会社員を続けられる人がうらやましい

日本に帰って(去年帰った時など)かつての同僚に会ったりすると

「好き勝手できてうらやましい」

と言われることがたまにある。僕はこの言葉を半分は本当で半分は嘘だと思う。おそらく半分は本気で、自由にできる立場が羨ましいとは思っているだろう。しかし、もう半分で必ず「こうはなりたくない」と思っている。そうでなければ同じように会社を辞めて自由にしているはずだから。

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だから僕の本音としても「会社員を続けられるお前らの方が余程うらやましい」と思っている。僕はそれができなかったから辞めただけ。できるもんなら残りたかった。どうせならやはり現実社会で認められたかったし、表の世界に属していたかった。でも無理だった。違和感に耐えられなかった。僕の弱さでは世の中から弾かれただけ。

だから僕は、言い方は変だが世に言う普通の人たち、普通にできる人たちに対しての憧れが強い。「こうはなれないな」と思いつつも同時に「こうであれば楽だろうな」と思う。そう、今の社会に対する適性があれば。普通って何っていう議論はここでは抜きにしよう。先日もニューヨークから来ている友人と話していた。彼は同じ会社ではなかったけれども、あの体育会系を母体とした会社組織には二度と戻りたくないということを口を揃えて言っていた。あの中では生きていけない。そしてそれができる人はすごいと思うし尊敬する。僕はその、普通以下だから。

これはもっと若い時にやりたいことを自由にやっておいて大人になってから丸くなればいいとかそういう類の話でもない。それはそれで、例えば学生運動やっていた人が卒業して普通に社会人やっていたりするのも変だと思うし、そもそも僕は若い時にやりたいこととか出来ることは無かった。金も知識も願望もなかった。

今ようやくになって少しのお金ができて残り少ないであろう人生を悔いなく終われるように遣り残したことを消化しているに過ぎない。僕は結婚とか子供とかにも興味がなくて、リタイアが、僕の限界が早かっただけだ。60を過ぎてからお金に余裕を持って海外を飛び回ったり英語を学んだり外国へ長期滞在しても別に構わないだろう。やっている人は大勢いる。僕はそれが無理だったし嫌だったというだけ。