前回の続き
泊まったところはエアコンつけっぱなしで寝苦しくなく快適だった。ただ、ひとつ驚いたのは、中国式のシャワーだった。「香港や中華圏では当たり前のスタイル」と言われたが、日本人にはなかなか受け入れがたいと思う。日本のアパートにはユニットバスという、トイレのすぐ隣にシャワーがあるタイプの風呂がある。あれも嫌いな人は多い。
僕自身もユニットバスは好きじゃなくて、風呂場とトイレをセットにしてしまう神経が理解できない。だって、トイレは臭いし汚いじゃないか。風呂場は身体をきれいにする場所なのに、すぐとなりに臭くて汚いトイレがあるなんて気分が悪い。しかし、中国式シャワーはそれの上を行くものだった。
いわゆる和式便所である。その上にフタが置いてある。その上に立ってシャワーを浴びる。つまり便所の上でシャワーを浴びるのが中国式だった。つらい。ホテルに泊まればこうではないと思うが、古くからある宿に泊まれば見かけるかもしれない。昔ながらの個人宅は今でも当たり前らしい。写真は撮っていない。
東洋一の電気街、深セン
気を取り直して香港2日目。朝早く起きたので、9時に出発して深センへ向かった。深センとはどんなところか、知っている人も多いと思う。中国の経済特区であり、国内第四の都市、深セン。そこで栄える産業は何と言ってもIT産業。
東洋のシリコンバレーと呼ばれ、世界のスマホ市場第3位のファーウェイ本社や、中国内のメッセージングアプリ、電子決済を一手に引き受けるWeChatのテンセント本社がある。そんな場所に20年前の秋葉原のように、電子部品やガジェットが集まっていると聞いた。しかも中国だから規模が比較にならないらしい。
そこへ何しに行くのかというと、ちょっとした見物。ここ数年深センを訪れる日本人も多く、話題になっているからついでに見ておこうと思っただけ。香港の隣だしね。
香港から深センへの行き方
深センへの行き方は事前にいろいろ調べていた。多分、市営のバスかなにかを乗り継げば一番安く行けるが、時間がかかりそうだったので普通に電車で行くことにした。
深センへの入り口となる駅は2つある。今回は羅湖(ローウー)駅へ向かう。ここから地下鉄に乗って5駅、华强路駅を降りたところにある華強北路がわかりやすい電気街だそうだ。羅湖へ向かうには東鉄線という路線に乗ればいい。東鉄線の始発駅である紅磡(ホンハム)駅へ向かった。
紅磡から羅湖へは片道38香港ドル(約550円)電車に乗ること45分で到着。終点駅だ。香港から深センへ入るにはイミグレーションを通らなければならない。
オレンジの入口へ向かい、パスポートチェックを受ける。ビザは事前に確認していた通り不要、特に訊かれることもなし。入国手続はだいたい30分で済んだ。
はい、ここが深セン側の羅湖駅。香港との違いはファッションやデザインのセンスだろうか。さて、ここから地下鉄に乗るにはまず、中国側の通貨である人民元が必要だ。駅には銀行や両替所、ATMなんかもあるが、実は昨日泊めてもらった人に100元だけ香港ドルと両替してもらっていた。
駅の改札口へ向かう。カスタマーサービスで100元を細かい通貨に両替してもらい、券売機で地下鉄のトークンを買う。料金は3元(約50円)と安い。中国は物価が高騰しているものの、交通費や電話代といった公共料金は安く据え置かれたままだ。
深センの地下鉄は駅も車両も新しくきれいだ
地下鉄に乗っていて気づいたのは、周りの中国人たちがみんなiPhoneを使っていること。見渡しただけで5人がiPhoneだ。経済特区だけあって金持ちが多いのだろうか、身なりも洗練された人が多い。中国と言えば格安スマホの印象だったが、現地の人たちは意外と利用していないのかもしれない。
華強北路
华强路駅で降りる。昨日に引き続き暑い。駅前に売店があったので、そこで肉まんを買った。英語は若干通じる。ミニ肉まん4つで5元(約83円)、物価は安くも高くもなく、香港とそれほど変わらない。ちなみに僕の前に買っていった現地の学生は、QRコードを読み込みWeChatペイメントで支払っていた。噂に聞く通り何でもかんでもアプリで決済が行われている。
牛肉とラー油の入った肉まん
さて、ここからどうするか。ネットの記事で読んでいた华强電子世界のビルに入った。
んーわけわかんない電子部品がいっぱい売られている。パソコンのディスプレイなんかもあったが、ほとんどは全くわからない。ハードのエンジニアでないとさっぱりなんじゃないか。
次に、向かいにある賽格電子市場へ入った。
薄暗い中でみなさん商売というより作業をされている。というのも店頭での販売よりネット通販のほうが活発らしくて、どの店の従業員もひたすら梱包をしている。ビニールテープを剥がすビリビリッっという音がフロアに響き渡っている。
ドローンのコーナーにたどりついた。いくつか値段を聞いてみたが、手乗りサイズのおもちゃが300元(約5,000円)とか、日本で買うのと値段は変わらない。ちなみにどの店も値札がかかっていないため、口頭で確認する必要がある。
賽格電子市場を出て他の建物を見て回ったり、街頭の販売を見る。OPPOやVIVOといった中国ブランドのスマートフォンを見ても、定価2,3万するものばかりで普通に高い。中華スマホの事情全然知らなかった。もう格安路線は外れているんだなー。探せば安い物も売っているみたいで、入念に見て回るかそれなりに下調べをして行けば掘り出し物に巡り会えるかもしれない。どうでもいいけどハンドスピナーが山ほど売っていた。
ドローン購入
このまま何も買わずに帰るのもどうかなーと思っていたところ、再び別のドローン売り場に来た。店員は英語を話し、その場で飛ばして見せてくれる。小さくてカメラがついているものを僕が指差し
「これはいくら?」
と訊ねたら
「680元(約11,300円)」
と言われた。うわーそれはないわー。
「500元(約8,300円)だったら買うよ」と言うと、500元!?と驚かれたが「上司に相談する」と言われた。まあ、それぐらいだったらいいかなと思っていたところ、
「上司からOKが出た」
と返ってきて買うことに。中国ではクレジットカードがあまり使えず、僕は500も現金を持っていなかったので近くのATMで現金を下ろし、ドローンを買ってしまったとさ!
120何グラムしかなく、日本のドローン規制には引っかからない
買い物が終わり、一息つく。深センの街は噂に聞く通り近代的で、WeChatペイメントでレンタル自転車が利用され、モーター付きのキックボードみたいなものに乗る人もよく見かける。未来都市と呼ぶは垢抜けない感じがいなめないが、現代のインフラを過去のものから移行することなく初めから導入し、便利な社会が築かれているんだなーと暑い中ボーッと考えていた。
次回、香港旅行記2日目②「香港人に聞く」
前回
格安旅行のまとめはこちら
旅行の荷物はこちら
とりあえずの写真はこちら