最近読んでいる本

最近「インドで考えたこと」を読んでいる。この本は著者がインドに行って、簡単に言えば文化の違いに圧倒されたということがつらつらと書いてある。そして我が日本を振り返ってみてどう思うか、まさに外から日本と、日本人と、客観視した本だと思う。それもアメリカやヨーロッパではなく、インドという客体のそばから、なるべくその目線を借りて、そこと比較して。

著者がインドで圧倒されたのは、人種の多様さ、気候の厳しさ、街の不整然さ、そこから生まれ、成り立ってきた人間たちと、生活。単に「文化の違い」では片付けられない壮大なものだった。これは本当に、日本に住む人は全員体感して日本に持ち帰って欲しいと思うやつだ。そして日本社会の秩序をぶち壊してほしい。

それは僕が伝統とか秩序をそんなに好ましく思っていない人間だから、そう思うのだろう。保守的な人はインドにいても日本人であり、同じ人間の営みとしてではなく、飽くまで外のこととしてインドを見る。そして日本に帰るとまた元の生活に戻る。むしろ日本の秩序をより守ろうとする。結局は経験、体感ではなく、思想の違いに落ち着く。そこはインドだからそうなのであって、インドの必然を日本に適用できない。そう考えるのが保守的な人。リベラルだったら、インドでできることは日本でもできる、ととらえるんじゃないか。

この本は1957年に発行されたものだけど、独立という言葉一つとっても日本とインドでは全然違うと書かれている。多言語、多人種、多宗教のインドにとって、独立とはindependeceではなくintegrationだと。日本で言うところの天下統一に近いが、インドには日本のような統一言語がない。言語形態も母語も全然違う人達が入り混じっている点において、日本の天下統一とは違った難しさがあるだろう。

どちらがいいというわけではないが、我々日本人は実際のところはインドで暮らすほうが大変だろうな。お金が有り余っていたとしても、日本で暮らすほうが楽に決まっている。インドはたまに行くぐらいが丁度いい。逆にお金が全然なかったらどうだろう。もしかするとインドのほうが暮らしやすい?すぐに死ぬだろうな。健康問題等で。シャンタラムを読んだ人なら誰でもインド生活に憧れる。

バンコクぐらいだったら住みたい。インドは、ずっと住むにはちょっと苛烈すぎる。1ヶ月ぐらいなら住みたい。やっぱり旅行が一番いい。バンコクは、イメージとしてはもうすっかり刺激がなくなってきたんじゃないか。僕らが求めているアジアの魔窟は、やはり統一前のサイゴンなのだ。ぜんぜん違う話になった。

そういう場所って今でもあるのだろうか?マニラあたりは、まだまだ結構そんな感じかもしれない。発展と無秩序の入り混じったような都市。香港もかつてそのイメージだった。やはり小さい街のほうがそれっぽいのか、ムンバイとなるとどっしり構えた大都会をイメージしてしまう。深センは全然違って、整った街だった。

インドで考えたこと (岩波新書)

インドで考えたこと (岩波新書)