魂のこもった作品、削った命に心を打たれる

日本語には真剣という言葉がある。本気とか真面目という意味だが、もう一つ「斬れる刀」という意味もある。真剣勝負とは、斬れる刀で行う勝負のことを言い、勝てば生き残るが、負ければ死ぬことを意味する。つまり真剣という言葉は元々から生き死にを意味する言葉だった。

現代社会を生きる上で、生き死にがかかった現場、すなわち真剣勝負を挑む機会はどれほどあるだろうか。戦争に出向く兵士はそうだろうし、戦場のジャーナリストもそうと言える。プーチン政権を批判して暗殺されたジャーナリストなんかもまさに、真剣勝負を挑んでいた。

局地探検家もそうかもしれない。暗殺されたキング牧師やガンジーといった運動家、ホーチミンやチェ・ゲバラのような革命家もそうだろう。死ぬか生きるか、やり遂げるかもしくは殺されるか。そういう死線をかいくぐることでしか、人間は成長できなかったり、偉業を成し遂げられなかったり、人の心を動かせなかったりするんじゃないだろうか。

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思い出のヴィレッジヴァンガード

僕らの10代はヴィレッジヴァンガードと共にあった(僕は20代後半まで続いた)。ドンキホーテよりも文化的意識が高く、ブックオフよりもオタク臭控え目の、規格化されたサブカル憧れが集う場所だった「遊べる本屋」ことヴィレッジヴァンガード。しかしもはや失墜してしまって久しい。

ヴィレッジヴァンガード、大赤字脱却なるか | 東洋経済オンライン

僕にとって決定的だったのは、2014年にヴィレッジヴァンガード京都北山店が閉店したことだった。僕にとってのヴィレッジヴァンガード=京都北山店だったと言ってもいいぐらい、付き合いが長かった。店員と面識があったりするわけではないが、実家から自転車で10分ぐらいの距離にあって一時期は毎週ぐらいの勢いで通っていた。

  • 京都北山店
  • 出会ったもの
    • ジャケ買い
    • 海外旅行への入り口
    • 海外文学・お香・雑貨
    • 買わなかったもの
  • さよならヴィレッジヴァンガード
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みんなどうでもいいことを大切にしている

他人のことなんて気にしなくていい、とは言うものの、他人と関わっていれば観点や常識の差異に戸惑う。それぞれ当たり前と思うものが違い、大事なものが違う。問題なのは違うことではなく、違うということが認識できていないこと。聞かされないとわからないのに、わからないことをさも当たり前に大切かのように人は言う。だって本人にとっては当たり前で大切だから、言うまでもないと思っている。そして、人の当たり前や大事なものを目のあたりにするたび面食らう。「そんなどうでもいいことが大事だったの?知らなかった」って。でもやっぱり僕にとってはどうでもいいし、めんどくさいから理由までは聞かない。理解しようとは思わない。

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人をバカにするのは差別行為

バカにされて怒る人のことがずっと理解できなかった。なんで

「バカにするなっ!」

というふうに怒るのだろうか。僕自身、誰かに対して

「バカにしないでください!」

というような怒り方はあまりしなかったような気がする。「バカにするな」とはあまり言わないか。同じような意味で

「そんな言い方ないでしょ?」

っていう返しがある。これもあまり使った覚えがない。

  • 言い返せばいい
  • バカにするということ
  • バカにするのは差別行為
  • 頭の良し悪し
  • 異なる段階の共存
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話が合わなくて困る

僕ぐらいの年齢の人がする話は大体が「結婚」「子供」「仕事」が第一であり、そういう人を目の前にすると話すことがない。「結婚」にも「子供」にも「仕事」にも縁がないからそういう話をされると「あーそうですか」と聞き流すしかなくなる。マジどうでもいいと思いながら(ブログでもそういう話題を扱っているものはまず読まないが、逆に「結婚」「子供」「仕事」に疑問を呈している話題なら読んでコメントすることも多い)。

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誰もが生きる意味を持てる世界へ、ザッカーバーグのハーバード卒業スピーチ

facebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグの、ハーバード卒業スピーチを今更ながら聞いた。イノベーターによる卒業スピーチと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、スティーヴ・ジョブズのスタンフォード大学スピーチ。同じIT起業家ということもあり、どうしてもマーク・ザッカーバーグのスピーチと比較してしまう。スティーヴ・ジョブズのスピーチ内容はあまり覚えていないけれど、個人の人生の歩み方について、自身の経験を踏まえ語ったような内容だった。今回のマーク・ザッカーバーグのスピーチも大学卒業後の生き方を説く内容ではあるんだけど、個人の生き方というよりはむしろ、社会に対する関わり方みたいな話だった。スピーチの内容について、ところどころ噛み砕いていきたい。

  • ミレニアル・ジェネレーション
  • ミレニアル世代の挑戦
  • 世の中を良くする大きなこと
  • 社会システムの再構築
  • ローカルをグローバルに
  • ザッカーバーグは問いかける
  • 私たちに何ができるか
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人と分かち合わない趣味

趣味は人と分かち合ってなんぼ、というものもあれば、一人だけで楽しむものもある。その対象と扱い方は人によって様々で、僕の場合たいていの趣味は一人だけで楽しむことに費やされる。ときどきは人と分かち合うこともある。人と映画の話をしたりマンガの話をしたり音楽の話をしたり「あれ知ってる、これ知ってる」だけで終わってしまうとすごくつまらないんだけど「どこが良い、ここはどう感じる、この部分をどう思う」といった中身に踏み込んでいけば話はおもしろくなる。趣味がコミュニケーションの媒体として機能する瞬間だ。

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NHK「明日世界が終わるとしても」を見た

3月15日と16日にNHKでやっていたドキュメンタリー番組「明日世界が終わるとしても」を見た。15日はヨルダンのシリア難民を5年間支援している37歳の男性の話、16日はルワンダ内戦の被害者・加害者に12年間付き添い、現地の大学で平和学を教えている50歳の男性の話だった。

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引越の季節、部屋探しに迷っているあなたへ

引越しシーズンも間近に迫ってきましたね。ここでは学生や新入社員などが住む、単身向けのワンルームマンションについて、以前に賃貸マンションの管理会社で働いていた人間から「部屋探しのポイント」をつらつらと述べてみたいと思います。ここで書くようなことは、いわば業界の常識みたいなもんですから、知っている人が見れば当たり前の内容ばかりです。引越しをするにあたって「何を基準にすればわからない」「数が多すぎて選べない」という人なら参考になるかもしれません。

  • ①家賃:何よりも安ければいい
  • ②場所:物件の価値は立地で決まる
  • ③間取り:住みやすい形とは
  • ④構造:騒音を気にするならば…
  • ⑤日当たり:なぜ南向きなのか
  • ⑥設備:最近のマンション事情
  • おまけ:敷金、礼金、その他費用
    • 敷金
    • 礼金
    • 更新料
    • 保証人代行会社
  • 好みに合ったお部屋を
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魅力を伝える

何ヶ月か前に岡田斗司夫が言ってた、リスペクターになりたい。リスペクターとは自分の好きなものを「推す(おすすめする)」人だ。ちまちました粗探しをする批評家ではなく、知らない人や興味ない人を簡潔にファン層に取り込む、そんなリスペクターになりたい。おすすめするのは批評よりも簡単で、ただおもしろがっていればいい。岡田斗司夫によれば「最弱は見ても面白く語れないやつ」らしいです。自分はその最弱だ。どうやればいいんだろう。

「自分を見て欲しいリア充、良い作品を勧めるオタク」:岡田斗司夫ブロマガチャンネル

※記事内容を読むのがめんどくさい人用に動画で読みあげる手法をパクっています。寝ながらでも他の用事をしながらでもブログを読めるので、ラジオ的に活用してください。

↑読むのめんどくさい人は再生(15分)

  • 遙かなる祭の高みへ
  • 誰に伝えるのか
  • 「未知の層」へ伝えるには
    • 良い部分だけを伝える
    • 悪く見える部分をフォローする
    • キモいファンを遠ざける
    • わかりやすい魅力から伝える
    • わからない人を洗脳する
  • 全ては祭のため
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憂鬱な春がやってきましたよ

春は何故こうも憂鬱なのか。日に日に日照時間が長くなり、街は明るくなって気温も上昇し、心も晴れやかになろうと思いきやところがどっこい。この内側に充満する負の感情はなんだろう。暖かくなりつつあると言っても最低気温は2℃、必要がなければ外出する気も起こらない。外のベンチに腰掛けて時間を過ごすなんてもってのほか。それどころかベッドから出る気力すらない。外はあんなに明るくなってきているのに、というのも束の間で雲が陰ればあたり一面薄暗くなる。この浮き沈みはまるで心象風景のようだ。そんなときに思い起こされるのはこの言葉だった。

アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ

『右大臣実朝』 - 太宰治

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「本気出していない」から傷つかない心理

先日100円で買った「絶望名人カフカの人生論」を読んでいて78ページに出てきた項目が気になった。

自分を信じて磨かない

幸福になるための完璧な方法が、ひとつだけある。それは、自己の中にある確固たるものを信じ、しかもそれを磨くための努力をしないことである。

ー罪、希望、苦悩、真実の道についての考察ー

この文について以下のような解説が書かれていた。

才能があると信じて、でもその才能を伸ばす努力をしなければ、失敗した場合にも「努力しなかったから」と言い訳が立つので、自尊心が傷つかずにすみます。また、もし成功すれば、「努力しなかったのにスゴイ」ということになります。どっちに転んでもトクなわけです。そのため約七割の人はこの心理を持っていると言われます。

こういう心理を、心理学のほうでは「セルフ・ハンディキャッピング」と呼んでいます。

名前あんの!?

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  • セルフ・ハンディキャッピングの解説
  • 「それってセルフ・ハンディキャッピングだよね?」
  • 自分を振り返ってみる
  • 熱意がないのは?
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全面禁煙すべき?2020年東京オリンピックに向けての間違ったタバコ論議

このあたりを読んでいて思ったこと。

はい、喫煙者ですごめんなさい。僕はカナダに1年半住んでオーストラリアに1年近く住み、その他諸外国へ計3ヶ月ぐらい旅行していた。その間ずっと喫煙者だった。外国にいる間はむしろ日本にいるときより喫煙量が多かったんだけど、タバコに関する取り扱い方は日本と外国とで全然違った。1箱1000円近いのが当たり前とかパッケージがグロいって話もあるんだけど、それ以上に喫煙についての意識の違いが大きい。それは日本人と外国人とで、社会に対する関わり方が違うことに大きく影響していた。カナダやオーストラリアにもタバコが嫌いな人は多かった。しかし向こうでは「自分は嫌いだけど、あなたが吸うかどうかはあなたの自由だ」という対応をされる。よほどの原理主義者でない限り「喫煙者うぜえ!」とはならない。

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わかりにくいけどオーストラリアではパックに入ったタバコの葉っぱを買って手で巻いていた

なんで喫煙者が差別されないかというと、個人主義の国だからだ。個人の意思と自由を尊重する。「健康に悪いよ」という意見を言う人はいるが、それも最初の一度だけだ。「あとはあなたが自分で判断することで、私には関係ない」となってしまう。つまり、自分と他人との境界がはっきりしている。でも日本人だって「喫煙者が肺がんで死のうが知ったこっちゃねえ、それより副流煙うぜえ」というメンタリティの人は多いだろう。そのあたりも外国でははっきり区分している。どのように区分しているかというと、場所で分けている。パブリックスペース(屋外)とプライベートスペース(屋内)だ。パブリックスペースでの喫煙は自由であり、タバコが嫌いな人は喫煙者に近づかない。一方プライベートスペースにおいてはほぼ全面禁煙になっている。

  • パブリックとプライベート
  • 「みんなの意見」が正義の日本
  • 禁煙にまつわる不毛な議論
  • 日本式を取るか、海外式を取るか
  • 日本式と海外式の中間を取る
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モテたい人と、そうでもない人

先日「一生童貞であることは損か?」というQ&Aがあり、それを見ているときに自分でも考えていた。そこでの答えは、

むしろ無理なコストを支払って、期待していたほどのリターンが得られないほうが損だ。それに比べれば一生童貞であることのほうが割安である

という答えだった。まず、この質問者が童貞を捨てるにあたりコストがかからないのであれば、このような質問は出てこなかっただろう。そしてコストがかかればかかるほど、期待値も上がる。果たしてその期待値に見合うほどのリターンが得られるかというと、おそらくそうではない。だから、一生童貞でいることよりもコストを費やして童貞を捨てた方が利回りが悪く、損になるという結論だった。

  • 個人的な意見
  • 「モテたい」人たち
  • 1.本能型
  • 2.承認欲求型
  • 3.趣味型
  • そうでもない人
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