カメラを持ち歩くということ

カメラが直ったので久しぶりにカメラを持ち歩いてみた。トロントもかなり暖かくなり、日中の気温は25℃近くまで上がった。外を歩く人の多さは、あの凍りついた冬と別の場所みたいに賑わっており、そんな今までとは違う街の景色をおさめておこうと思った。

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今住んでいるDufferinから南へ歩き、Dundasをずっと東へ歩いたらポルトガル人街に来た。実際はブラジリアンが多いようだが、家や店の雰囲気が少し違い、カフェも多い。

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そのまま東へ進むとケンジントンマーケットに差しかかった。最初はここがどこなのか気づかず、道路が封鎖されて露店で賑わっていたからとりあえず入ってみたら、なんか歩き方で見たことがある風景だった。そして僕のように写真を撮る観光客で溢れかえっている。端までたどり着くと、やはりそうだった。

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Spadinaまで着くと、Queenまで下がった。Queen沿いにHerschelを取り扱っているカバン屋があったから入ってみた。かなりの種類が置いてある。リュックを見ていたら、知ってる顔を見かけた。お互い顔を見合わせて

「うわ久しぶり、もう日本に帰ったと思ってた。ここで働いてたん?」
「久しぶり。髪伸びたねーまだ学校行ってるの?」

前の家に住んでいたシェアメイトだった。彼女は僕より2ヶ月ほど前に出ていってそれっきりだった。その後お互いどうしていたかとか、僕が引っ越した件や、一度日本に帰ること、その子が掛け持ちしていた仕事を辞めた話やここで8ヶ月ぐらい働いていることなど、近況とか他愛のない雑談を続けていた。

「カバン探してるの?何か探してるブランドとかある?」
「ハーシェルを」
「ハーシェルは直営店がないからトロントだとここが一番種類揃ってるよ」

デイパック、リュックサック、トート、ポーチ、同じ形でもサイズ違いや色、柄違い、生地違いなど確かにかなり豊富だった。値段も様々で戸惑う。

「そのカメラかっこいいね。どこの?こっちで買ったの?」

カメラに目が行ったみたいだ。

「ライカ。日本で買ったよ。」

今思えば、ここで大失敗をした。カメラを持ち歩く者としてこのタイミングで絶対言うべきなのが

「そうだ、せっかくだから一枚撮るよ?」

と言ってさらっと撮ることだった。その時はカバンのことばかり考えて完全に飛んでいた。反省して次に活かそう。
僕みたいな内向的な人間は、人を自然に撮る機会、タイミングが少ない。だから誰かの目がカメラに行ったらそれ以上の機会というのはない。自分から写真を撮らせてくださいなんて言うことをしない、できない人は、人がカメラに興味をもった際に絶対言うべき。

カバンを買ってそのままQueenを東に歩いた。天気がよく、外が暑いので喉が渇く。僕は飲食店などの冒険があまりできないほうなので、Johnストリート近くのスターバックスに入った。メニューに抹茶フラペチーノは載っていなが、聞いてみたらあるということだった。抹茶フラペチーノを頼んで外のテラスで飲んでいた。さっき買ったカバンを開けたりしながら、iPhoneもいじっていた。

「Awesome camera!」

近くに座っていた外国人がカメラに興味をもったみたいだ。そして僕はそこで2nd失敗をしたのだった。

「Can I take a picture?」もしくは「Do you want to try this?」絶対聞くべきだった。実際僕がしたのは、カメラを見せて「これ?」と聞いただけだった。僕その時カバンとiPhoneで精一杯だった。しかし、カメラを持ち歩くということはそういうことなんだ。シャッターチャンスというのは向こうから訪れる。それを逃して撮れる写真というのは大したことがない。自分から向かっていく姿勢も大事だけど、もたらされる機会を逃す手はない。ということで、これからカメラを持ち歩く時は気をつけようと思った。

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そのままyongeまで歩いた。yongeからdundasへ向かい、LCBOでビールを買って電車に乗って帰った。終わり。