黒を買うようになった

かつて黒ずくめとか、全身黒コーデは、何を着ていいかわからないけどカッコつけたいオタクファッションの象徴だった。黒と言えばダークヒーロー、殺し屋っぽい、とか、少なくとも僕はそういう認識を持っていた。だから黒は避けがちだった。妙に意識していたのか、周りにそういう人がいて引いていたのか、特に学生の頃は「黒一色=イタい」という認識が僕の中にはあった。そういう時代だったのかもしれない。

黒一色とまではいかずとも、黒は避けがちだった。服だけでなく靴、鞄、持ち物など、黒は難しいと思っていた。それがここ数年になって、ようやくその呪縛から解き放たれた。今年の夏は全身黒コーデ、黒一色だった。

最近は靴や鞄も黒を買うようになった。理由の一つとしては、フォーマルが求められるようになったから。そういうときに、何か凝ったことをするのは難しいしめんどくさい。だから僕は結婚式も葬式もだいたい同じ黒のスーツと革靴で臨んでいる。これが一番楽で簡単で手っ取り早い。何も考えなくていい。

そういうときに持っていけるものとして、黒の鞄やコート、時計があると重宝する。選ぶ手間が省けるし、合わせる物がない!と慌てふためくこともなくなる。そうなるともう普段から黒でいいやとなってきた。黒が意外と場所であったり状況を選ばない。そういうわけで身の回りの物が黒一色になってきた。

黒の難点は暑いことと重いことなので、形や素材はちゃんと選んだほうがいいと思います。

写真は大阪道頓堀。2022年。