ユーゴスラビア紛争に関する映画

2年ほど前に戦争の体験談を語るわを読んで以来、ユーゴスラビアに関心が向いている。僕らが子供の頃に紛争があり、民族浄化があった土地。当時、NATOによるユーゴ空爆のニュースがあったことを覚えている。紛争からは20年が経つ。名前しか知らなかった国だけど、いろいろな人が日本に来て活躍しており、日本ともつながっていた。

サッカー好きならストイコビッチが有名で、オシムもユーゴ出身だ。格闘技好きならブランコ・シカティックが紛争に出兵するため、94年のK-1に出なかったのを知っている人もいるだろう。ミルコ・クロコップは元ユーゴスラビアのクロアチア人だ。そういった日本で活躍した人たちも体験したユーゴスラビア紛争について、映像で知りたいと思い映画をいくつか見た。

サラエボの花

ボスニアヘルツェゴビナで、紛争の傷を抱えながら現代を生きる親子の姿を描いている。
サラエボの花 (字幕版)

サラエボの花 (字幕版)

 

ノーマンズランド

紛争中、交戦地帯に取り残されたボスニア兵とセルビア兵のやりとりが、コミカルながら悲惨な形で描かれている。
ノー・マンズ・ランド HDマスターDVD

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ライフイズミラクル

鉄道建設の指揮をしているセルビア人男性と、家族と、紛争と、ボスニア人の女性との関わりが、演劇のように描かれている。映画の雰囲気は紛争中とはとても思えないが、実話が元となっているようだ。
ライフ・イズ・ミラクル (字幕版)
 

僕ら日本人にとってユーゴスラビアは、土地にも歴史にもあまりに距離があるため親近感が湧かない。多分向こうもそうだと思う。その距離感を映画で実感したり、また映画を見ることによって意外と近く感じたり興味が湧いたりするかもしれない。僕はずっとサラエボに行ってみたいと思っていたけれど、最近はベオグラードも行きたい思っている。ドブロヴニクは普通に行きたい。

 
日本人にとって戦争は遠い昔だけど、ユーゴスラビアでは戦争を知らない世代の方が少ないんじゃないだろうか。戦争は今でも世界中で起こっていて、他人ごとだけど無視できない。いつ自分たちの身に降りかかるかわからない。意思決定の立場にない者にとって、どこにいても戦争は厄災である。次はアンダーグラウンドという映画を見よう。