ノルウェイの森読んだ

順番とか頃合ってのがあり、うまい人、器用な人、粘り強い人、待てる人、忍耐力のある人はそれを習得し、行う。求めすぎず、与えすぎないことが大切なのに、不器用な人は、完全を求め、全てにおいて、ではなくても、肝心な点において、引き込み、押し出しを強力に行う。妥協というか、同調というか、楽観というか、やはり、長くじっくり浮き沈みをこらえることで先に進めるというのに、それをしない。出来ない。備わってない。学ばない。安易に、強打を狙い、大当たりする人もいるもんだから、また、大当たりした気になれることもあるもんだから、それではいけないんですね。地道に、地道に。遠く遠い。

高校のとき初めて読んだ。思うことはたくさんある。陳腐な恋愛小説だと言われており、それについては、まあそうなのかもしれないと思う。低い評価をする人々に同調して、自分も陳腐だと感じ、それでもいいとか、所詮恋愛なんて陳腐だとか、自分が陳腐な人間だからいいとか、そういう負け惜しみの気持ちはない。かといって、すばらしい最高あいつらにはこの程度の低い恋愛がわからないだけという風に、反発する気持ちもない。嫌いなところも多々ある。やはり、どうも主人公が嫌いだ。男が嫌いというのに似ている。低い評価も受け入れる部分がたくさんある。人は単純なことに心を動かされがちであるし、単純であることが美徳な場合もある。自分も単純に心を動かされる。読むたびに。よいこともわるいこともない。程度もなにもない。傷も、過去も、。一生抜け出ることのない層も。種類も。感動なんて言葉でもない。印象が違う。同調もない。何があるのか。経験もない。夢もない。希望はあるかもしれない。せこい。わかろうとするのは、不要であった。邪魔でさえある。わかるだけに、わからないほうがよかった。食べることが必要な気がする。食べて、味わう。私にはよかった。味は昔ほどではないけれど、好きだ。