外国で外国人について思うこと

Student Orientation

未だかつてない頻度で外国人と接触している。むしろ今は僕が外国人だ。ワーホリで語学学校に行くと、カナディアンの教師といろんな国の生徒と一緒に勉強することになる。
僕は日本でもそうだったけれど、ずっと一人で誰とも関わることなく必要最低限な暮らしを送っている。そんな消極的な日々にもかかわらず、Facebookの友達リストも、100人中30人が外国人になった。

どこの国の人が美人か

これは人類、に限らず雌雄に別れた生物なら永遠の命題なのかもしれない。自分の通っている学校にはかなりいろんな国から人が来ている。ヨーロッパ、アジア、南米、中東など、国や地域によって容貌やファッション、好みは多種多様だ。
昔どこかに載っていたことでソースは忘れてしまったけれど、「美人の基準は時代が決める」らしい。では、時代が何を決めるかというと、その時の権力者を決める。どういうことか、つまり、その時代に一番強い人が美人の基準になるということだ。今の時代はグローバル化されており、その中で現在最も強い人種である白人がもてはやされている。日本社会においても白人の持ち上げ方はすごい。特に、芸能界なんかで昔からか最近増えたのか、ハーフやクォーターがもてはやされている。

一般論はそこまでにして、今実際僕が通っている学校ではどうかというと、やはりスラブ系が圧倒的に美人だ。これは僕が日本人であることを抜きにしても一般論と何ら変わりない。白人同士でもウクライナの人は美人だという評価になるらしい。クラスにスラブ系の人がいると、一人だけ抜き出ていることが多い。

ケベックについては以前も書いたけれど、ケベックにいるカナディアン、ケベコワ達は、トロントニアンの標準とは違って美人が多かった。普通に街を歩いていても、店の店員も、誰も彼もがかなりの確率で美人だった。

それ以外の印象はもう個人差になってくる。メキシカンの綺麗な人は、国ではモデルだったし、韓国人の綺麗な人だっている。残念ながら日本人はあまりいない。日本人で美人であれば、わざわざこんなとこに来ることが少ないのかもしれない。

韓国人たち

僕はネトウヨではないけれど、サッカーやオリンピック、その他韓国国内の報道などから韓国人に対してあまり良い印象を持っていない。しかし、クラスにいる韓国人たちは普通にいい人たちだ。
韓国へ旅行すると、こちらが韓国語をわからないと思って笑顔で罵倒してくると聞いたことがあるが、彼らがそれをやっているようにも思えない。ただ、内には秘めているはずなのでそのあたり非常に慎重になる。「本当は竹島なんかどうでもいいでしょ?」「本当は自分の国のことも嫌いでしょ?」「あれは頭おかしい人だけのパフォーマンスで、まともな人は冷静に現実を見つめてるよね?」なんてとても聞けない。
彼らは自分たちの出身地をSouth Koreaと言う。統一の意思が無いのが、朝鮮のNorthかSouthかにこだわっているのは世界中探しても彼らだけだろう。韓国の男性は揃いも揃って黒縁メガネをかけており、みんながみんなカナダグースを着ている。

アラブ人たち

サウジアラビアは留学にあたって国からお金が出るらしく、サウジアラビア出身の人が本当に多い。他にリビアから来ている学生が何人かいた。シリア、レバノン、ヨルダン、イラク、イエメンなどは見たことがない。
サウジアラビアは親米の国だけど、アルカイダやタリバンと同じイスラム国家だ。同じではないけれど、我々非イスラムからすればどれほどの違いを見出すことができるだろう。僕が今見ているホームランドというアメリカのドラマではアブナジールというサウジアラビアの人が主犯格として登場している。僕たち日本人以外の諸外国人たちにとって、アラブ観というのはどのようなものなのだろうか。みんな普通に接しているが、さんざんテロだ原理主義だと煽っていたことを思うと非常に違和感がある。逆に彼らは非イスラム国家で、非イスラミックたちと机を並べて学んでいることに対する違和感がないのだろうか。

アラブ人は非常にフランクで誰にでも話しかける。巻き舌が強すぎて英語も何言っているかわからないことが多いけれど捲し立ててくる。名前のパターンが少なく、アリかアフマッドかムバラクかハキムかだいたいそういう名前だ。

サウジなんかは戒律が非常に厳しいけれど、国外に出た彼らは何を感じているだろうか。我々に対してどう思っているのだろうか。パレスチナ人についてどう思っているかとか聞けない。幸いなことにイスラエルの人は見かけない。ユダヤ人はいるかもしれないが。

ブラジリアン

ブラジリアンも多い。ブラジリアンはポルトガル語なので、英語の習得も比較的早い。ブラジリアンの男はほぼ全員がサッカーキチガイで、サッカーのことしか頭に無い。また、文章は全て筆記体で書くから読めたもんじゃない。

ブラジルという国は危険だというイメージが強い。この北の地に来ている彼らはやはり裕福なのだろう。歯科医の学校に行っているというやつもいた。褐色で超ごつい人とかもいて、クラス以外の場所で出会ったら怖くて目も合わせられないだろう。

彼らはこの平和なトロントの街についてどう思っているのだろうか。何を思って帰っていくのだろうか。国へ帰った時にどう感じるのだろうか。学校の中で自分の国を紹介することが度々ある中、みな自国に対するポジティブなアピールを行っている。それはブラジルも例外ではない。僕たちの持っている危険なイメージ、貧困のイメージというのは、違っていたのだろうか。それとも単に祖国だから、もしくはそれを上回る何かが。