ジャンボシアターについて

「90年代のこと」を読んでいたら、ジャンボシアターのことを思い出した。ジャンボシアターとは、ジャンカラことジャンボカラオケ広場の系列店だったレンタルビデオ店。実家の近くにあって、よく通っていた。高校生のときに潰れた。

映画館は年に数回行くか行かないかという程度だった。しかしジャンボシアターは毎週通っていた。今のような配信サービスが始まる前、レンタルビデオ店へはDVDに変わってからも本当によく通っていた。それこそ毎週ぐらいに。就職してからも大阪に住んでいたときは天六のゲオばかり行っていた。深夜でも開いていて便利だった。名古屋にいたときは金山から尾頭橋のツタヤに通っていた。今はもうないらしい。ドン・キホーテはまだあるようだ。

中学生ぐらいから自分の名義で会員証を作り、自転車で5分ほどの距離にあるレンタルビデオ店、ジャンボシアターに週1ぐらいのペースで通っていた。なぜ頻繁に通うかというと、返却期限があるのもそうだけど、同時に自分が借りたかったものが返ってきているかチェックするためだった。そのために何度も店に通うのだ。ガンダムもZガンダムもリアルタイム世代ではなく、全てレンタルで見た。ビデオ1本に2話とか、長くても4話しか入っておらず、ガンダムはだいたい50話ぐらいあるからめちゃくちゃ通わないといけない。ZZまで見て、0080と0083は途中でリタイアした。エヴァンゲリオンは世代だったけど僕はリアルタイムで見ておらず、後にジャンボシアターで借りて見た。

ジャンボシアターは、旧作なら1本100円で一週間借りることができた。当時良心的だと思っていたが、Netflixが月1,000円程度の今の感覚だと、高いのか安いのか判断することが難しい。とにかく100円とかなら中学生にも平気で手が出る価格帯だった。新作は1本500円とかした。新作1本借りる価格で旧作が5本借りられる。しかも新作の貸出期間は2泊3日とかだった。新作を借りたければ親を巻き込んだり、友人同士でお金を出し合って一緒に見た。「ほんとにあった呪いのビデオ」は新作が出るたびに友人と二人で借りて、そのまま僕の家で見ていた。

いつかの夏休み、ジャンボシアターは意味のわからないセールをしていた。一週間100円だった旧作が、0円になっていた。店に行くと、セールを知った人の行列ができていた。ちょうど夏休みだったから、そのときは本当に借りまくった。週に1回どころか、最初のうちは見ては返して借りて見ては返して借りて、毎日通っていた。それが一ヶ月ぐらい続いた。なんでそんな無茶なことをやったのだろう。いくら客をさばいても店側の利益はゼロだった。僕らにとっては非常にありがたかった。最後の方には借りたいものがなくなっていた。

ジャンボシアターは、ビデオからDVDへ移行する途中で潰れた。潰れたと言っても母体であるジャンカラの会社は残っているから、レンタル事業から撤退したことになる。店が潰れただけ。ジャンボシアターで借りたビデオは数えきれない。映画もたくさん見ていたが、それ以外にもアニメだったり心霊投稿ビデオだったり、パンクラス、リングス、脩斗、UFCも片っ端から借りて見ていた。高校のときは格闘技ブームだったなー。AVは全く借りていない。借りられる年齢になる前に潰れたか、既にインターネット上で見るようになっていたか。

僕にとっては、映画館よりもレンタルビデオ店の方が馴染みがあり、思い出深い。中学の時に、友達の家に5人ぐらいで泊まって、夜通し何本もホラー映画を見ていた。それは全部ジャンボシアターで借りたものだった。一緒に借りに行って、みんながそれぞれ選んだ。確かシャイニングとかを見ていた。ジャンボシアターがなくなってからも、ビデオからDVDに移行しても、長いことレンタル店へ通う生活は続いた。

レンタルDVD店は今もあるのだろうか?最後に行ったのはいつだろう。4,5年前だろうか。行かなくなる前後は、借りに行っても見たい映画や映像作品が全然なかったことを覚えている。借りようと思っても、そもそも置いていない。全然見たくない作品ばかり仕入れては、棚に並べられていた。その頃にはもう、レンタル店は映画や映像作品が好きな人が行く場所ではなくなっていた。何も知らない人が、ただなんとなく借りて、見て喜ぶだけのものが置いてある。その当時まだNetflixに契約はしていなかったが、レンタル店は終わったと思った。

90年代のこと―僕の修業時代

90年代のこと―僕の修業時代