「さよならわたしのおかあさん」を読んだ

奥さんの母親の具合がよくなくて、奥さんは今も実家に帰っている。自分は京都に残って猫の世話をしたり、自営業の店にいたり、洗い物をしたり洗濯したりしている。帰ってくる前に掃除機をかけないとな。

奥さんが実家に帰る前、ハリウリサ(ハリウクオリティ)の浜田雅功モノマネが似てないと騒いでいたら、呆れられた。

「これを読んでくれたら、今の私の状態がわかる」

と言われ、吉川景都の「さよならわたしのおかあさん」を渡された。短いエッセイ漫画。内容としては、母親がガンにかかり、2年の闘病生活を経て他界する。その間の生活の移り変わりだったり、お母さん子だった作者の心情を描いている。奥さんが風呂に入っている間に、すぐに読み終わった。

この漫画はほとんどが、お母さんと自分と自分の娘のことで占められている。父親や旦那さん、妹のことは少ししか触れられていない。漫画の主人公である作者は、情緒不安定に取り乱す人だ。僕から見るとかなり無防備で危うい。まるで、自ら傷つきに行っているようで、見ていられないところがある。奥さんとこの漫画の作者は全然違う。性格も、状況も。けれどそれでも、今一番共感する立場なのだろう。

僕にできることは、京都の家で猫を見張っていることぐらいだ。母と娘、少しでも長い時間過ごせることを願うけれど、漫画では世の中にありふれた現実を示していた。作者は母親の死から3年経ち、落ち着いたところでエッセイにしたそうだ。仕事をして、日常生活を営んでいる。それでもまだ母親の死から立ち直れていないと、あとがきには書かれていた。