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食事の最後にデザートがある。デザートだが、頼んだのは豆腐だ。大きな豆腐を薄く何度も掬って、それぞれの器に移す。
「日本ではこういう食べ方しないだろ?」
と言って彼らはシロップとカラメルのような砂糖の粒をかけ、食べる。僕もそれにならって食べた。豆腐は完全にあの豆腐だ。おかずの豆腐。違和感はあったが、デザートとして食べられなくもない。
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泊まったところはエアコンつけっぱなしで寝苦しくなく快適だった。ただ、ひとつ驚いたのは、中国式のシャワーだった。「香港や中華圏では当たり前のスタイル」と言われたが、日本人にはなかなか受け入れがたいと思う。日本のアパートにはユニットバスという、トイレのすぐ隣にシャワーがあるタイプの風呂がある。あれも嫌いな人は多い。
僕自身もユニットバスは好きじゃなくて、風呂場とトイレをセットにしてしまう神経が理解できない。だって、トイレは臭いし汚いじゃないか。風呂場は身体をきれいにする場所なのに、すぐとなりに臭くて汚いトイレがあるなんて気分が悪い。しかし、中国式シャワーはそれの上を行くものだった。
いわゆる和式便所である。その上にフタが置いてある。その上に立ってシャワーを浴びる。つまり便所の上でシャワーを浴びるのが中国式だった。つらい。ホテルに泊まればこうではないと思うが、古くからある宿に泊まれば見かけるかもしれない。昔ながらの個人宅は今でも当たり前らしい。写真は撮っていない。
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香港国際空港から市街への行き方は3つある。電車とバスとタクシーだ。例外としてホテルのシャトルバスや、ツアー客の送迎車などがある。
電車はエアポートエクスプレスという名で、駅は空港に直結しており、まっすぐ市街地へ向かうことができる。乗車時間は30分と短い。おそらく多くの人は何も考えずにこちらを利用する。便利だからだ。タクシーを利用する人はリッチな人や目的地がアクセスしにくい人に限られる。
最後にバス。実はバスも2種類あって、AバスとEバスがある。Aバスはいわゆる快速みたいなもので、停車数が少ない。Eバスは各停。ただ実際市街地までにかかる時間差は15分ほど。Aバスは39香港ドル(約560円)、Eバスは18香港ドル(約260円)、エアポートエクスプレスは100香港ドル(約1450円)、さてどちらに乗りますか?
続きを読む出国の搭乗時間は朝8:50、搭乗手続きは遅くとも30分前までに終わらせないといけない。空港で1時間余裕を持って行動しようとすると、朝7:20には空港に着いていなくてはならない。自宅から関西国際空港までは2時間半かかる。となると自宅を出るのは朝4:50、そんな時間に公共交通機関は動いていない。第一、4時台に起きて移動するなんてしんどい上に起きられる自信がない。そういうわけで、いつものように空港泊することにした。
いつものようにと言っても最後に空港へ行ったのは去年の6月。もう1年もご無沙汰であり、旅行そのものに対してやや臆病になっている。根拠のない弱気。「イスラエルに比べたら何も心配いらない」そう思いながらリュックを背負い、夜の空港へ向かった。
続きを読む去年の旅行は一ヶ月弱だったため、LCCに乗る際も預入荷物があった。今回は3泊4日と非常に短い旅行だったから荷物が少ない。30Lのバックパックで旅行した。通常のリュック、いわゆるデイパックと呼ばれるものが15Lサイズで、少し前に流行ったアークテリクスのリュックが22Lサイズ、30Lというと少し大きめ。でもこれぐらいのサイズなら機内に持ち込める。
機内持ち込みだけの旅行は快適だった。LCCは預入荷物が有料だし、手荷物だけならロストバゲージの心配もない。何より飛行機を降りたあと、流れてくる荷物を待たなくていい。リュックだから両手も空くし、重量制限があるため重くもない。
カート付きのスーツケースにも機内持ち込みサイズというのがある。なぜあれにしなかったかというと、持っていないから。あと僕みたいに旅行中全て持ち歩くなら、ガラガラ引っ張らなければならないスーツケースは不便だ。スーツケースでの旅行はタクシーの移動が基本だったり、荷物はホテルに置きっぱなしで手ブラで観光する旅行に限る。
先日3泊4日で香港へ行ってきた。ついでにアジアのシリコンバレーと呼ばれる深センにも寄ってきた。香港へはいつか行こうと思っていたところ、片道だけLCCのセールチケットが取れたため、今回やっと行くことにした。それが全体的に結構格安になったので、書き記しておこうと思う。関空ー香港間は飛行機でたった3時間という近さ。新幹線なんかに乗って下手に国内旅行するより早いし安いですよ。
ずっと行ってみたいと思っていた。Peach航空のセールで6月のチケットが取れてやっと行くことになった。空港税など全て含め往復1万円ぐらいです。カウチサーフィンに旅行予定を公開していたら声がかかり、泊まる場所も決まった。あとは何を食べるか、どこを見るか考えるだけ。それも以前にある程度調べていたからそれほど手間はかからない。
続きを読む先日から既に公開しているけれどあらためて。2015年に旅行したキューバの日記を電子書籍にまとめた。まとめ記事は検索からのアクセスもあり、ある程度読まれるんだけど、苦労して書いた旅行記がほとんど読まれない。これはもったいないと思い、全部ひとつにまとめてみたら、超簡単だけど超大変だった。
誤字脱字表現を直すのがめゃくちゃ大変だった。自分が書いた同じ文章をいったい何度読み返しただろう。日記は覚えているうちに書くことが先決だったため、誤字脱字の嵐だった。実はこの作業、去年から手を付けていたがあまりにもめんどくさくてほったらかしていた。やっと完了した。途方もなく疲れた。ベースはブログの文章、写真も同じだけど、新たに追加したりしています。誤字脱字、変な日本語はまだまだあると思うから、気づいたら教えてください。
今回初めてEPUB3形式にしてみた。電子書籍の標準はEPUB2なんだけど、現在日本の電子書籍は日本語仕様の独自路線として、EPUB3が主流になっている。EPUB3用のエディタは無く、Markdownで書いたものをでんでんコンバーターで変換した。めっちゃ簡単でこれなら誰でもできる。目次の作成も自動でやってくれる。電子書籍の自己出版に興味がある人がいて、わからないことがあれば教えますよー。難しいことは僕にもわかりませんが、今回やった程度のことなら伝えられると思います。
文量は約4万字、ページ数で言うと150ページぐらい。値段は300円です。読み物か、もしくはガイドブック代わりにどうぞ。
※カラー写真が基本になるため、タブレットやスマートフォン、パソコンのKindleアプリで見ていただくことをおすすめします。それでもほとんどが文章だから、ペーパーホワイトでも読めなくはない。
ありがたいことに感想を頂いているので、ご紹介いたします。
これまでの旅行には、共通したテーマを持って行ったものがいくつかあった。今年の2月から3月にかけてはユダヤ人(セファルディ)の軌跡を辿るというテーマのもとに、スペインからモロッコを経てイスラエルを訪れた。その旅行と一部被ってしまうことになるが、現代史を辿るというテーマでまとめられる旅行があった。今僕らが生きているこの世界が、何故このようになったのか、今の直接的な土台となっている現代史にその答えを求め、訪ねていた。
僕が生まれた1980年代は、まだ東西冷戦の真っ最中だった。その時代にはアメリカに匹敵するソ連という国が存在した。ハリウッド映画と言えば反共映画だった。ソ連は今のロシア以上に恐ろしい国として描かれ、同時に我々一般庶民にとっては訪れることも困難な遠い国だった。いつの日かロシアを、ソ連の名残りを求めて訪れたいと思っている。
少年時代にベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終わった。昭和天皇の崩御もあった。それらの時代は今と全く別物のようでありながらも、今へ確実につながり、根付いている。僕たちが過ごした時代の前には何があったのか。今とどう違い、どのように関わっているのか。それを確かめずにはいられなくなり、答えを求め、各国を旅して周った。
旅行をしていると、つい話したくなったり人から聞かれる体験を積み重ねていきます。旅行は話のネタの宝庫です。「こんなことがあったんだよ」「こんな人がいたよ」「こんなところに行ったよ」日常生活と一線を画す旅行中のできごとは、人々の注目の集める恰好の材料になります。しかし、そんなステキ体験も伝え方を一歩間違えれば、あらぬ方向へと転化してしまいます。「興味ない」「聞き飽きた」「ウザい」そのように思われがちの、旅行者定番武勇伝があります。あなたも知らず知らずのうちに口にしていませんか?それでは順番に並べていきましょう。
旅行を始めた当時、いわゆるバックパッカーに対しての憧れがあった。「深夜特急」や「何でも見てやろう」「アジアン・ジャパニーズ」を読んだ影響かもしれない。そして旅行を何度か繰り返すうちに、世界一周してきたようなバックパッカーたちに何人も会ってきた。彼らは旅行のこと「旅」と言う。僕はそれにすごく違和感があった。「旅行」ではなく「旅」。僕にとって旅行は飽くまで旅行であり、それ以上の何か特別な意味はなかった。「旅」という言葉には旅行ではない何かが含まれていた。それを感じたとき「バックパッカーは合わない」ということに気づいた。自分が求めている方向性とは違った。
ではいったい、自分の旅行の目的とはなんだろう。旅行者を目的別、ランク別に分類してみた。ランクの基準は難易度ということにしておこう。