アンカットダイヤモンドを見た

Netflixオリジナルの映画、アンカット・ダイヤモンドを見た。アトロクでも29tizuでも取り上げられており、暇だからどうせならラジオで感想を聴ける映画を見ようと思って。一応予告を貼っておこう。

予告を見てもらっても何の映画なのかさっぱりわからない。この映画に関しては、本編を見始めてもどういう映画なのか全然わからない。主人公は、どうやらニューヨークを拠点とするユダヤ人の宝石商のようだ。いろんな人が出てくるんだけど、素性が知れない。物を売ったり買ったりお金を預けたり借りたりしている。いつも誰かに追われている。借金取りらしい。そして何やら、オープニングに出てくるブラックオパールを取り巻く物語のようだ。

この映画がどういう映画なのか、全部見た上で一言で言ってしまえば、「ダメな奴がやらかしてしまうのをずっと見守っている映画」。ダメな奴とはアダム・サンドラー演じる主人公のハワード。そのダメな奴と言っても嫌な奴のほうで、嘘つきまくり、変なところで運があって金持ってる、けど借金しまくり、口先だけは上手い、いわゆる何も出来ないタイプのダメな奴ではなく、世渡り上手でのし上がってきた嫌な奴の方。典型的なユダヤ人のイメージなのかもしれない。そういうダメな奴が、ついに行き詰まってやらかしてしまいそうになるのを2時間15分ずっと見守っている映画。

僕は見るのがめっちゃしんどい映画だった。「とにかく落ち着け」と言いたくなる。「全員落ち着け」と。特に競売で値段を釣り上げているシーンなんかは見ていられず、一度中断して休憩を入れた。この映画は緊張感のあるハラハラするシーンがずっと続く。そう言ってしまえばいいように聞こえるが、この映画におけるハラハラするシーンは、スリルとかアクションとかではなく、不安なのだ。それも、ダメな奴がやらかしてしまう不安。それを2時間ちょっと見せられるんだから疲れる。おもしろかったと言えばおもしろかったけど、僕は苦手です。もっと緩急あるか、平穏な作品のほうが好みだ。

不安の中には主人公ハワードが、いつ殺されてもおかしくないという緊張感もある。とにかくウザイ人だから、出会う人出会う人あちこち全員から恨みを買う。本人は多分ずっとそうやって生きてきた感じでお構いなし。気付いてないのだろうか?それすらも楽しんでいる感じに見える。バスケ選手を紹介した黒人とかに対して、なんでこんな態度取れるのかわからない。殺されてもおかしくない。不倫相手の女性には、なんで好かれているのか全くわからない。いつ裏切られてもおかしくないと思って見ていた。

ハワードの一挙一動は何もかもがギャンブルで、なんか変な自信を持っているけれど全く根拠がない。だから見ていて不安になる。そういう文字通り綱渡り映画でした。この映画で学んだことは、アメリカのユダヤ人はNBA狂だってこと。

アンカット・ダイヤモンド - Netflix

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