ワーキングホリデーで海外在住と言っても、その大半が大学生だったりこっちで英語の習得に精を出したりバイトしたり、中には遊んでばかりいる人もいるが、キャリアアップや目指す未来へ向けて真面目に勉強したり働いている人も多い。一方僕はというと、金が無いから遊びこそしていないものの、勉強もろくにせず働いてもいない。毎日何もせず、カフェへ行ったり買い物をしたり図書館でネットを利用していたり夏は毎日ビール飲んでいたし、タバコを吸ったり、たまには旅行したり、まさに人生のバカンスを満喫している。
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ちょうど大学生の頃もそんな感じだった。ろくに受験勉強もしなかったくせにプレッシャーだけは感じていて、かろうじて受かった大学は頭の悪い学校だったため単位を取るのも楽勝だった。バイトはしていたが金がなかったため、毎日ダラダラと生活していた。サークルに入ったりはしなかったが彼女がいて、毎日バイクに乗って出かけたりもしていた。4年まるまるこんな感じだったわけではないけれど、それでも僕は遊んでいなかったほうだと思う。そもそも僕は遊ぶのが苦手で全然楽しくないからそれは別によかった。
自分でもダメな大人だなあと思う。誰かに迷惑こそかけていないものの、最底辺の部類に入る。こんな生活がいつまでも続くわけないことはわかっているし、そういう意味で先行きの不安が無いといえば嘘になる。自ら身を滅ぼしていると言える。このままでいいのだろうか?良いも悪いもない。それもまた人生だと思う。真面目にコツコツ必死で働いて、結婚して子供を授かり、家庭を築くのが人生の一つの形であるように、何もせず日々をただダラダラと過ごして野垂れ死ぬだけというのもまた人生だろう。どちらがいいか、どれを選ぶかもまた人それぞれだ。僕はただ選ぶことができなかったというだけで。
社会人の頃はどうだったかというと、僕は一つの会社に約6年勤めた。長いとも言えるし短いとも言える。社会人1年目2年目ぐらいまではそこそこ充実していたように見えたものの、不況の煽りやそれに伴う会社体制の変化もあってか、徐々にボロが出てきた。ボロが出てきたのは僕の方だ。不適合だった。僕が会社を辞めた経緯についてはそれこそ飽きるほど書いた。今のところ、人生の転機というのは中学で理系を選択したことと、この会社を辞めたという部分になる。どちらもダメな方へと進んだ。
このワーキングホリデーという形式であれば、30歳までで貯金もあるならば、誰でもバカンスを味わうことができる。別に外国へ行く必要はないが、日本とその生活、取り巻く人々、環境に距離を置くことができる。その間にどうするかも自由だ。英語の習得や経験値の向上など、未来の為に努力する人も多い。こちらで関係を築き、土台を作り上げて新たな生活の拠点とする人もいる。でもそれが全てではない。僕みたいに終わっている人間だっていくらか存在する。そう、終わっているのだ。僕の人生は既に終わっている。僕は人生を挽回するために日本を出たわけではない。この先何があろうと、どうにもならない。それはバカンスじゃないと言ったって、他に言いようがない。僕は楽になれた。