体調崩して3日目

いまだに微熱が残っている。咳も多く痰も絡む。しかし昨日のような38度超えはいまのところない。少しずつマシになっているのだろうか。

おとついに高熱が出て、解熱剤を飲むと下がり、薬が切れるとまた上がった。高熱が出ると、4月に死んだ父のことを思い出す。父の最初の兆候が、何をどうしても熱が下がらないことだった。大学病院に入院してもその状態がしばらく続き、面会のときも40度以上の熱を出していた。その後腫瘍熱を抑える薬を用いたことで熱は下がり、少なくとも高熱で苦しむ姿は見なくなった。

薬を飲んで、食事を摂って、安静にしていても体調が戻らない。ただ高熱というだけで、父親の苦しみを追体験している気分になる。今は比較的落ち着いているものの、今日もまた高熱が出たらどうしようか。3日続くだけで体力が奪われていっているのがわかる。

2回目のワクチンのときも4日ほど寝込んで立ち直れなかった。子供の頃から風邪をひいて、翌日にすぐ全快するなんてことは滅多になかった。だいたい一週間は引きずっていた。体質が、虚弱なんだな。今回の夏風邪は、夜にエアコンと扇風機をつけたまま布団もろくにかけずに寝ていたせいだと思う。咳と肺の痛みに焦って、診療所で抗原体検査を受けたら陰性だった。既に症状があるときは、抗原体検査も精度が高いらしい。

父親も当初高熱があったから、病院にかかるたびにPCR検査を受けていた。一度も陽性にはならなかった。退院後には、3回目のワクチンも打っていた。コロナは結局父の死と全然関係なかった。僕の症状とも関係ないようだ。

父はヤフオクに骨董品を出品していた。退院してからも身動きとれなかった父の代わりに、落札された商品を梱包して、何度か郵便局に持っていった。自分で行こうとするのを制して、代わりにやった。

僕もヤフオクに出していたものが日曜日に落札され、昨日解熱剤を飲んで熱が下がったタイミングで、梱包して郵便局へ持っていった。顔中に汗をかいた。

父親の病気が発覚する前、立ちくらみがして休憩したことがあった。そのときに滝のような汗をかいていたと、後から知らされた。それは病気がわかる2週間ほど前のことだったけれど、その時点で検査をしていたとしても結果は変わらなかっただろう。

父の病気については、後悔のしようがないぐらいどうしようもなかった。あのときあーしてれば、というのは全然ない。例えば、入院させてあらゆる検査を受けて抗がん剤を投与して体力を消耗して、寿命を縮めたかというと、結果的にはあまり変わらなかったと思う。入院したことで原因がわかり、心の準備ができたことの方が大きかったんじゃないか。あのまま入院していなければ、どこかのタイミングで急死していただろう。そういうことが、自分がささやかな苦しみを味わっている渦中で、思い浮かんでくる。

心身の疲れが溜まって、今寝込んでいるのかもしれない。自覚はなかったけれど人にそう言われ、そうかもしれないと思った。メンタルが弱く、体が弱く、すぐに体調に反映される。今年はずっと無理をしていた。それが今体調を崩す原因になっていてもおかしくはない。自分の場合、泣いたり落ち込んだりするだけで治まらず、すぐ体に不調をきたしてしまう。熱が3日続くぐらいは、そう大したことでもない。

ただこの3日間、急を要すること以外は全然何もする気が起こらなかった。寝込んでただじっとしているだけ。本もNetflixも全然見ていない。父親は入院中にやることがなさすぎて、ずっと本を読んだりマンガを読んでいた。自宅療養に切り替わっても、Netflixを見たりゴルゴ13を読んだりしていた。

自分には今その気力がない。長く続くとそうなるのかもしれない。今こうやって日記が書けているから、今日できっと回復する。