以前に個人投資家に勧められた『億万長者を目指す バフェットの銘柄選択術』を読んだ。僕は億万長者など目指していないが「10年以上読み続けられている」と呼び声のある名著らしく、中古で買っても1200円以上する(定価1700円)。著者はウォーレン・バフェットの息子のかつての妻で、バフェットと今も親交のあるメアリー・バフェット。そして30年以上バフェットの友人であるポートフォリオ・マネジャーのデビッド・クラーク。
内容は世界最高の投資家ウォーレン・バフェットの、株の買い方。この本が他の本と違うところは、株本にありがちな経験談やインスピレーションではなく、具体的な指標を書いているところ。特にファンダメンタル分析に用いる計算式がやたら出てくる。飽くまでバフェットの指標ということで数学的な正しさを示すものではないが、過去にバフェットが購入した銘柄を指標と計算式を用いて実例検証している。
本の中にはいくつも計算式が出てくるんだけど、その都度「Excelにこうやって入力すれば1秒もかからない」といって式を書いてくれている。せっかくだから僕はその式をエクセルシートに落としてみた。具体的には本の第22章「バフェット流投資のためのワークシート」をエクセルに落とした。Q9のインフレ率とQ11の国債利回りのところは省いてあるので、必要なら自分で追加してください。
※即興で作ったものだから間違いがあるかもしれない
バフェット流の選び方・買い方
バフェットが見る指標というのは、この本によると基本的にEPS(一株あたり利益)とROE(自己資本利益率)に集中していた。見方としてはEPSの安定成長、高ROEの維持(米国水準だと15%以上)。その根拠が本の中でえんえんと述べられている。そしてバフェット流は過去10年にわたってその数値を検証し、企業判断を行う。
前段階として「市場独占型」「コモディティ型」の選別がある。ここは少し抽象的だが、4つの見分け方が記されている。バフェット流は「市場独占型」にしか投資しない。その理由も述べられている。
そしてもっとも重要だとされる部分は、バフェット流は「下げ場」でしか買わない。指標から優良企業だと判断できても、高値では買わない。相場全体の落ち込みや不景気、経営上の問題で値下がりするのをひたすら待つという買い方。
ワークシートの使い方
それらを全て踏まえ、ワークシートを順にたどっていけば「バフェット流で買い時」なのか判断できるようになっている。ワークシートの使い方は、太枠にデータを入力するだけ。過去10年間のデータは会社四季報に付属しているか、投資用データをストックしているサービスから拾ってくるか、各社IR情報から拾ってきてください。米国株ならMorningstarで結構見れた。他にもYahoo!ファイナンスから5年分ぐらいは拾ってこれた。
シートに詳細は記述していないので、内容をしっかり検証したい人は本を買いましょう。というか本を持っている人にしかこのシートは意味がない。うーんなんでこのエクセルがネットを探しても見当たらなかったのだろう。