ウェディングドレスと戦争

少し前にこういうtogetterを見た。

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男性が結婚式に対して後ろ向きなのは、衣装のせいではないかという話。まとめられたリプライには「鎧兜なら出たい」といったコメントもあった。僕自身はこの意見に賛同しかねる。何も僕が結婚式やりたくないとかそういう話ではなく、そもそもそんな仮定は成り立たないわけで。

それはともかく、他人の結婚式ならぬ披露宴に行って、呼ばれただけの立場なのに泣いている女の子や、自分も結婚式挙げたいとか、結婚式好きの女性をよく見かける。男性にも稀にいるが、女性が圧倒的に多い。あれ一体なんなんだろう、自分には全く理解できないんだけど、他人の趣味をとやかく言うつもりはない。多分あーやって人に注目されることや、物語の主人公めいたお姫様憧れみたいなのが根強い人もいるのだろう。

さて、ウェディングドレスやお姫様に憧れる女性が一定数いるとして、我々男性はなんだろうと考える。皆が皆そうだとは言わないが、有りがちな意見として出てきたのが先ほどの、鎧兜、甲冑、戦闘服である。軍人の男性は結婚式を挙げる際、一般的なタキシードではなく儀礼服という軍服を着る習慣がある。自衛隊も同じだ。あの服装は僕から見てもかっこいい。

でもなんか違う。儀礼服はかっこいいと思う反面、我々男性が憧れるのはやはり結婚式のような茶番ではない。では一体なんなのか。女の子がウェディングドレスで結婚式に憧れることと対比して、男の子が戦闘服で出陣するのに憧れるのは、やはり戦(いくさ)なのだ。つまり戦争である。

こう言うと野蛮だとか思われるかもしれないが、ある程度それが本質だと思う。もちろん戦争に全く興味ない人もいるだろうし、刀や銃といった武器や迷彩服のような軍服をかっこいいと思いつつも、戦争は悪で存在自体を忌み嫌っている人も多い。自分がいざ戦争に行くとなったら誰もが嫌がる。

岡田斗司夫が語っていたが、映画監督のスピルバーグはものすごい反戦主義者なのに、プライベートライアンみたいな戦闘シーンをすごく上手く撮る。また、宮﨑駿も根っからの反戦主義者なのに武器や兵器、戦闘シーンを描かせれば凄まじい。そこには戦争を否定しながら、ある一面では戦争を美しく肯定的に描きたい衝動があり、矛盾が存在すると。そしてそれは、彼らだけに限らず多くの男性にあるんじゃないかと言う。

男性が憧れるのは、誰もから注目されるお姫様のような存在ではなく、戦場に立つ英雄なのではないか。大義あるヒーローである。敵を倒す存在だ。そして誰もがヒーローになれる可能性があると感じるのは、男性にとって一世一代ハレの舞台は、結婚式場ではなく戦場にある。

戦争は悪と言いながらも、戦争映画、マンガやゲーム、ドラマ、時代劇やアクション映画、ファンタジーものからSFまで、戦闘やヒーローを題材にした作品には子供から大人まで根強い需要がある。これらの作品に心躍らされ、熱い展開に燃えあがるのは、心の何処かにあるヒーロー憧れの証左と言えるのではないだろうか。刀や甲冑といった武具を集めたり、サバゲーやったり兵器や戦術についての知識をつけたりするのも、戦場に対する憧れを心に抱いてのことじゃないだろうか。

多分男性だったら半分ぐらいわかってくれるだろうし、女性は理解できない人のほうが多いかもしれない。男女の違いは身体的な構造とそれを成すホルモンバランスの違いであり、感情にも影響を与える。個人の人格を作る要素はそれ以外にもたくさんあるため一概に言うことはできないんだけど、女性の「結婚式とウェディングドレス憧れ」と、男性の「戦場と武器憧れ」が対比できるなら

「結婚式とウェディングドレスに憧れる女性」に対して男性が思うこと=「戦場と武器に憧れる男性」に対する女性の気持ち

この等式は成立するんじゃないか。もしパートナーがいて、ヒーロー物や銃などの趣味が理解できなければ、その人のウェディングドレスに対する理解もそんな感じだと思っていいと思う。僕にパートナーはいませんが。