかし曜日なんて7つしかない。7つしか名前のバリエーションがないとなると、名前を呼べば振り返る人が多すぎて大変なことになる。だから、ではないかもしれないが、クリスチャンが多いため曜日名以外にクリスチャンネームを持っていたり、別の現地語名も持っている人も多い。
誰でも知っている曜日名の代表が、元国連事務総長のコフィ・アナンだ。このKofiという名前がEfiada(金曜日)に生まれた男児という意味にあたる。この習慣は何も、twi語圏に限ったものではない。他の言語圏でも見られ、アフリカの他の地域でも曜日名の習慣はあるようだ。
とにかく彼らは曜日を大事にする。自分が生まれた曜日なんて、僕ら日本人は普通知らない。だからネットで調べた。
僕が生まれたのは火曜日、火曜日の男児はKwabena。自己紹介をするときに、自分の名前の後に曜日名を添えるだけで、ローカルに一歩近づけます。
Ɛdwoada(エデュアダ:月曜日) - Kwadwo(男児) / Adwoa(女児)
Ɛbeneda(エベネダ:火曜日) - Kwabena / Abanea
Wukuada(ウクアダ:水曜日) - Kwaku / Akuwa
Yawoda(ヤオダ:木曜日) - Yaw / Yaa
Efiada(エフィアダ:金曜日) - Kofi / Afia
Memeneda(メメネダ:土曜日) - Kwame / Ama
Kwasiada(クワシアダ:日曜日) - Kwasi / Akosua
最後の da が「日」という意味で英語で言うところの day にあたる。ちなみに da には「寝る」という意味もある。
ついでに僕ら黒人以外の人間は白人もアジア人もまとめてObroni(オブロニ)と呼ばれる。そしてObroniを呼ぶときの名前というのが Akwasi Broni(アクワシブロニ)と勝手に日曜日を割り当てられるそうだ。日曜日は特別な日だからだって。
疑問文
言語の基本は会話である。いくら単語を覚えたって会話にはならない。そういうわけで、実際に会話をするにあたっての例文を見ていこう。
Wo kɔ hɛ?(オ コ ヘ:どこへ行くの?)
冒頭の挨拶にも出てきたように、wɔはあなた、そしてkɔは行くという動詞、hɛはどこ?という疑問詞にあたる。このようにtwiでは疑問詞が最後に来る。英語とも日本語とも違う珍しい形だ。これに対しての回答は
→ Me kɔ sukuu(メ コ スクー:学校へ行くところ)
というように、 Wo(オ:あなた)に対して me(メ:わたし) で答えるという基本は変わらない。もちろん sukuu と行き先だけ答えても通じる。
Wo te hɛ?(オ テ ヘ:どこに住んでるの?)
→ Me te krom(メ テ クロム:町に住んでる)
krom(クロム:町) というのは車が通っていたり店があったりする場所を指すそうで、住宅が並んでいるだけでは町と呼べないそうだ。
te(テ:住む)という言葉は挨拶の Wo ho te sɛn?(オ ホ テ セン:調子はどう?)にも出てきた。この挨拶に含まれる ho は実は(そこ)という意味らしく、Wo ho te sɛn? の本来の意味は「住心地はどう?」といった内容になる。
Wo din de sɛn?(ウ ディン デ セン:名前は?)
→ Me din de Kawazoi Kwabena(メ ディン デ カワゾイ クワベナ:名前は川添クワベナです)
din は名前だがこの de とか bɛ とかはよくわからない。
Wo adi enfie sɛn?(オ アディ エンフィエ セン:いくつ?)
→ Medi nfie Aduonu num(メディンフィエアデュオヌン:25歳)
数字の数え方については長いので省略。ここに出てくる adi enfieも調べたが出てこなかった。僕は25歳ではない。
Wo fri hɛ?(オ フリ ヘ:どこ出身?)
→ Me fri Japan(メ フリ ジャパン:日本から来たよ)
これは単純だがよく聞かれるので覚えておく価値はある。自分から言ってもいい。
Wo yɛ adwuma bɛn?(オ イェ アデュマ ベン:仕事は何してる?)
→ Me yɛ polisini(メ イェ ポリシニ:警官やってる)
この yɛ(イェ:する)という動詞は頻出する。また、「良い」とか「私たち」という別の意味も持っていたりするから文脈で判断するしかない。ɛyɛとか先頭にɛが付くパターンもあってどういうときなのかわけわからん。単独で使うときや文頭に来るときとか言われたっけ。
頻出単語
だんだん訳わからなくなってきたので、今まで出てきた単語も含めた頻出語を以下にまとめる。
動詞
kɔ(コ:行く)
te(テ:住む)
yɛ(イェ:する)※良いという意味もある
ba(バ:来た)※子供という名詞の意味もある
di(ディ:食べる)
bra(ブラ:来る)
tɔ(ト:買う)
pɛ(ペ:好き)
疑問詞
bɛn(ベン:どれ?,which)
dɛn(デン:何?,what)※bɛnとの使い分けはよくわからない
sɛn(セン:どう?,how)
hɛ(ヘ:どこ?,where)
名詞
sukuu(スクー:学校)
krom(クロム:町)
da(ダ:日)※「寝る」という動詞の意味もある
din(ディン:名前)
aduani(アデュアニ:食べ物)
adwuma(アデュマ:仕事)
dwom(ジョン:市場)
他
aha(アハ:ここ)
ho(ホ:そこ)
aane(アーネ:はい)
dabi(ダービ:いいえ)
参考資料
LEARNAKAN | Read, Write, Speak Akan With Effective Online Twi Lessons