キューバ旅行記3日目⑦「ラチェ」

前回の続き

ATMを再び試す

昨日はなかなか寝れなかったものの、朝は9時に起きた。朝食は昨日と同じパンとオムレツとフルーツとコーヒー。朝食をとったあと再び少し寝て、12時にはホテルを出た。昨日はATMで両替ができなかった。僕は現金を$35しか持ってきておらず、そのうちCUCは使い果たしており残り人民ペソがいくらかしかない。このまま両替やキャッシングができないとなると最終日まではとても保たない。僕は他にもクレジットカード、カナダで作ったデビットカードを持っていたため、とりあえず全部試してみようと思い近所のATMへと向かった。結果、全部使えない。こうなったら他のATMを試すしかない。確か旧市街のカデカにもATMがあった。あれだけ並んでいれば外国のカードも使えるだろう。

 

再びカデカ激混み

もう昼を過ぎていたから近所のCafeteriaでサンドウィッチを買って食べた。ハンバーガーのようなパンに挟まれた具はハムとチーズ。値段は5人民ペソ(約25円)。サンドウィッチは大体5ペソが相場らしい。パンを食べたあと僕は昨日食べたアイスのサンドを食べようと、場所を思い出しながら探した。しかし見つからない。気温と日照のおかげでクソ暑い。ここまで来たらついでにObispoにあるカデカのATMを試してみようと思った。ハバナの竹下通りを歩きカデカの前まで来たが、やはり激混み。この行列はCUCから人民ペソへ両替するために並んでいるのだろうと思っていたが、なんとATMに並んでいた。これは無理だ。僕はカデカを諦め、昨日行っていない旧市街の観光地へと足を運んだ。

ATM使えない

ビエハ広場という場所に出た。クソ暑い。僕は我慢できずにそこにあったアイス屋で値段を聞いてみた。なんと1CUC = 24人民ペソ(約120円)。昨日食べたアイスはたった5ペソ(約25円)だった。これが観光地価格というものか。僕は暑いからその値段でも買って食べた。しかも味は昨日食べたアイスの方がうまかった。

そのまま旧市街にあるATMを2つぐらい試してみたが、どれもカードを受け付けなかった。これはもしかするとまずいんじゃないか。まだ3日目だ。このまま両替ができなかったらあと4日間をどうやって過ごそう。そんなことを思いながらも暑くて道端のCafeteriaでジュースを飲んでいた。コップ一杯ジュースの相場は1〜3人民ペソ(約5〜15円)だということがわかった。

キューバ人に声をかけられる

日本から持ってきていたタバコが切れたため、こっちのタバコを買おうと思いホテル近くのCafeteriaに並んでいると

「ジャパン!ジャパン!」

と声をかけられた。向こうから声をかけてくる人は基本的にたかりだと思っていい。彼は英語で話しかけてきた。芸者のタトゥーを見せ「俺は日本が好きなんだ」みたいなことをしきりに主張してくる。おしんを見たとか。こっちでおしんがやっていたのは本当みたいだ。僕は見たことないけど。あとキューバは野球が強く、松坂が好きだとか言っていた。

本当はここで無視するべきなんだが、僕はタバコの買い方とか値段がわからなくて聞いてしまった。Aromaという19mのフィルター無しタバコが7人民ペソ(約35円)めちゃくちゃ安い。ちなみにキューバはタバコ天国でだいたいどこでも吸える。

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アロマというタバコ タール19m 7人民ペソ(約35円)

僕がタバコを頼んだものだから

「ビールはいらないか」
「モヒート飲みたいか」
「マリファナ吸わないか」

とやたら絡んできた。僕はそもそも金がなかったから

「ATMが使えないんだ」

という話をした。

「他のATMを試してみよう、ついてこいよ」

と言われ、Pradoの西の方へと入っていき南へ下った。ATMの前まで来ると「俺はここで待っているから」と言って画面が見える場所に近寄って来なかった。ATMはまたしても使えなかった。

「このメッセージはなんて書いてあるんだ?」

それはスペイン語だったから僕には読めない。僕の次に待っていた人が何か言っており、男に「彼女は何を言っているんだ」と聞いてみたところ、なんと日曜日でATMが使えないということだった。一部のATMはそういう仕組だそうだ。

キューバ人の家に行く

「母親が使えるATMを知っているから家に来いよ」

まさかの家だ。これはかなりやばい。しきりに

「ドンウォーリー!ドンウォーリー!ユーアマイフレンド!」

と連呼する。いや会ってまだ1時間も経っていない。怪しすぎる。しかし僕は彼の家に行った。彼の家までは2、3分歩いた。

「コーヒーを飲め」
「ブレスレットをやる」

これは非常に良くない。僕は日本でもカナダでも基本的に無条件で何かを受け取ったりしない。それは相手がただの親切でやっていても同じことだけど、旅先で会ったばかりの人間、しかも見た目がやばく明らかに観光客を騙そうとしている雰囲気がある男から何かをもらうというのは危なすぎる。コーヒーはもらったものの、ブレスレットは断った。

「写真を撮ってくれ、俺と母親で」

母親を紹介された。僕は握手をして写真を撮った。母親をとても大切にしているみたいで、これはこっちの文化なのかもしれない。奥にいる弟も紹介された。

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キューバ人とその母親(彼らの自宅にて)

「母親に聞いたが、向こうのATMなら日曜日でもやっているそうだから行こう」

僕は正直言って信じていなかったがとりあえず家から出られると思い、ついていった。

正体が明らかになるキューバ人

「ここだ、ここなら使えるみたいだから試してみろ」

僕はATMにカードを刺して使ってみた。持参していたクレジットカード2枚はやはり使えず、カナダのデビットカードが使えた。このATMは銀行に置いてある銀行直営のATMのようで、日曜でも動いていたみたいだ。僕は40CUC(約4,800円)を下ろした。

「使えたよ、ありがとう」

「俺の名前はラチェだフレンド!何か困ったことがあったら言ってくれ、じゃあ金も下ろしたことだしモヒート飲むか?」

僕は正直モヒートも飲みたかったから金額を聞いたら4CUC(約480円)と言われた。僕は40CUCしか持っていない上に、こっちの相場からしたら高い気がしたため断った。

「じゃあビール飲むか?」

「いくら?」

「1CUCだ」

これは先日買った相場通りだったからビールを飲むことにした。近くで売っているというのでとりあえずそこまで歩いた。

「俺が買うからとりあえず5CUC貸してくれ」

「え、何で5CUC?」

「お釣りは返すから」

僕はおかしいと思いながらも5CUC渡した。ラチェは酒の売店に並び、ビールとコーラとラム酒とタバコを買っていた。

「ビールとラム酒はお前に買った、コーラとタバコは俺がもらう、俺は酒飲まないんだ」

そうきたか。お釣りはゼロだ。

次回「ギブアンドテイク」へ続く

※電子書籍にまとめました。タブレットやスマートフォンのKindleアプリで読めます。

記録キューバ旅行

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