レコードが所有欲を満たす場合

CD世代です。子供の頃、CDは高くてそんなに買えなかった。主にレンタルしてカセットに録音するか、中古CDを買っていた。高校に入りバイトするようになってから、徐々に新譜も買えるようになってきた。高校の同級生で、「CDは物として手に入れたい」と言っている人がいた。その人は言葉通り、たくさん買っていた。僕はそういう「物としての価値を手に入れる」というよりは、とにかくたくさんの音楽に触れたかった。だから買うよりレンタルしてデータとして取り込んで聞いた。ちょうどMP3が流行りだした頃だった。

自分の好きなもの、欲しいと思ったものを買いたい気持ちは、今だったらよくわかります。特に最近レコードを買うようになってから、なおさらその気持ちが強くなってきた。CDはデジタル音源であり、データや配信の音とそんなに変わらない。しかしレコードは物から直接出ている音であり、楽器の音を聞いているような、そういう物理的な実感がある。その音源を所有することには、CDとは何か違った別の喜びを感じる。

CDは、CDにしか収録されていない曲があったり、配信にないものがあり、それは物として所有する価値がある。また初回特典には、音源のみならずステッカーやポスターなど、配信やデータで得られない物も多い。

レコードにも初回特典はあった。レコードのサイズを生かしたそこそこ大きいポスターなどがある(帯なんかもよく言われるけど、僕はあまり価値がわからない)。それ以外に、限定盤がたくさんあることを知った。レコードの限定盤は、CDの特典とはまた別の所有欲を満たしてくれる。

ピクチャーヴァイナル

レコードの盤面は通常真っ黒なんだけど、ピクチャーヴァイナルは絵だったり写真がプリントされている。ただそれだけ。それだけなんだけど、黒いレコードが圧倒的に多い中で、ピクチャーヴァイナルはあまり見かけない。レギュラーではなく、限定盤で作られることがほとんどなんじゃないか。

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僕が今唯一持っているのが、うる星やつらのピクチャーヴァイナル。ファンクラブの歌だそうだ。これが欲しくて買ったわけではなく、買った中に紛れていた。

カラーヴァイナル

レコードの盤面は通常真っ黒なんだけど、カラーヴァイナルは色付き。クリアのものが多い。これも限定商品として作られることが多いけれど、ときどきレギュラーがカラーなこともある。一番多いのは赤盤と呼ばれるレッドヴァイナルで、クラシックなどでもよく見かける。何か意味があるんだろうか?中には帯電防止剤を含んだ物があり、静電気が起きにくい(ホコリがつきにくい、ノイズが出にくい)そうだ。

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こういうやつ。カラーヴァイナルはたくさん持っている。

重量盤

通常のレコード盤よりも厚く重いのが重量盤と言われる。だいたい180gと書いてある。これはちゃんと意味があるらしくて、重いほうが安定して音が良いそうだ。逆に原材料が高騰していた時期などに作られたレコードは薄く、音が悪いなんて話も聞いたことがある。オイルショックの頃かな。

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重量盤はたくさん出ている。こころなしか音がクリアな気もするけれど、そんなに耳が良いわけではない。

ハーフスピードマスタリング

ハーフスピードカッティングと書いてあることもある。レコード盤を削るときに通常の半分のスピードで行うそうだ。よくわからないけれど、音は確かにいい。これは僕の耳でもわかるぐらいはっきりと。きっと手間もかかっているから、数が出ていないんじゃないだろうか、どうなんだろう。見つけたら手に入れたい。

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唯一持っているのはこれ。重量盤よりさらに分厚い気がする。他にも Amy Winehouse の Frank がハーフスピードで出ていたから注文した。去年ボブ・マーリーが生誕75周年でたくさん出た。ローリング・ストーンズもたくさんある。日本のだと大滝詠一のロングバケーションが発売40周年で出た。大物の記念盤が多いようだ。

マスターサウンド

ハーフスピード以外にも様々なマスターサウンドがあるらしい。デジタル・マスタリング、デジタル・マスタリング45、デジタル・レコーディング、ダイレクト・ディスクなどなど、技術的なことはよくわからない。そのへんはお目にかかったことがないが、けっこうたくさんあるようだ。80年代からあり、人気があるものはけっこう高い。

Promo盤

見本盤とも言われる、非売品のレコード。新譜を手に入れることは難しいと思う。今でも流通してるのかな?古いレコードのPromo盤はネットなどでよく出回っている。Promo盤はただレアなだけでなく、初回プレスなため音がいいそうだ。僕の耳ではわからない。

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ラベルをよく見ると見本盤と印字されている。白いラベルが多い。買った中に偶然紛れていたものを数枚持っている。

買うべし

レコードには特典グッズだけでなく、明確に音が良いものがあったりして、音楽を聴いてちゃんと違いを楽しめる。そういう場合、ブツを手にしたときの満足度がより高い。音質どうこうは別として、数をたくさん作っていないレコードは、ナンバリングしていることも多い。そういうのも買ってしまう。こうやってどんどんブツが増えていくのだ。