「ドラゴン・タトゥーの女」感想・評価

今までこのブログでも何度か触れてきた映画「ドラゴン・タトゥーの女」について今更ながら書こうと思う。2011年に公開された映画で、監督はデヴィッド・フィンチャー。セブンやファイトクラブ、ソーシャルネットワークなどが代表作の人。これらは偶然全部見ている。主演はジェームズ・ボンドで話題になったダニエル・クレイグ。実はこの人、ミュンヘンオリンピック事件に対してイスラエルのモサドがブラック・セプテンバーに報復する実話を扱った、ミュンヘンという映画にも出ていた。それはいいとして、もう一人の主演、女優のほうがルーニー・マーラ。最近見た映画のherにも出ていた。他にはソーシャルネットワークのエリカ役をやっていた。

 

ミレニアム

映画はスウェーデンでベストセラーになった小説「ミレニアム」シリーズの第1部を原作として作られている。ミレニアムはスウェーデンのジャーナリストの話で、「ミレニアム」という名前はその独立系の出版社と報道雑誌の名前。その経営者兼ジャーナリストであるミカエル・ブルムクヴィストをダニエル・クレイグが演じている。これは本当にはまり役だった。物語はミカエルがヘンリック・ヴァンゲルという大企業グループの会長をしていた男からある調査を依頼されるところから始まる。

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ドラゴン・タトゥーの女

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そして、タイトルにもなっているドラゴン・タトゥーの女。彼女をルーニー・マーラが演じてる。この映画以外でルーニー・マーラを知っている人がいれば、その変貌ぶりに驚く。めちゃくちゃかっこいいのだ。見た目から演技まで。むしろ僕はこの映画以外での彼女の印象があまりない。小説よりやや大人しい雰囲気があるものの、それがまた良かったりする。ドラゴン・タトゥーの女こと、リスベット・サランデルは探偵会社のようなところで違法調査を専門に扱う調査員をしている。あるきっかけでミカエルの仕事、つまりヘンリック・ヴァンゲルから依頼された調査を手伝うことになる。ちなみにこの映画や原作の小説上で彼女が「ドラゴン・タトゥーの女」と呼ばれることはない。

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普段のルーニー・マーラ

失踪事件の調査を請け負う

映画自体はミステリー・サスペンスというジャンルになるのだろうか。同監督のセブンと同系統になる。ミカエルがヘンリックから依頼された調査は、40年前に失踪した親族の娘、ハリエットの捜索だった。変わった依頼ではあったが、ミカエルはちょうど自身が追っていたスクープでフェイクを掴まされ有罪になっていたところで、本業を休みつつ引き受けることとなった。警察やヘンリックが40年間追い続けていた事件を、違った目線で一から洗い直す調査にとりかかる。リスベットが直接絡んでくるのはもう少し後だ。これ以上は映画の内容を言わないようにしよう。気になったら見てください。

ロケ地、スウェーデン

この映画はロケもスウェーデンで行われているらしい。原作がスウェーデンの小説でその雰囲気を全面的に押し出すために監督が現地ロケを選んだそうだ。ストックホルムとヘーデスタという街が主な舞台となるが、ヘーデスタの極寒ぶりなどは映画を見たら一度行ってみたくなる。それぐらいにやはり、風景がよい。ストックホルムの街や建物の内装、家具などもよい。ちなみにIKEAはスウェーデンの家具ブランドで、値段が安いから向こうでは日本で言うニトリ的な扱いを受けている描写が原作にある。

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ストックホルムの街並み

感想

正直なところ、ストーリーがめちゃくちゃ面白いかというとそこまでではない。もっと名作はいくらでもある。演技がめちゃくちゃすごいかというと、そういう話でもない。映像や特撮がすごいかというと当然そういう映画ではない。ただこの映画はかっこいい。ミカエルのジャーナリストっぷりであったり(この映画では探偵みたいなことしかしないが)、何よりもルーニー・マーラ演じるリスベットがかっこいい。彼女は風貌の印象から受けるような強いヤンキー女みたいな役柄ではない。あと関係ないけれどこの映画に終始登場するMacがかっこいい。ミカエルもリスベットもMacBook Proを利用しており、Macユーザーであれば歓喜するし、MacユーザーでなければMacが欲しくなるだろう。ちなみに猟奇殺人とモザイク入りの性描写バリバリなのでご家族ではご覧にならないで下さい。

ドラゴン・タトゥーの女 (字幕版)

ドラゴン・タトゥーの女 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

原作小説「ミレニアム」

僕はこの映画を見た後に続きが知りたくなり、原作を全て買って読んだ。全6巻で(原作者が亡くなったためそれ以降はない)それぞれ2巻ずつが一つの物語となっている3部作だ。全てのシリーズにこのミカエルとリスベットが絡んでくるものの、彼らが実際に共同で仕事をするのは始まりの第1部のみ。2部以降は主にリスベットの人生に絡んだ物語となってくる。僕は全て読んだ中で一番面白かったのが2部だと思う。2部においてミカエルとリスベットは一度も会うことがないものの、共に同じ事件を追いかけ、別々に共闘する形をとることになる。続編の映画化が待ち遠しい。本当に映画化されるのか不安だ。ちなみに現地スウェーデン版の映画もあるんだけど、正直微妙だった。